【外湯】長野県・渋温泉と安代温泉の外湯巡り完全ガイド

【外湯】長野県・渋温泉と安代温泉の外湯巡り完全ガイド

長野県下高井郡山ノ内町に位置する湯田中渋温泉郷は、石畳の温泉街と豊富な源泉を誇る歴史ある温泉地だ。中でも渋温泉の「九湯めぐり」と、その隣に位置する安代温泉の外湯は、源泉かけ流しの本物の温泉を堪能できる貴重な体験として知られている。

渋温泉 九湯めぐり

渋温泉には、地元住民が日常的に利用する9つの外湯(共同浴場)がある。渋温泉に宿泊すると、これらの外湯を無料で巡ることができる「九湯めぐり」を体験できる。九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿のご利益があるとされ、最後に温泉街を見下ろす「渋高薬師」に参詣して印受すれば満願成就となる。

渋温泉は100本以上の源泉を持ち、源泉温度は60~90℃と高温。すべての外湯が源泉かけ流しで、泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉が基本だが、pHは4.0~7.6まで差があり、それぞれ個性的な湯質を楽しめる。

一番湯 初湯(はつゆ)

僧行基が発見したとされる渋温泉発祥の湯。托鉢の鉢を洗ったことから、かつては「鉢湯」とも呼ばれた。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性 弱酸性 高温泉)
  • 源泉温度:65.0℃(使用位置56℃)
  • 効能:胃腸
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

二番湯 笹の湯(ささのゆ)

昔は笹やぶの中から湧出していたことからこの名がついた。湿疹に効き、病気の快復時に効果があることから「仕上げの湯」とも呼ばれる。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性 弱酸性 高温泉)
  • 源泉温度:65.0℃
  • 効能:湿疹、病気快復期
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

三番湯 綿の湯(わたのゆ)

白い湯花が多く、文字通り綿を連想させることからこの名がついた。切り傷や皮膚病によく効くとされる。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性 弱酸性 高温泉)
  • 源泉温度:65.0℃
  • 効能:切り傷、皮膚病、おでき、子宝
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

四番湯 竹の湯(たけのゆ)

九湯の中でも源泉温度が高い外湯の一つ。慢性痛風などに効果があるとされる。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
  • 源泉温度:70.5℃
  • 効能:慢性痛風
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

五番湯 松の湯(まつのゆ)

神経痛や病気の回復時によく効くとされる湯。四番湯と同じ源泉温度の高温泉。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
  • 源泉温度:70.5℃
  • 効能:神経痛、病気回復期
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

六番湯 目洗いの湯(めあらいのゆ)

昔、目を洗って眼病を癒やしたといわれることから名付けられた。弱アルカリ性で「美人の湯」「美肌の湯」とも呼ばれ、渋温泉の中でも特にその効能が高いとされる。9つの外湯の中では浴槽も広めで、多少混んでいてもゆったり入浴できる。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
  • 源泉温度:58.7℃
  • 効能:婦人病、眼病
  • pH:7.6(九湯の中で最も中性に近い)
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

七番湯 七操の湯(しちそうのゆ)

外傷性の障害や病気の快復期によく効く。7つの病気に効くとか、七回入れば全快するといわれ「七繰の湯」とも呼ばれる。黒い湯花が生じるのが特徴。九湯の中で最も成分総計が多い。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
  • 源泉温度:50.5℃
  • 効能:外傷性障害、病気快復期
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

八番湯 神明滝の湯(しんめいたきのゆ)

裏山の神明山から湧出する源泉を使用。昔は滝のような打たせ湯で疲れを癒したことから命名された。婦人病によく効き、子宝にも恵まれる湯だということから「子宝の湯」とも呼ばれる。淡く濁った酸性寄りの湯で、独特の金気臭がある。板で源泉を調整しながら少しずつ給湯され、小ぶりの湯船で鮮度の高い温泉を堪能できる。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
  • 源泉温度:58.7℃
  • 効能:婦人病、子宝
  • pH:6.12(やや酸性寄り)
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

九番湯 渋大湯(しぶおおゆ)

渋温泉を代表する天下の名湯で、高僧行基により発見された霊泉。巡浴祈願の最後に入浴し、それから薬師庵に登り薬師如来に心を込めてお参りして満願成就となる。万病に効くと云われるが、特に神経痛・リウマチ等に効くことで有名。鉄分の多い茶色(黄土色)の温泉で、外湯の中では一番大きく8人くらいは入れる。源泉の湯気を利用した蒸し風呂も併設。屋上には足湯もある。

九番湯のみ、渋温泉宿泊者以外も日帰り入浴が可能。渋温泉旅館組合事務所または渋温泉駐車場で入浴券を購入し、大湯近隣の旅館または商店で鍵を開けてもらう。

  • 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性 中性 高温泉)
  • 源泉温度:60.2℃(使用位置50℃)
  • 効能:神経痛、リウマチ、万病
  • pH:4.8(酸性泉)
  • 源泉かけ流し
  • 利用時間:6:00~22:00(宿泊者)、10:00~16:00(日帰り)
  • 利用料:渋温泉宿泊者無料(要鍵)、日帰り500円
  • 浴槽:内湯=2(熱湯・ぬる湯)、蒸し風呂=1、足湯=1
  • 営業期間:通年営業

