岡山県の秘湯・名湯 12選 — 足元湧出のアルカリ泉が息づく美作の湯を巡る

岡山県は、中国山地の懐に抱かれた美作地方を中心に、全国屈指のアルカリ性温泉が密集する知られざる温泉県だ。湯原・奥津・湯郷からなる「美作三湯」は古くからその名を馳せてきたが、真の魅力は三湯の周辺に点在する足元湧出の名湯群にある。川底から自然に湧き上がる砂湯、江戸時代から湯治客を受け入れてきた共同浴場、1日4組限定の完全予約制の秘湯——いずれもpH9.0を超えるアルカリ性単純温泉で、肌触りはとろりとした「美人の湯」ばかりだ。吉備高原には藩主が開発した冷鉱泉が残り、県境の西粟倉村にはラジウム泉の元湯が静かに湧く。今回は、そのなかから特に個性際立つ12か所を厳選した。


1. 湯原温泉 砂湯(岡山県 真庭市)

湯原温泉 砂湯
引用:真庭観光WEB
湯原温泉 砂湯は、岡山県真庭市の湯原ダム直下、旭川の河川敷に自然湧出する天然の大露天風呂である。その歴史は古く、平安時代の名僧・性空上人が重病の際に夢枕で天童に導かれてこの湯に辿り着き、病を癒したという伝説が残る。さらに遡れば、弥生時代中期にたたら製鉄に従事する人々が湯治場として利用していたとする説もあり、千年以上にわたって人々の身体を癒し続けてきた由緒ある温泉である。「砂湯」の名は、川底の砂を噴き上げながら温泉が湧き出す独特の光景に由来している。 泉質はアルカリ性単純温泉で、pHは約9.0という高いアルカリ性を示す。源泉温度は約45℃で、足元から直接湧き出す源泉かけ流しの湯は、地中から一度も空気に触れていない新鮮そのものである。全国でも50〜60か所程度しか存在しない「足元湧出温泉」のひとつであり、その希少性は温泉愛好家の間で高く評価されている。メタケイ酸を豊富に含む湯はとろりとした肌触りが特徴で、入浴後は肌がしっとりと潤う美肌の湯として名高い。 浴場は「美人の湯」「子宝の湯」「長寿の湯」と名付けられた3つの湯船からなり、それぞれ異なる温度を楽しむことができる。混浴の露天風呂で、24時間無料で開放されているのも大きな魅力である。目の前にそびえる湯原ダムの巨大な壁と、旭川のせせらぎに囲まれた開放的なロケーションは、まさに野趣あふれる温泉体験を提供してくれる。温泉評論家・野口冬人氏による全国露天風呂番付では「西の横綱」に格付けされており、その名声は全国に轟いている。 女性向けには湯浴み着のレンタル(日帰り2,000円、宿泊者500円)が用意されており、タオル巻きでの入浴も認められているため、混浴に不安がある方でも安心して楽しめる。毎週水曜日の午前中は清掃のため入浴不可となるが、それ以外は終日利用可能である。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
40℃ ~ 45℃
湧出
足元湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 ---円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
00:00 - 24:0000:00 - 24:0000:00 - 24:0012:00-23:5900:00 - 24:0000:00 - 24:0000:00 - 24:0000:00 - 24:0000:00 - 24:00
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2. 真賀温泉 真賀温泉館(岡山県 真庭市)

真賀温泉 真賀温泉館
引用:真庭観光WEB
岡山県真庭市の山あいを流れる旭川の支流沿いに、ひっそりと佇む真賀温泉館は、約700年の歴史を誇る湯治場である。後醍醐天皇の時代、伯耆船上山の戦いに敗れた武将がこの湯で傷を癒したという伝説が残り、江戸時代には勝山藩・津山藩の藩主が湯治に通った由緒ある名湯である。藩主が入浴の際に幕を張って庶民の目を遮ったことから「幕湯」の名がついたとされ、その歴史は400年以上に及ぶ。昭和55年に発行された全国療養温泉番付では西の前頭三枚目にランクされるなど、その療養効果は古くから高く評価されてきた。 真賀温泉館の最大の魅力は、足元湧出の源泉かけ流しにある。浴槽の底にある岩盤の割れ目から直接温泉が湧き出すという、全国的にも極めて珍しい入浴体験ができる。泉質はアルカリ性単純泉でpH9.4、源泉温度は約39.5度とぬるめで、毎分205リットルが自然湧出している。無色透明でほぼ無臭の湯は、肌に触れるとつるつるとした絹のような感触で、まさに天然の美肌の湯である。加水・加温・循環を一切行わない完全な源泉かけ流しで、湧き出したばかりの新鮮な源泉をそのまま堪能できる贅沢さがある。 名物の幕湯は約1.6m×2mという驚くほどコンパクトな混浴岩風呂で、「日本一狭い混浴風呂」とも称される。深さは約1.2mあり、立ったまま入浴するという独特のスタイルである。竹筒から源泉が流れ込み、足元の岩盤の裂け目からはポコポコと気泡が立ち上る。定員はわずか数名で、狭い空間に凝縮された温泉の魅力は他に類を見ない。男湯・女湯の普通湯でも竹筒から源泉が注がれ、体に細かい気泡がまとわりつくヴェールのような感覚を楽しめる。貸切風呂も3室あり、家族やカップルでゆったりと源泉を楽しめる。
泉質
アルカリ性単純泉
温度
38℃ ~ 40℃
湧出
足元湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 9.4
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 250円/子供 100円
営業時間
月火水木金土日祝
08:00 - 21:0008:00 - 21:00休業08:00 - 21:0008:00 - 21:0008:00 - 21:0008:00 - 21:0008:00 - 21:0008:00 - 21:00
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3. 般若寺温泉(岡山県 真庭市)

