北アルプス乗鞍岳の東麓、標高1,400メートルの山間に位置する白骨温泉を代表する名湯です。創業明治45年(1912年)の歴史ある温泉旅館で、113年以上の伝統を誇ります。白骨温泉そのものは鎌倉時代には既に湧出していたと伝えられ、600年以上の歴史を持つ温泉地です。戦国時代には武田信玄が負傷した兵士や鉱山労働者の療養のための「隠し湯」として使用していたとされています。江戸時代の元禄年間に齋藤孫左衛門により本格的な湯宿が開かれました。
大正時代には作家・中里介山の長編小説『大菩薩峠』の中で「五彩絢爛たる絶景」と紹介され、全国的に知られるようになりました。また歌人の若山牧水が胃腸病の湯治のため何度も訪れ、紀行文を残したことでも有名です。元々「白船温泉」と呼ばれていましたが、中里介山の小説以降「白骨温泉」の名称が定着しました。
泡の湯最大の魅力は白骨温泉随一の湯量を誇る70畳もの広さの混浴大露天風呂です。毎分1,730リットルという長野県内でも随一の豊富な湯量を誇り、源泉かけ流しで贅沢に湯が注がれています。温泉は源泉では無色透明ですが、空気に触れることで硫化水素とカルシウム成分が微粒子となり、美しい乳白色に変化します。季節や天候、気温、湿度、光線によってミルククリーム色やコバルトブルーなど様々な色合いに変化する神秘的な温泉です。
泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉で、pH6.3の中性(弱酸性)。通常、乳白色の温泉は強酸性ですが、白骨温泉は肌に優しい中性のため、すべての方が安心して入浴できます。炭酸ガスを多く含むため、38℃前後のぬる湯では体に細かい気泡がまとわりつき、これが「泡の湯」の名前の由来となっています。この気泡により予想外の温浴効果があり、「3日入れば3年風邪をひかない」という伝説があるほどです。
内湯は総檜造りで昔ながらの湯治場の風情を残し、源泉そのままの37℃のぬる湯と、加温した40℃のあつ湯の2つの浴槽があります。男女別の露天風呂も完備されています。飲泉も可能で、胃腸病や糖尿病に効果があるとされ、名物の「温泉粥」は温泉水で炊いた朝食の名物となっています。
春は桜と新緑、夏は青々とした山々、秋は燃えるような紅葉、冬は雪見風呂と、四季折々の絶景を楽しみながら入浴できる秘湯中の秘湯です。国立公園内に位置し、環境省指定の国民保養温泉地にも指定されています。
舗装道で駐車場からすぐ施設へ
深い森林・渓谷の自然豊かな環境
源泉100%かけ流し・特色ある泉質
車でのアクセス:
松本ICより国道158号線経由で約60分
高山西ICより約60分
国道158号線沢渡(さわんど)より県道300号線へ約10分、白骨温泉街入口まで到着後、約1キロで泡の湯到着
駐車場:無料(50台)
公共交通機関でのアクセス:
JR中央東線松本駅より松本電鉄上高地線新島々行きで約30分、新島々駅下車
新島々駅よりアルピコ交通バス白骨温泉行きで約70~80分、泡の湯バス停下車、徒歩すぐ
冬季(11月中旬~4月初旬)は松本バスターミナルより白骨行き直通バスあり
注意事項:
冬季期間中(11月中旬~4月初旬)は路面凍結の可能性があるため、17:00前の到着を推奨
2輪駆動+スタッドレスタイヤのみでは不十分な場合があり、タイヤチェーンの用意が必要
標高1,400メートルの山間部に位置するため、時間に余裕を持った移動計画を推奨
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