乳頭温泉郷ガイド|七湯の湯めぐり・泉質・日帰りの回り方
乳頭温泉郷は、十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓、ブナの原生林に七軒の湯宿が点在する秋田の秘湯である。鶴の湯・妙乃湯・黒湯・蟹場・孫六・大釜・休暇村乳頭温泉郷の七湯からなり、標高はおよそ600〜800m。江戸期には秋田藩主の湯治場としての記録も残り、茅葺きや杉皮葺きの湯小屋が今も湯治場の空気を伝える。
この温泉郷を特別にしているのは、七軒がそれぞれ自家源泉を持ち、郷内に十種類以上の源泉が湧くことだ。pHは酸性から弱アルカリ性まで幅があり、硫黄泉・硫酸塩泉・単純泉といった異なる泉質を、歩いて回れる範囲で入り比べられる。同じ「乳頭」の名でも、宿ごとに湯の色も肌触りも違う。
七湯の個性は、泉質の差にそのまま表れる。鶴の湯は半径50mほどの間に白湯・黒湯・中の湯・滝の湯という四つの源泉が湧き、乳白色に濁る含硫黄泉の混浴露天で知られる。妙乃湯は二つの自家源泉を持ち、鉄分を含むカルシウム・マグネシウム硫酸塩泉の「金の湯」と、肌当たりのやわらかな単純泉「銀の湯」を使い分ける。黒湯は郷内でも湯量が豊富な硫黄泉で、源泉が噴き出す「地獄」と呼ばれる湯畑を間近に見られる。孫六は「山の薬湯」と呼ばれる硫化水素を含む湯、大釜は廃校になった木造校舎を移築した宿、蟹場はブナ林に囲まれた弱アルカリ性の露天、休暇村乳頭温泉郷は二種類の源泉を備えた滞在型の施設と、性格が分かれる。
七湯を巡る仕組みも整っている。宿泊者向けには、七軒それぞれに一度ずつ入浴でき、郷内を走るシャトルバス「湯めぐり号」にも乗れる湯めぐり帖が用意される。日帰りで訪れる人には、湯めぐり号が乗り降りできる湯めぐりマップがある(入浴料は別)。料金や有効期間、販売条件は改定されることがあるため、最新の内容は乳頭温泉組合の公式情報で確認したい。
この記事では、乳頭温泉郷の各湯の個票(泉質・アクセスの詳細ページ)へのリンクをまとめ、記事後半で七湯の回り方・田沢湖駅からのアクセス・冬期の注意点・湯めぐり帖の使い方をあらためて整理する。
1. 乳頭温泉郷 鶴の湯温泉(秋田県仙北市)

2. 乳頭温泉郷 妙乃湯温泉(秋田県仙北市)

3. 乳頭温泉郷 黒湯温泉(秋田県仙北市)

4. 乳頭温泉郷 孫六温泉(秋田県仙北市)

5. 乳頭温泉郷 大釜温泉(秋田県仙北市)
総まとめ——七湯の回り方と押さえておきたいこと
乳頭温泉郷は、七軒の宿が徒歩やシャトルバスで行き来できる範囲に集まっている。まず押さえたいのは、同じ温泉郷でも湯の性格が宿ごとに異なることだ。乳白色の湯を目当てにするなら鶴の湯、二色の湯を一度に比べたいなら妙乃湯、硫黄の香りと湯量なら黒湯、と目的から宿を選ぶと外しにくい。
泉質から選ぶ場合。 含硫黄泉の白濁湯を体験したいなら鶴の湯と黒湯、硫酸塩泉や単純泉のやわらかい湯を好むなら妙乃湯、硫化水素を含む「薬湯」の雰囲気なら孫六が候補になる。同じ郷内で酸性寄りの湯から弱アルカリ性の湯まで入り比べられるのが、乳頭ならではの楽しみだ。ただし複数の湯を一日で続けて回る「はしご湯」は体への負担が大きい。湯あたりを避けるため、入る湯を絞り、こまめな水分補給と休憩をはさみたい。
湯めぐり帖と湯めぐりマップ。 七湯を効率よく回る要が、この二つの仕組みだ。宿泊者向けの湯めぐり帖は七軒それぞれに一度ずつ入浴でき、シャトルバス「湯めぐり号」にも乗れる。日帰り客向けの湯めぐりマップは、入浴料は含まないものの湯めぐり号を利用できる。どちらも有料で、料金・販売条件・有効期間は見直されることがあるため、訪問前に乳頭温泉組合の公式情報で確認しておきたい。日帰り入浴そのものも、宿泊客を優先する時間帯や曜日、宿の都合で受け付けが変わることがある。
アクセス。 公共交通の起点はJR田沢湖駅で、秋田新幹線「こまち」で東京駅からおよそ2時間50分が目安になる。田沢湖駅前から羽後交通の路線バス(乳頭温泉方面)でおよそ50分。バスは本数が限られるため、往復とも時刻表を先に調べておきたい。車の場合は東北自動車道の盛岡ICから国道46号を経由するのが一般的なルートだ。所要時間や運賃は変わりうるので、目安として捉えてほしい。
冬期の注意点。 郷内でも黒湯温泉と孫六温泉は冬期に休業し、営業期間はおおむね春から晩秋までとなる(年により前後する)。残る宿は冬も営業するが、田沢湖駅から温泉郷までの山道は積雪・凍結する期間が長い。自家用車ならスタッドレスタイヤやチェーンの備えが要る。雪見の露天という冬ならではの体験がある一方で、道路状況と各宿の営業状況は事前確認が欠かせない。
七湯それぞれの泉質・営業時間・日帰り入浴の詳細は、上の各施設の個票ページで確認できる。料金・営業時間・休業期間などの最新情報は、各施設および乳頭温泉組合の公式情報とあわせて確かめてほしい。
よくある質問
Q1. 乳頭温泉郷は日帰り入浴できますか。 七軒の多くが日帰り入浴を受け付けているが、宿泊客を優先する時間帯や曜日、その日の混雑・営業状況によって受け付けが変わることがある。黒湯温泉と孫六温泉は冬期に休業する。訪れる日の受付時間は、各施設の公式情報で事前に確認するのが確実だ。
Q2. 湯めぐり帖とは何ですか。日帰りでも湯めぐりできますか。 湯めぐり帖は宿泊者向けの制度で、七軒それぞれに一度ずつ入浴でき、シャトルバス「湯めぐり号」にも乗れる。日帰りの場合は、入浴料は別途必要になるものの湯めぐり号を利用できる湯めぐりマップがある。いずれも有料で、料金・条件は改定されることがあるため乳頭温泉組合の公式情報で確認したい。
Q3. 田沢湖駅からのアクセスは。 JR田沢湖駅前から羽後交通の路線バス(乳頭温泉方面)でおよそ50分が目安になる。バスの本数は限られるため、時刻表を先に確認しておきたい。車の場合は東北自動車道の盛岡ICから国道46号を経由するのが一般的だ。
Q4. 冬でも入れますか。 黒湯温泉・孫六温泉は冬期休業となるが、その他の宿は冬も営業している。ただし温泉郷までの山道は積雪・凍結する期間が長く、車ではスタッドレスタイヤなどの備えが必要になる。営業状況と道路状況を事前に確かめてほしい。
Q5. 混浴が気になる場合はどうすればよいですか。 鶴の湯などの混浴露天がある一方で、女性専用の浴槽や女性専用の時間帯を設ける宿もある。宿泊すれば日帰り客の少ない朝夜の時間に入りやすい。各施設の浴場構成は個票ページや公式情報で確認できる。
※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ・営業期間等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや乳頭温泉組合等でご確認ください。














