





秋田県仙北市の乳頭温泉郷の最奥部、先達川上流に位置する黒湯温泉は、標高約800メートルの高地にある秘湯です。延宝2年(1674年)頃に発見されたとされ、鶴の湯に次ぐ約350年の歴史を誇る温泉で、古くは秋田藩の湯治場として利用されていました。周囲をブナの原生林に囲まれ、茅葺きや杉皮葺きの黒い宿舎や湯小屋が寄り添うように軒を連ね、昔ながらの湯治場の風情を色濃く今に伝えています。
最大の特徴は、敷地内に源泉が湧き出る河原があり、湯量の豊富なことでは乳頭温泉郷随一であることです。源泉地帯からは白い湯煙が立ち上り、まるで地獄のような荒涼とした景観が広がります。この源泉では温泉卵を作ることができ、訪れる人々の楽しみの一つとなっています。渓流のせせらぎが静かにこだまする中、木々の揺らぐ音や鳥の鳴き声が響き、都会の喧騒から離れた山の湯としての魅力にあふれています。
黒湯温泉には2つの異なる源泉があります。混浴の露天風呂と内湯では硫黄の香りがほのかに漂う乳白色の温泉を楽しめ、男女別の内湯と露天風呂では硫黄の香りが少なく肌に優しい泉質となっています。いずれも打たせ湯を備えており、源泉掛け流しの新鮮な湯を堪能できます。新緑の季節には輝くような緑に包まれ、秋には圧倒的な紅葉の美しさに包まれます。
環境省指定の国民保養温泉地に指定されており、保養・療養に好適な温泉として知られています。乳頭温泉郷の中で唯一冬季休業となり、営業期間は4月中旬から11月中旬の約7ヶ月間のみですが、だからこそ雪深い地方ならではの豊かな自然を感じることができる貴重な秘湯といえるでしょう。
舗装道で駐車後、徒歩15分以内
深い森林・渓谷の自然豊かな環境
源泉100%かけ流し・特色ある泉質
敷地内に地獄(=温泉噴出場所)がある温泉です。現在では、乳頭温泉といえば鶴の湯が有名ですが、昔は黒湯が一番人気だったようです。混浴露天と男女別内湯・露天があり、泉質は硫黄泉で乳白色の温泉で、非常に素晴らしく、人気があった理由がよくわかります。歴史を感じ、秘湯感を感じる混浴露天がありましたので、上記のような評価をしています。
車でのアクセス
東北自動車道・盛岡ICより国道46号線を秋田方面へ約90分、仙北市田沢湖地内より国道341号線に入り八幡平・玉川温泉方向へ進みます。約5kmで大きな交差点を右折(田沢湖温泉郷・乳頭温泉郷方面の看板あり)し、水沢温泉郷と田沢湖高原温泉郷を経て乳頭温泉郷へ。休暇村乳頭温泉郷の手前を右折し、ブナ林道を1.3km進むと黒湯温泉駐車場に到着します。駐車場から旅館までは温泉看板の右側の坂道を徒歩約5分下ります。
公共交通機関でのアクセス
JR田沢湖駅より羽後交通バス「乳頭温泉行き」(乳頭線)で約50分、終点の「乳頭蟹場温泉」で下車。料金は840円(2024年4月現在)。宿泊者の場合は終点から黒湯温泉まで送迎あり(要事前連絡)。日帰り入浴の場合は、終点から徒歩約20分です。タクシー利用の場合、田沢湖駅から約40分、料金は約8,000円です。
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