般若寺温泉
引用:かがみと旅のくらし
岡山県苫田郡鏡野町、奥津温泉郷の奥深くに佇む般若寺温泉は、明治4年(1871年)に天台宗般若寺の宿坊として産声を上げた。寺院の僧侶たちが湯治に利用していた秘湯が、昭和32年(1957年)に一般にも開放され、以来、知る人ぞ知る名湯として静かに湯煙を上げ続けている。吉井川の支流沿いに位置するこの温泉は、奥津八景のひとつに数えられる「鮎返しの滝」を目の前に望む贅沢な立地にある。竹林に囲まれた細い小道を抜けると現れる茅葺き屋根の母屋は、まるで時が止まったかのような風情を漂わせている。 般若寺温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.6という高いアルカリ性を誇る。敷地内には3本の自家源泉が湧出しており、内湯には39℃と40℃の自噴泉が混合されて注がれ、露天風呂には40〜42℃の源泉が使用されている。いずれも源泉かけ流しで、加水・加温なしの新鮮な湯がふんだんに注がれる。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
39℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 1100円/子供 550円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:00
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4. 郷緑温泉 郷緑館(岡山県 真庭市)

郷緑温泉 郷緑館は、岡山県真庭市の山間にひっそりと佇む一軒宿の秘湯である。開湯は江戸時代初期とされ、400年近い歴史を持つ。「郷緑」という美しい名の由来には諸説あり、田植えを終えた農家の人々が連れ立って湯治に訪れたことに因むとも、温泉の地熱によって周囲の木々が一年を通じて鮮やかな緑を保つことから名付けられたとも伝えられている。明治時代に建てられた本館は、村人たちが総出で積み上げた見事な石垣の上に堂々と構えており、往時の人々がこの湯をいかに大切にしてきたかが偲ばれる。 郷緑温泉最大の魅力は、浴槽の底に露出した天然岩盤の割れ目から直接温泉が湧き上がる「足元湧出」にある。全国でもわずか50〜60か所程度しか確認されていない極めて希少な湧出形態であり、地中から一度も外気に触れることなく湧き出す源泉をそのまま肌に感じられる贅沢は、温泉愛好家にとって至高の体験といえる。泉質はアルカリ性単純温泉でpH9.1と高いアルカリ性を示し、メタケイ酸を豊富に含むため美肌効果に優れる。源泉温度は34.2℃とぬるめで、長湯に適した心地よい湯温である。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
34℃ ~ 45℃
湧出
足元湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 9.1
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:00休業10:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:00
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5. 奥津温泉 奥津荘(岡山県 苫田郡鏡野町)

奥津温泉は岡山県北部の山間に湧く名湯で、湯原温泉・湯郷温泉とともに「美作三湯」と称される岡山県を代表する温泉地のひとつである。その歴史は古く、江戸時代初期に津山藩初代藩主・森忠政がこの湯に浸かり、その素晴らしさに感嘆して他の者に使わせまいと鍵をかけたことから「鍵湯」の名が生まれた。奥津荘は昭和2年(1927年)に創業し、以来90年余りにわたってこの鍵湯を守り続けてきた。2018年11月には昭和2年築の木造建築が国登録有形文化財に登録され、歴史と風格を今に伝えている。 奥津荘最大の魅力は、全国でもわずか20〜30数軒しか残っていないとされる「足元湧出」の源泉である。湯船の底の花崗岩の割れ目から42.6℃のアルカリ性単純温泉がこんこんと自噴し、毎分247リットルもの湯量を誇る。pH9.1の強アルカリ性の湯は、肌の角質を柔らかくし、すべすべの美肌をもたらす「美人の湯」として名高い。加温・加水・循環を一切行わない完全な源泉かけ流しであり、湯が空気に触れる前に体を包み込むという贅沢は、足元湧出の温泉でしか味わえない至福の体験である。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
42℃ ~ 43℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9.1
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
10:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:3010:45 - 14:30
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6. 奥津温泉 東和楼(岡山県 苫田郡鏡野町)

