日本には27,932の源泉がある。湧出量は毎分約251万リットル、1日に換算すると約362万キロリットルにのぼる(環境省 令和4年度調査)。日本列島が世界有数の温泉大国である理由は、その特異な地質構造にある。
日本列島は、東北日本と北海道側の北米プレート、西南日本側のユーラシアプレートという2つの大陸プレートの上にまたがる。そこへ太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込み、活発な火山活動と複雑な断層系を生んできた。プレートの動きは年に数センチメートルにすぎないが、数百万年という時間をかけて日本列島の地形を作り上げている。
温泉が湧く基本の仕組みはなぜ温泉は湧くの?地質学から見た温泉の神秘で解説している。本記事はその応用編として、プレート・断層・岩石タイプという3つの切り口から秘湯を選ぶ視点を紹介する。
紹介する25か所は、当サイトのデータベースに登録した泉質・pH・源泉温度の分析値をもとに選んだ。数値と地質背景をあわせて確認できる点が、一般的な温泉ガイドとの違いだ。
秘湯を選ぶ基準は、アクセスや雰囲気だけではない。地質学的な視点を加えると、評判とは違う軸で温泉を比較できる。以降ではまずプレートとフォッサマグナという大枠を説明し、次に温泉が生まれる仕組みを解説する。そのうえで、泉質と地質の対応表、岩石タイプ別の秘湯、地域別の秘湯、カルデラ・活断層と秘湯という順に紹介していく。
日本列島の地質構造と温泉の関係性
日本の温泉分布は、地下のプレート運動と密接に結びついている。ここではプレートの配置とフォッサマグナという2つの基本構造から、温泉の地質学的な背景を整理する。
日本列島を形作る4つのプレート
日本列島は4つのプレートが関わる、地球上でもまれな場所に位置する。東北日本と北海道は北米プレートの上にあり、そこへ太平洋プレートが沈み込む。西南日本はユーラシアプレートの上にあり、そこへフィリピン海プレートが沈み込む。沈み込みとは、密度の大きい海洋プレートが、大陸プレートの下に潜り込んでいく現象をいう。この2種類の沈み込みが同時に進行している点が、日本列島の地質を複雑にしている一因だ。
沈み込んだプレートは深さ約100〜150kmに達すると、含んでいた水分を放出する。この水が上部マントルの融点を下げ、マグマを生む。この現象はフラックス融解と呼ばれ、単純な摩擦熱だけが原因ではない。海洋プレートには、海水を取り込んだ含水鉱物が含まれており、沈み込みに伴う圧力と温度の上昇でその鉱物が脱水する。放出された水がマントル物質に加わり、融点を下げることで部分的に融解が進み、マグマが生まれる。含水鉱物の脱水反応こそが、マグマ生成の主因とされている。
沈み込みに伴う火山フロント(火山前線)は、南北に連なる帯を作る。鳴子温泉・秋保温泉は、太平洋プレートの沈み込みに伴う火山フロント上にある。箱根温泉・指宿温泉は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う火山活動域だ。プレートの境界線そのものより、この火山フロントの位置が温泉分布を左右する。
プレート境界と温泉分布の相関関係
プレートの沈み込みは、必ずしも境界線そのものに温泉を生むわけではない。マグマが生成される深さと、火山フロントの位置が、実際の温泉分布を決める要因になる。
例えば登別温泉は、プレート境界そのものではなく、倶多楽カルデラと登別火山に由来する火山性温泉である。地下で生まれた熱水は、断層や亀裂を通路として地表まで上昇する。通路となる断層の密度も、地域ごとの温泉の多さに影響している。
フォッサマグナ:日本を分断する地質の境界線
フォッサマグナは断層ではなく、地殻が落ち込んでできた地溝帯である。地溝帯とは、両側を断層に挟まれ、中央部が相対的に沈み込んだ帯状の地形をいう。西縁は糸魚川-静岡構造線で、東日本と西日本の地質を分ける境界として知られる。
この地溝帯は、日本海が拡大した約2000万〜1500万年前に主な開裂が起きたと考えられている。地殻が薄くマグマが上昇しやすいため、草津温泉や箱根温泉はこのフォッサマグナ地域に位置する。地殻が薄い地域では、マグマがより浅い深度で地表に達しやすくなる。標高1,800mの万座温泉(群馬県)も、フォッサマグナ地域に湧く火山性の硫黄泉だ。西縁の糸魚川-静岡構造線が走る地域は、2009年にユネスコ世界ジオパークに認定された糸魚川ジオパークとしても知られている。
草津温泉は強酸性泉としてpH2.1前後を示し、自然湧出量(自噴量)としては日本一とされ、毎分32,300リットル以上にのぼる。ただし総湧出量でみると別府温泉郷が上回る。