安代温泉の外湯

安代温泉は、渋温泉のすぐ隣に位置し、横湯川を挟んで5~6軒の旅館が建つ小さな温泉街だ。宝永2年(1705年)、横湯川の河川敷に湯屋を作ったと伝えられる歴史ある温泉で、渋温泉との区切りは判り難いが、字で分かれている。

安代温泉には2軒の外湯があり、地元住民と安代温泉の宿泊者のみが利用できる。源泉温度が91.3℃と非常に高温で、42度を下回らないという約束事があり、地元の方への配慮が求められる。

安代大湯(あんだいおおゆ)

堂々とした和風建築が風情を感じさせる、安代温泉を代表する外湯。約300年前の宝永年間には湯屋が設けられていたという歴史があり、「村民こぞって1つの浴槽をつくる」との記述が残されている。建物の前にある赤い郵便ポストがいい味を出している。軒下に掲げられた題字は、20年間も長野県知事を勤めた吉村午良前知事の筆。

浴室はタイル張りで、3~4名程度が入れる浴槽がある。パイプで流れ込む湯を調整するシステムで、温度計が設置されている。入り口と脱衣所が左右二ヶ所にあるため、入ってきた方を覚えておく必要がある。

  • 泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性 低張性 高温泉)
  • 源泉温度:91.3℃
  • 源泉名:共益会11号ボーリング
  • pH:8.3
  • 無色透明、無味無臭
  • 源泉かけ流し(加温・加水・消毒なし)
  • 利用時間:要確認(宿泊施設に確認)
  • 利用料:安代温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

開花湯(かいかゆ)

黒い木の壁とコンクリートの外観が特徴の、こぢんまりとした共同浴場。タイル張りの小さなお風呂は、地元の大衆浴場といった風情で、昭和のレトロな雰囲気を味わえる。安代大湯から渋温泉方面へ数十メートル進んだ左手にある。

浴室はタイル張りで浴槽は一つ。脱衣室も浴室も極めて簡素な造りで、2~3名程度で満員になる小さな施設。余計な設備がなく、地元の方が日々利用する実用的な共同浴場の趣がある。

  • 泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性 低張性 高温泉)
  • 源泉温度:91.3℃
  • 源泉名:共益会11号ボーリング
  • pH:8.3
  • 無色透明、無味無臭
  • 源泉かけ流し(加温・加水・消毒なし)
  • 利用時間:要確認(宿泊施設に確認)
  • 利用料:安代温泉宿泊者無料(要鍵)
  • 営業期間:通年営業

アクセス

渋温泉・安代温泉共通

  • 電車:長野電鉄湯田中駅より長電バス(志賀高原方面行き/上林温泉行き)で約7分、「渋温泉」または「安代温泉」下車
  • 電車:JR東日本長野駅より長電バス(志賀高原線)で約40分
  • 車:上信越自動車道信州中野ICより国道292号、約15分
  • 徒歩:湯田中駅から徒歩約20分
  • 渋温泉と安代温泉は徒歩3分の距離

外湯巡りの注意事項

渋温泉

  • 九湯めぐりは渋温泉の宿泊者のみ利用可能(九番湯を除く)
  • 各旅館で外湯めぐり専用の鍵を借りる(無料)
  • 「巡浴祈願手ぬぐい」を購入すればスタンプラリーも楽しめる
  • 利用時間は6:00~22:00(清掃時は入浴不可)
  • シャワー、シャンプー、石鹸などは設置されていない
  • タオルは持参する必要がある
  • 源泉温度が高く、かなり熱い。必要に応じて水で温度調整を
  • ただし、水の出し過ぎ、出しっぱなしには注意
  • 共同浴場のため、マナーを守って利用する
  • 地元住民も利用するため、長時間の利用は控える
  • 飲泉は許可されていない

安代温泉

  • 安代温泉の宿泊者と地元住民のみ利用可能
  • 宿泊先の旅館で鍵を借りる(無料)
  • 源泉温度が91.3℃と非常に高温
  • 42度を下回らないという地域の約束事がある
  • 地元の方への配慮として、あまり温くしないように注意
  • シャワー、シャンプー、石鹸などは設置されていない
  • タオルは持参する必要がある
  • 小さな施設のため、長時間の利用は避ける

まとめ

渋温泉の九湯めぐりと安代温泉の外湯は、それぞれ異なる泉質と効能を持つ源泉かけ流しの本物の温泉を体験できる貴重な機会だ。渋温泉は9つの外湯を巡りながら温泉街を散策でき、安代温泉は静かで鄙びた雰囲気の中で地元の生活に溶け込んだ温泉体験ができる。

どちらも基本的に宿泊者のみが利用できる特別な外湯で、地元住民と共に利用する共同浴場という性質上、マナーを守った利用が求められる。石畳の温泉街を浴衣と下駄で歩きながら、昔ながらの温泉情緒を存分に味わえる。

九湯めぐりは1ヶ所あたり10分程度として、移動時間を含めると1時間半~2時間程度が目安。すべて制覇するのは体力的に負担になることもあるため、無理をせず、お気に入りの外湯をいくつか選んで入浴するのもよいだろう。


※情報はリサーチした時点での最新の情報ではありますが、誤りなどがある可能性もあり、最新の情報は公式サイトなどを確認ください。

ホームマップ温泉リストブログマイページ