奥津温泉は岡山県北部の鏡野町に湧く「美作三湯」のひとつであり、その歴史は神話の時代にまで遡る。開湯伝説では少彦名命が発見したとされ、江戸時代には津山藩主・森忠政が専用の湯治場を構えるほどの名湯として重宝された。温泉街としての本格的な発展は大正時代に始まり、東和楼は昭和3年(1928年)に創業。木造3階建てのこぢんまりとした旅館は、約100年の歳月を経た今もその素朴な佇まいを守り続けている。 東和楼の真骨頂は、何といっても地下の岩風呂にある。館内の階段を下り、漆喰で塗り固められた白壁のトンネルをくぐると、そこには岩盤をそのまま浴槽に用いた小さな湯殿が待っている。足元の岩盤の割れ目からトクトクと絶え間なく湧き出す源泉は、pH9.2のアルカリ性単純温泉。源泉温度は約41.7℃と加水も加温も不要な絶妙な湯加減で、わずかにラムネ色を帯びた無色透明の湯が浴槽を満たしている。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
40℃ ~ 42℃
湧出
足元湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 9.2
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:00
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7. 奥津温泉 池田屋河鹿園(岡山県 苫田郡鏡野町)

奥津温泉は岡山県北部の吉井川上流に湧く名湯で、湯原温泉・湯郷温泉とともに「美作三湯」と称される岡山県を代表する温泉地のひとつである。その歴史は神代にまで遡り、少彦名命が巡撫使として地方を巡視した際に発見したと伝えられる。江戸時代には津山藩初代藩主・森忠政が専用の湯治場を設け、藩の要人のみが入浴を許されたという格式ある温泉であった。河鹿園はその森忠政公の別荘跡に昭和4年(1929年)に創業し、多くの文人墨客に愛されてきた。2012年に一度廃業したものの、2018年4月に「池田屋 河鹿園」として再開業を果たし、歴史ある名湯の伝統を受け継いでいる。 池田屋河鹿園の湯はアルカリ性単純温泉で、pH9.3という強アルカリ性を誇る。源泉温度は38.5〜42.0℃、湧出量は毎分300リットルと豊富で、自家源泉による源泉かけ流しを実現している。無色透明のなめらかな湯は肌の古い角質を穏やかに溶かし、入浴後は絹のようなすべすべの肌触りをもたらすことから「美人の湯」として名高い。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
38℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9.3
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
10:30 - 18:0010:30 - 18:0010:30 - 18:00休業10:30 - 18:0010:30 - 18:0010:30 - 18:0010:30 - 18:0010:30 - 18:00
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8. 湯原温泉 元禄旅籠 油屋(岡山県 真庭市)

湯原温泉 元禄旅籠 油屋は、元禄元年(1688年)に創業した岡山県真庭市の老舗旅館である。かつて湯原は山陰道と大山・倉吉を結ぶ街道の宿場町として栄え、多くの旅人が行き交う要衝であった。油屋の名は、夜ごと行灯の油を絶やさず灯し、旅人に道中の灯火を提供し続けたことに由来する。330年以上の歳月を経た今もなお、旅人をもてなす精神は脈々と受け継がれている。湯原温泉自体の歴史はさらに古く、弥生時代中期にたたら製鉄に従事する人々の湯治場として利用されていたとする説もあり、全国露天風呂番付で「西の横綱」に格付けされた砂湯を擁する由緒ある温泉地である。 油屋の湯は低張性アルカリ性高温泉、すなわちアルカリ性単純温泉に分類される。pH9以上の高いアルカリ性を示し、石鹸を使わずとも肌がぬるぬるとする独特の触感が特徴である。この滑らかな湯触りは美肌効果の証であり、入浴後は肌がしっとりと潤う。食湯館の温泉は地下の源泉をすべての浴槽に直接かけ流しで供給しており、湧き出たばかりの新鮮な湯を存分に楽しむことができる。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
40℃ ~ 45℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1100円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
12:00 - 16:0012:00 - 16:0012:00 - 16:0012:00 - 16:00休業12:00 - 16:0012:00 - 16:0012:00 - 16:0012:00 - 16:00
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9. 湯原温泉 八景(岡山県 真庭市)