温泉形成メカニズムの科学
温泉は火山性と非火山性という、2つの異なる成因を持つ。それぞれの仕組みと、両者が重なり合う地域の特徴を見ていく。
火山性温泉の形成プロセス
火山性温泉は、次の順で形成される。プレートの沈み込みでマグマが生成され、地殻内を上昇する。マグマの熱は周囲の岩石を通じて地下水に伝わり、熱水の対流が起きる。加熱された水は密度が下がって上昇し、周囲の冷たい地下水が下降することで、循環する対流系ができあがる。高温の水は岩石から鉱物成分を溶かし出し、断層や亀裂を通って地表に湧出する。
火山ガス由来の二酸化硫黄や硫化水素を多く含む水は、酸性泉や硫黄泉になりやすい。温度・圧力・接触する岩石の種類によって、溶け出す成分は変わる。強酸性泉の具体例は、後述の「岩石タイプで選ぶ秘湯」で個別に紹介する。
非火山性温泉のメカニズム
非火山性温泉は、マグマの直接的な熱源を持たない。地下深部まで浸透した水は、地温勾配(深さ100mごとに約3℃上昇する)によって温められる。数千メートルの深さまで浸透した水は、この勾配だけでも高温になりうる。断層や亀裂は、この深部の熱水が地表まで上昇する通路になる。
代表例が有馬温泉(兵庫県)である。フィリピン海プレート起源のスラブ脱水流体(有馬型深部流体)が熱源で、太古の海水がそのまま閉じ込められたという説ではない。塩分濃度は海水の約1.5倍とされ、日帰り温泉施設「太閤の湯」では、その湯を日帰りで確かめられる。
混合型温泉の特徴
火山性と非火山性の境界域では、両方の熱源が重なって働く場合がある。マグマの熱が届く範囲の外側で、地温勾配や断層系による熱水上昇が並行して起きるケースだ。
鳴子温泉郷では、同一の温泉郷内に環境省分類10〜11種のうち7〜9種の泉質が確認される。狭い範囲に火山性・非火山性の複数の熱源と水みちが重なっている証拠だ。
こうした地域では、同じ温泉地の中でも源泉ごとに泉質や温度が異なりやすい。2011年の東日本大震災後には、茨城県内の温泉で湧出量や泉質の変化が観測記録として残っている。次章の対応表と、地域別ガイドで具体例を確認してほしい。
主要な泉質と地質の対応表
泉質は、温泉水が通る地質と深く関わる。環境省の療養泉分類(2014年改定)では、泉質は全10種類に整理されている。当サイトに登録した温泉の分析値を交えて主要な泉質を整理した。泉質の詳しい見分け方は泉質の見分け方と選び方も参考にしてほしい。
泉質 | 関連する地質 | 代表例 |
|---|---|---|
単純温泉 | さまざまな地質 | 箱根湯本温泉(塩化物泉も混在)、下呂温泉(かつて重曹泉と呼ばれたアルカリ性単純温泉) |
塩化物泉 | 海成堆積岩・深部の古い地下水 | 有馬温泉(含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉、金泉)、熱海温泉(源泉の6〜8割がナトリウム・カルシウム-塩化物泉) |
炭酸水素塩泉 | 火山性・非火山性の両方でみられる | 東鳴子温泉 旅館大沼(宮城県、ナトリウム-炭酸水素塩泉) |
硫酸塩泉 | 火山地域 | 別府温泉郷(明礬温泉が含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉の代表) |
二酸化炭素泉 | 断層帯・火山後期活動 | 長湯温泉(世界屈指の炭酸泉) |
含鉄泉 | 鉄分を含む岩石 | 酸ヶ湯温泉(青森県、硫黄泉との複合) |
酸性泉 | 活火山周辺 | 草津温泉(pH2.1前後)、玉川温泉(pH1.2、国内最強クラスの酸性度) |
硫黄泉 | 火山地域 | 登別温泉、鳴子温泉郷 |
放射能泉 | 花崗岩地域 | 三朝温泉(世界屈指のラドン含有量)、増富温泉(12,300マッヘ) |
この表のうち、東鳴子温泉・酸ヶ湯温泉・三朝温泉・増富温泉は、当サイトに個票を持つ温泉として次章以降で詳しく紹介する。塩化物泉の有馬温泉と熱海温泉のように、同じ泉質に分類されても内訳(金泉と銀泉、Na・Ca-塩化物泉の比率)は施設ごとに異なる。酸性泉の草津温泉と玉川温泉も、同じ酸性泉でありながらpHは2.1前後と1.2という差がある。表の代表例はあくまで一例で、実際の数値は源泉ごとに確認する必要がある。
岩石タイプで選ぶ秘湯
岩石の種類は、温泉の泉質や成分を左右する。花崗岩は放射能泉を、安山岩質の火山地域は酸性硫黄泉を生みやすい。同じ岩石タイプに分類される温泉でも、深部の流体経路や滞留時間の違いによって、実際のpHや温度は施設ごとに変わる。ここでは当サイト掲載の秘湯13か所を、関わる岩石・地質現象ごとに分けて紹介する。
