




孫六温泉は秋田県仙北市の乳頭温泉郷の最奥に位置する、秘湯中の秘湯として知られる一軒宿です。十和田八幡平国立公園の乳頭山麓、標高約700メートルの先達川のほとりに佇み、深いブナ林に囲まれた静寂な環境が特徴です。明治35年(1902年)に農林技師の桜井氏により発見され、明治39年(1906年)に田口久吉氏が湯治場として開業した歴史ある温泉で、開湯から120年以上の伝統を持ちます。
その効能の高さから「山の薬湯」とも呼ばれ、乳頭温泉郷の中でも特に湯治場の雰囲気を色濃く残しています。2022年に後継者不在と従業員の高齢化により一時休業しましたが、大仙市の東商事が運営を引き継ぎ、大規模なリニューアルを実施。2025年2月に日帰り入浴を先行開始し、4月26日に「孫六温泉 六庵(ろくあん)」として本格的にグランドオープンしました。
リニューアル後も秘湯としての魅力はそのままに、モダンで洗練された施設へと生まれ変わりました。客室は全6室のみで、プライベート感を重視した贅沢な空間設計となっています。宿舎と浴舎が分かれた集落型の配置も特徴的で、建物間を移動する際に乳頭の大自然を直接感じることができます。
温泉の源泉は3~4種類存在し、それぞれ異なる泉質を楽しめます。特に「石の湯」は足元湧出の青色をした神秘的な湯が特徴で、天候によって湯の色が変化することで知られています。源泉が濁れば翌日は雨、透明であれば晴れることが多いとされ、登山客が天候予報の目安にしています。また、乳頭温泉郷で唯一のバレルサウナを備えており、温泉とサウナの両方を満喫できる点も魅力です。
周辺には先達川の清流が流れ、四季折々の景色を楽しむことができます。春は山の息吹を感じる新緑、夏は緑豊かな深山、秋は鮮やかな紅葉、冬はしんしんと降り積もる雪景色と、訪れる季節によって異なる表情を見せます。川を挟んですぐの場所には黒湯温泉があり、徒歩でのアクセスも可能です。
舗装道で駐車場からすぐ施設へ
深い森林・渓谷の自然豊かな環境
源泉100%かけ流しの温泉
車でのアクセス
東北自動車道盛岡ICより国道46号線と国道341号線経由で約85分(約67km)
公共交通機関でのアクセス
JR田沢湖駅より羽後交通バス「乳頭線」を利用、終点「乳頭温泉」下車後、徒歩約15分(バス所要時間約45分)
※冬季は黒湯温泉側からのアクセスができないため、大釜温泉側の駐車場から徒歩でアクセスする必要があります(徒歩約10~15分)
※道中は街灯がないため、日没前の到着が推奨されます
地図を読み込み中...
マーカーをクリックすると詳細情報が表示されます