湯原温泉は岡山県北部の山間、旭川の渓谷沿いに湧く名湯であり、湯郷温泉・奥津温泉とともに「美作三湯」と称される岡山県を代表する温泉地のひとつである。その歴史は約1700年前の弥生時代後期にまで遡り、古くからたたら製鉄とともに温泉が利用されていたとされる。平安時代には播磨・書写山圓教寺の名僧・性空上人が重病に倒れた際、夢枕に現れた天童の導きによりこの地を訪れて湯に浸かり、病を平癒したという伝承が残る。戦国時代には豊臣秀吉の五大家臣・宇喜多秀家が母「おふくの方」の療養のために湯屋を整えたとも伝えられ、古来より薬湯としての評価が極めて高い温泉である。 八景の湯はアルカリ性単純温泉で、pH9.3という高いアルカリ性を誇る。源泉温度は50.1℃、無色透明で無味無臭のやわらかな湯は、肌にまとわりつくようなとろみのある質感が特徴である。源泉かけ流しで提供されており、大浴場のみならず客室の露天風呂やユニットバスにまで温泉が引かれているという贅沢さである。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
40℃ ~ 50℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9.3
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
11:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:0011:30 - 14:00
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。

10. 小森温泉(岡山県 加賀郡吉備中央町)

小森温泉は岡山県のほぼ中央、吉備中央町の山間に静かに佇む一軒宿の温泉である。その起源は江戸時代中期の享保17年(1732年)に遡り、岡山藩主・池田継政が湯治場として開発したことに始まる。しかし温泉の発見はさらに古く、一羽の鷺が傷を癒すために湧き湯に浸かっていたのを里人が見つけたのがきっかけと伝えられている。源泉近くの山には薬師堂が建てられ、「霊泉」として地域の人々に崇められてきた。藩営の湯治場として莫大な費用と人員を投じて本格的な湯屋が建設されたが、源泉に清水が混入する事態が起き、わずか数年で閉鎖を余儀なくされた。長い空白期間を経て昭和28年(1953年)頃に再興され、現在に至るまで約290年の歴史を紡いでいる。 小森温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.4という高いアルカリ性を誇る。源泉温度は28.1℃の冷鉱泉であり、加温して適温で提供される。無色透明の湯は肌触りがなめらかで、入浴後に肌がつるつるになると評判の「美人の湯」である。湯面には白い湯の花が静かに浮かび、天然温泉ならではの風情を醸し出している。洗い場の蛇口からも温泉が出るほど湯量に恵まれ、贅沢な源泉かけ流しを堪能できる。アトピー性皮膚炎、神経痛、筋肉痛、関節痛などに効能があるとされ、古くから湯治の湯として親しまれてきた。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
28℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 9.4
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 600円/子供 450円
営業時間
月火水木金土日祝
11:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00 - 17:0011:00-18:0011:00-18:00
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11. 湯の瀬温泉(岡山県 加賀郡吉備中央町)

湯の瀬温泉は、岡山県加賀郡吉備中央町の山間を流れる豊岡川沿いに佇む一軒宿の温泉である。大正10年(1921年)に開湯し、以来100年以上にわたって湯を守り続けてきた。河床から自然に湧き出す源泉を利用しており、現在は二代目の女将がその伝統を受け継いでいる。吉備高原の緑深い渓谷に抱かれた静寂の中、都会の喧騒を忘れさせてくれる山里の湯治場として、岡山市内をはじめ各地からの常連客に愛されてきた。 泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.7という極めて高いアルカリ性を誇る。源泉温度は27.1〜29℃と低めの冷鉱泉であるため加温して供されるが、源泉は一切濾過せず、浴槽はもちろんのこと蛇口やシャワーに至るまで温泉水がそのまま配湯されている。わずかに白濁した湯はヌルヌルとした独特の肌触りを持ち、ほのかに硫黄の香りが漂う。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
27℃ ~ 29℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 9.7
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 700円/子供 400円
営業時間
月火水木金土日祝
09:00 - 19:0009:00 - 19:00休業休業09:00 - 19:0009:00 - 19:0009:00 - 19:0009:00 - 19:0009:00 - 19:00
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12. あわくら温泉 元湯(岡山県 英田郡西粟倉村)