花崗岩地域のラドン・放射能泉
花崗岩にはウランやトリウムなどの放射性元素が含まれる。その崩壊で生じるラドンが地下水に溶け込むと、放射能泉になる。以下の三朝温泉・増富ラジウム温泉・湯の山温泉は、鳥取・山梨・三重と離れた土地にありながら、いずれも花崗岩を由来とする点で共通する。
三朝温泉 旅館大橋(鳥取県)
花崗岩地域のラドン供給を受け、世界屈指のラドン含有量で知られる。泉質は含放射能-ナトリウム-塩化物泉、pH6.5・62℃。共同浴場の株湯は日本遺産の構成文化財に認定されている。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 | 16:00 - 21:00 |
増富ラジウム温泉 不老閣(山梨県)
山梨県の花崗岩地域に湧く放射能泉の代表格で、pH6.3の含放射能泉である。ラドン含有量は12,300マッヘに達するとされ、三朝温泉と並ぶ花崗岩由来の放射能泉として知られる。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 | 休業 | 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 | 12:30 - 14:00 |
湯の山温泉 寿亭(三重県)
背後にそびえる御在所岳は、白亜紀後期・約8000万年前に貫入した領家帯花崗岩(鈴鹿花崗岩)からなる。泉質は単純温泉で、中央構造線ではなく鈴鹿山系の花崗岩帯に関連する温泉として位置づけられる。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 |
火山性の強酸性硫黄泉
火山ガス由来の硫化水素や二酸化硫黄を含む水は、強い酸性を帯びやすい。安山岩質の火山地域に多くみられる泉質だ。以下の4軒は山形・青森・群馬・栃木と東日本各地に分布し、いずれも火山活動に由来する強酸性泉である。
蔵王温泉 おおみや旅館(山形県)
山形県蔵王の火山活動による強酸性泉で、蔵王温泉は源泉ごとに性質が異なり、おおみや旅館の源泉はpH1.9・53.3℃を記録する。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 | 12:00 - 14:00 |

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 | 07:00 - 18:00 |

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined | undefined - undefined |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 | 11:30 - 15:00 |
非火山性・深部熱水由来の温泉
マグマの熱を伴わずに、地下深部の熱水循環だけで湧く温泉もある。プレートの沈み込みに伴う流体や、断層系の熱水上昇が主な熱源になる。和歌山と富山という、火山地帯からは離れた地域の2軒を紹介する。
川湯温泉 冨士屋(和歌山県)
紀伊半島に湧く非火山性の高温泉で、源泉温度は70℃に達する。泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。マグマの直接的な熱源を持たない地域でも、深部の地下水循環がこれほどの高温を生み出す例である。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 | 09:00 - 16:00 |
炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉の宝庫
炭酸水素イオンや二酸化炭素を多く含む泉質は、断層帯や火山活動の後期段階に多くみられる。宮城と大分、東北と九州という離れた地域に、この泉質の代表例がある。
東鳴子温泉 旅館大沼(宮城県)
鳴子温泉郷を構成する一地区で、ナトリウム-炭酸水素塩泉、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉が湧く。pH7.2で、郷内の泉質の多様性を示す一例である。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 | 11:00 - 14:00 |

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 | 11:00 - 17:00 |
火山性の硫黄泉・硫酸塩泉
硫黄成分を含む泉質は、火山ガスの影響を強く受けた地域に集中する。大分と鹿児島、九州南部の火山地帯に湧く2軒を紹介する。
明礬温泉 鍋山の湯(大分県)
別府八湯のひとつで、含硫黄の硫酸塩泉地帯にある日帰り・野湯である。源泉温度は97℃に達する。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 休業 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 |
ここまでの13か所は、4つの切り口で選んだ。花崗岩、安山岩質の火山、非火山性の深部熱水、そして炭酸水素塩泉・硫黄泉を生む成因である。同じ切り口で自分の行きたい地域を絞り込むと、次の章の地域別ガイドと合わせて秘湯選びの幅が広がる。
地域別・地質構造別の秘湯ガイド
同じ泉質でも、地域ごとに地質の背景は異なる。前章の岩石タイプ別の視点に、地理的なまとまりを重ねると、また違った秘湯の選び方が見えてくる。ここでは5地域に分けて、それぞれの地質構造と秘湯を紹介する。
東北地方:火山フロントに沿った秘湯
東北地方は太平洋プレートの沈み込みに伴う火山フロントが南北に連なり、奥羽山脈沿いに活火山と休火山が分布する。それに伴い豊富な温泉資源を持つ。この章では宮城県と秋田県の6か所を紹介する。
中山平温泉 琢ひで(宮城県)
鳴子温泉郷を構成する地区のひとつ。郷内には環境省分類が定める10〜11種のうち7〜9種の泉質が集まるとされ、地質学的にも珍しい。中山平温泉は含硫黄のナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉、pH9.2である。

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| 10:30 - 14:00 | 休業 | 休業 | 休業 | 休業 | 休業 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 | 10:00 - 14:00 |
玉川温泉(秋田県)
pH1.2という国内最高クラスの酸性泉で、北投石という希少鉱物を産する。北投石は台湾の北投と玉川でしか産出しない鉱物として知られる。冬季は休業し、姉妹施設の新玉川温泉が営業を引き継ぐ。泉質は塩化物泉・二酸化炭素泉・含鉄泉。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 | 10:00 - 16:00 |
乳頭温泉 鶴の湯(秋田県)
十和田八幡平の山中に湧く乳頭温泉郷の一軒。硫黄泉、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、炭酸水素塩泉という複数の源泉を持ち、pH7.4。宿泊予約サイトを介さない宿で、当サイトの個票では泉質と湯使いを確認できる。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 | 10:00 - 15:00 |
乳頭温泉 妙乃湯(秋田県)
同じ乳頭温泉郷にありながら、泉質はカルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉と含鉄泉でpH2.9。鶴の湯とは酸性度も成分も異なる。狭い範囲に異なる源泉が並ぶ、東北の火山フロントらしい例だ。

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| 10:30 - 21:00 | 10:30-15:00 | 10:30-15:00 | 10:30-15:00 | 10:30 - 21:00 | 10:30 - 21:00 | 10:30 - 21:00 | 10:30 - 21:00 | 10:30 - 21:00 |
東北地方の秘湯は、鳴子温泉郷のように狭い範囲で泉質が入り組む例と、玉川温泉のようにひとつの成分が際立つ例の両方をあわせ持つ。いずれも太平洋プレートの沈み込みが生んだ火山フロントの延長線上にある。
中部地方:複雑な地質が生み出す多様な秘湯
中部地方はフォッサマグナを挟み、東西日本の地質が接する地域である。日本アルプスの隆起と火山活動が、多様な温泉をもたらしてきた。谷川岳周辺の谷川温泉・土合温泉は花崗岩・変成岩地帯の単純温泉で、JR上越線でアクセスできる。一方、黒部峡谷の欅平温泉(猿飛山荘・名剣温泉)は飛騨変成帯にあり、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が運行する期間にだけ訪れられる。石川県の白山手取川ジオパークは2023年にユネスコ世界ジオパークに認定されており、この地域の地質的な価値を示している。この章では長野県の1軒を紹介する。