あわくら温泉は岡山県の最北東部、鳥取県との県境に位置する西粟倉村に湧く温泉である。その発見は鎌倉時代にまで遡ると伝えられ、狩人に撃たれた狸が数日後に元気な姿で山に帰っていくのを不思議に思った村人が川辺を探索したところ、湯が湧き出ていたのを見つけたという伝承が残っている。さらに、赤牛が泉源で暴れたために泉温が下がって冷泉になったという興味深い言い伝えも語り継がれている。元湯は長らく西粟倉村の公営温泉として親しまれてきたが、2011年11月に一度営業を休止。その後2015年に民間への業務委託により再オープンし、築50年以上の建物を大胆にリノベーションした「焚き火を楽しむ温泉ゲストハウス」として新たな歩みを始めた。 泉質は単純弱放射能泉、いわゆるラジウム泉である。ラドン含有量は40マッヘを記録し、これは岡山県内で最も高い数値を誇る。ラジウム泉は微量放射線によるホルミシス効果が期待され、痛風、高血圧、動脈硬化、慢性皮膚病などへの効能があるとされている。源泉温度は14〜15℃と冷泉に分類されるため、西粟倉村の豊かな森林資源から生まれる間伐材を薪に用いたボイラーで加温している。この地域資源を活用した加温方法は、環境に配慮した持続可能な温泉運営のあり方として注目されている。湯はなめらかでとろりとした肌触りが特徴で、入浴後もぽかぽかとした温まりが長く持続する。
泉質
単純弱放射能泉
ラジウム泉
温度
14℃ ~ 15℃
供給
一部かけ流し
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 250円
営業時間
月火水木金土日祝
15:00 - 21:3015:00 - 21:30休業休業15:00 - 21:3015:00 - 21:3015:00 - 21:3015:00 - 21:3015:00 - 21:30
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総まとめ — 岡山の秘湯を旅する前に知っておきたいこと

岡山県の温泉は、大きく4つのエリアに分けて巡ると効率的である。

【湯原エリア】 砂湯、真賀温泉、般若寺温泉、郷緑温泉、油屋、八景の6か所が集中する岡山県最大の温泉エリアだ。米子自動車道 湯原ICを起点に、砂湯と八景は徒歩圏内、真賀温泉は車で約5分、般若寺温泉は車で数分、郷緑温泉は旭川上流に向かって約15分の距離にある。油屋は湯原温泉街の中心に位置する。朝に砂湯の無料露天風呂を楽しみ、昼は真賀温泉の幕湯で足元湧出を体感し、午後は般若寺温泉(要予約)で渓谷の絶景を堪能、夕方は油屋か八景で宿泊——という1泊2日のプランが理想的だ。郷緑温泉は少し離れるため、翌日の午前中に立ち寄るとよい。

【奥津エリア】 奥津荘、東和楼、池田屋河鹿園の3軒がいずれも奥津温泉街に集まっており、徒歩で三湯めぐりが可能だ。中国自動車道 院庄ICから国道179号を北上して約30分。3軒とも足元湧出またはそれに準じる良質な源泉を持ち、それぞれ個性が異なるため、半日あれば十分に巡れる。湯原エリアとは車で約1時間の距離にあり、湯原・奥津の2エリアを2泊3日で巡る周遊コースが組める。4月中旬〜5月上旬には奥津渓の新緑、10月下旬〜11月中旬には紅葉が見事で、温泉と渓谷美を同時に楽しめる。

【吉備高原エリア】 小森温泉と湯の瀬温泉は、いずれも吉備中央町の山間に位置する冷鉱泉だ。岡山市街地から車で約1時間。両施設は車で約20分の距離にあるため、半日で巡ることができる。ただし、いずれもバスの便数が極めて少なく、レンタカーが必須である。岡山市や倉敷市からの日帰り圏内にあるため、吉備路の観光(備中国分寺、鬼ノ城など)と組み合わせた旅がおすすめだ。

【県境エリア】 あわくら温泉 元湯は、智頭急行大原駅から車で約15分の西粟倉村に位置する。鳥取方面への旅の途中に立ち寄りやすい場所だが、バスの便は少ないためレンタカーが望ましい。西粟倉村では温泉のほかに、森林セラピーや地域の木工体験なども楽しめる。兵庫県の湯村温泉や鳥取県の三朝温泉と組み合わせた広域の湯めぐりプランも検討に値する。

全体として、岡山県の温泉巡りにはレンタカーが不可欠である。JR岡山駅でレンタカーを借り、湯原・奥津エリアを2泊3日で巡るのが最も効率的だ。冬季(12月〜2月)は中国山地の山間部で積雪・路面凍結が発生するため、スタッドレスタイヤの装着が必要となる。また、般若寺温泉のように完全予約制の施設や、東和楼のように営業形態が変わっている施設もあるため、訪問前に必ず最新の営業状況を確認してほしい。

※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。

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