白骨温泉 泡の湯(長野県)
乗鞍岳東麓、飛騨山脈側に位置する。乳白色の湯は、石灰岩層を通過したためではない。温泉水自身の炭酸カルシウムが地表で沈殿してできる石灰華によるものだ。噴湯丘と球状石灰石は国の特別天然記念物に指定されている。泉質は含硫黄のカルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉、pH6.3。糸魚川-静岡構造線の西側にあり、フォッサマグナの地域外に位置する点も特徴だ。

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 | 10:30 - 14:00 |
中部地方は東西日本の地質境界にあたるため、同じ県内でもフォッサマグナの内と外で温泉の性格が変わる。白骨温泉のように境界の外側に位置する例もあれば、万座温泉のように内側の火山性温泉もある。
関西・中国地方:古い地質と非火山性温泉
関西から中国地方は火山活動が比較的少なく、花崗岩などの古い岩体が広く分布する。非火山性の深部熱水に由来する温泉が中心になる。兵庫県の湯村温泉は、花崗岩の割れ目である湯村断層から98℃の高温泉が湧く。共同浴場の薬師湯がある。この章では兵庫県と岡山県の2か所を紹介する。
湯村温泉 荒湯(兵庫県)
湯村断層から98℃の高温泉が湧く源泉地で、泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉、pH7.6。非火山性でありながら高温という、この地域の性格をそのまま示す。日帰りの源泉地なので宿泊はできない。
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| 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 | 00:00 - 24:00 |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
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| 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 | 休業 | 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 | 12:00 - 16:00 |
関西・中国地方の秘湯は、火山活動よりも深部熱水と古い岩体に由来するものが目立つ。花崗岩地域のラドン泉と、断層帯からの高温湧出という2つの成因が、この地域の温泉の骨格になっている。
四国地方:付加体地質と特異な秘湯
四国地方は南海トラフの沈み込みで形成された付加体が主体で、中央構造線という日本最大級の断層系が走る。足摺岬周辺では、中新世、およそ1200万〜1500万年前に四万十層群へ貫入した花崗岩・斑れい岩がみられる。そこに含まれるウラン起源のラドンが、放射能泉をもたらしている。この章では徳島県と愛媛県の2軒を紹介する。
ホテル祖谷温泉(徳島県)
四国山地の深い峡谷に湧く単純硫黄泉で、pH9.1・38℃。祖谷川沿いの深い谷が、この温泉の景観を形作っている。

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| 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 | 休業 | 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 | 07:30 - 17:00 |
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四国地方の秘湯は、中央構造線という大断層と、南海トラフの沈み込みが積み上げた付加体という2つの構造に支えられている。道後温泉は前者の破砕帯に、足摺岬周辺の放射能泉は後者に貫入した花崗岩に由来する。
九州地方:活発な火山活動がもたらす温泉
九州地方はフィリピン海プレートの沈み込みに伴う火山活動が活発で、別府-島原地溝帯(全長約200km)沿いに温泉が集中する。別府温泉郷は環境省分類10種のうち7種の泉質を持つ。雲仙温泉はこの地溝帯の西端に位置する酸性硫黄泉の温泉地で、周辺の島原半島ジオパークは2009年にユネスコ世界ジオパークへ認定された。国内最大級の八丁原地熱発電所(大分県九重町、出力合計11万kW)も、この地域の地熱資源の豊富さを示す。鉄輪温泉の蒸し湯、筋湯温泉、小浜温泉の海上露天風呂、指宿の砂むし温泉、成川温泉なども、この地域を代表する浴場だ。この章では熊本県の1軒を紹介する。
黒川温泉 山の宿 新明館(熊本県)
阿蘇4火砕流がつくった台地の上に位置するが、湧出そのものに関わるのは隣接する九重火山群の活動とされる。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、pH6.8・80.3℃。黒川温泉郷には奥黒川エリアと呼ばれる地区もある。
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九州地方の秘湯は、火山フロントと地溝帯、カルデラという3つの構造が重なる点が特徴だ。黒川温泉のように、台地を作った噴火と実際の熱源となる火山が異なる例もある。
東北・中部・関西中国・四国・九州の5地域を通じて、地質構造の違いがそのまま泉質の違いに表れている。次章では、地域をまたいで秘湯に共通するカルデラと活断層という構造を掘り下げる。
カルデラ・活断層と秘湯
大規模な陥没地形であるカルデラと、活断層。この2つの構造も、秘湯の分布を理解するうえで欠かせない。
カルデラと秘湯
カルデラは、火山噴火に伴って地下のマグマだまりが収縮し、その上の地表が円形やだ円形に大きく陥没してできる地形である。阿蘇カルデラ(熊本県)は東西18km・南北25kmの楕円形で、市街地・国道・鉄道を抱えるカルデラとしては世界最大級とされる。国内では屈斜路カルデラ(北海道、長径26km・短径20km)が最大で、世界最大のカルデラはインドネシアのトバカルデラである。
黒川温泉は、この阿蘇の火砕流台地の上に位置しながら、湧出には隣接する九重火山群の活動が関わる。カルデラの内部と外縁部とで、温泉の熱源が異なる点が特徴だ。
活断層と温泉の密接な関係
活断層とは、最近の地質時代に活動し、将来も活動する可能性がある断層をいう。地下深部への通路となるため、多くの温泉が断層沿いに分布する。糸魚川-静岡構造線沿いの諏訪盆地は、中央構造線とも交差する国内で唯一の地点で、プルアパート盆地と呼ばれる陥没構造に温泉が湧く。
道後温泉は中央構造線の破砕帯付近の花崗岩から湧く。一方の下呂温泉は濃飛流紋岩と下呂断層帯に由来し、中央構造線とは別の系統だ。山梨県の石和温泉は、甲府盆地のプレート境界帯に由来する深層熱水と考えられている。
地震と温泉の関係にも注意が必要だ。有馬温泉ではプレート由来の深部流体が1994年ごろから急増したとする研究がある。翌1995年の阪神淡路大震災の引き金になった可能性が指摘されている。湧出量の増加は震災の結果ではなく、前触れだったとされる点が重要だ。道後温泉では1946年の南海地震後、井戸水位の上昇が記録された。当時は山崩れで源泉が一時埋没し、復旧までに約3か月を要したという。由布院温泉の近くでは、1995年に九重山(硫黄山)が水蒸気噴火した。
カルデラも活断層も、地下深部と地表をつなぐ通路という点では共通している。前章で紹介した岩石タイプ別・地域別の秘湯の多くも、突き詰めればこのどちらか、あるいは両方の構造に支えられている。
まとめ
日本の温泉は、4つのプレートが交わる特異な地質構造の上に成り立つ。火山性・非火山性という2つの成因、花崗岩や堆積岩といった岩石の違い、そして断層やカルデラという構造が、泉質と分布を決めている。同じ都道府県内でも、フォッサマグナの内と外、火山フロントの上とその外側とで、温泉の性格は大きく変わる。
ここで紹介した25か所は、いずれも当サイトのデータベースに登録した泉質・pH・源泉温度の分析値をもとに選んだ。青森県から鹿児島県まで、19県にまたがる。花崗岩地域なら放射能泉、火山フロント沿いなら強酸性の硫黄泉というように、岩石と地質構造を手がかりにすると、次の一湯が見つけやすくなる。
参考資料
- 環境省「令和4年度 温泉利用状況」(日本温泉協会 掲載資料)— 源泉数27,932・総湧出量 毎分約251万Lの出典: https://www.spa.or.jp/onsen_wp/wp-content/uploads/2024/03/8265c5ede296259cb539fb43c2e11bda.pdf
- 環境省「蔵王温泉 国民保養温泉地計画書」: https://www.env.go.jp/nature/onsen/area/zao.pdf
- 環境省「白骨温泉 国民保養温泉地計画書」: https://www.env.go.jp/nature/onsen/area/pdf/hoyo_069.pdf
- 地震調査研究推進本部「日本列島のプレート」: https://www.jishin.go.jp/main/yoshin3/2-4.htm
- 地震調査研究推進本部「火山フロント」: https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_volcanic_front/
- 地震調査研究推進本部「マグマの生成と火山フロント」: https://www.jishin.go.jp/resource/column/2010_1007_05/
- 大鹿村中央構造線博物館「マグマはどうしてできるのか」(フラックス融解): https://mtl-muse.com/study/kashio-spring/magma2/
- 大鹿村中央構造線博物館「諏訪盆地」: https://mtl-muse.com/mtl/aboutmtl/suwabasin/
- 国土交通省 松本砂防事務所「フォッサマグナ」: https://www.hrr.mlit.go.jp/matumoto/contents/sub/kantan/fusigebook/fusigi3.htm
- 気象庁「倶多楽」火山活動解説: https://www.data.jma.go.jp/vois/data/sapporo/111_Kuttara/111_index.html
- 産業技術総合研究所 地質調査総合センター「屈斜路」火山データベース: https://gbank.gsj.jp/volcano/ledb/go.php?volc=Kussharo
- 産業技術総合研究所 地質調査総合センター「九重火山」: https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kuju/text/exp-3.html
- 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質調査研究報告(足摺岬の花崗岩類): https://www.gsj.jp/publications/bulletin/bull2013/bull64-01.html
- 神戸大学「有馬温泉の熱水はフィリピン海プレート起源」: https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/2020_09_14_02/
- 筑波大学「有馬温泉のプレート起源水と地震」: https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20240902180000.html
- 松本市「白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石」: https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/138468.html
- 仙北市「玉川温泉」: https://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/spot/01_t-onsen.html
- 松山市「道後温泉の成分」: https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kanko/kankoguide/kankomeisho/dogoonsen/info/seibun.html
- 別府市「温泉百科」: https://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/onsen/detail4.html
- 草津温泉観光協会「草津町民が語る」(自然湧出量): https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/youkoso/kataru.php
- 京都大学 地球熱学研究施設(別府-島原地溝帯): http://www.vgs.kyoto-u.ac.jp/JPN/j-location.html
- JOGMEC「八丁原地熱発電所」: https://journal.jogmec.go.jp/geothermal/learn/plant-japan/010.html









