徳島県の秘湯・名湯 14選 — 日本三大秘湯と四国山地の渓谷湯を巡る

徳島県は、四国山地が県域の大部分を占める山岳県であり、その深い渓谷と険しい山懐に個性豊かな温泉が点在する。なかでも日本三大秘境のひとつに数えられる祖谷渓一帯は、全国屈指の秘湯密集地帯である。ケーブルカーで谷底に降りて浸かる源泉かけ流しの露天風呂、ボンネットバス型ケーブルカーで山頂へ登る天空露天風呂、平家落人伝説が息づく渓谷沿いの一軒宿——祖谷だけでも唯一無二の温泉体験が揃う。一方、県中央部にはpH10.2という全国屈指の強アルカリ泉や、鉱山跡から湧く含鉄泉、天女伝説に彩られた炭酸水素塩泉が控え、県南の太平洋岸には四国最東端の岬の温泉や、全長40メートルの展望大浴場を持つリゾートホテルの湯がある。剣山の麓には硫黄系の引湯温泉が、県北部には四国遍路の起点にふさわしい美肌の冷鉱泉が湧く。今回は、そのなかから特に個性際立つ14か所を厳選した。


1. ホテル祖谷温泉(徳島県 三好市)

ホテル祖谷温泉
引用: ホテル祖谷温泉 HP
ホテル祖谷温泉は、北海道のニセコ薬師温泉、青森県の谷地温泉とともに日本三大秘湯の一つに数えられる祖谷温泉の一軒宿である。徳島県三好市の祖谷渓は、和歌山県の北山峡、奈良県の大台ヶ原とともに日本三大秘境とされる深山幽谷の地で、平家の落人伝説が残る神秘的な渓谷である。昭和40年(1965年)に温泉が掘削され、運営会社の祖谷渓温泉観光株式会社が昭和43年(1968年)に設立、昭和47年(1972年)にホテルとして開業した。日本秘湯を守る会の四国唯一の加盟宿であり、50年以上にわたり秘境の一軒宿としてその歴史を刻んできた。 祖谷温泉の泉質はアルカリ性単純硫黄温泉で、pH9.1の強いアルカリ性を誇る。源泉温度は約38〜39℃と体温に近いぬるめの湯であり、四国全体でも道後温泉と祖谷温泉の2箇所しかない源泉かけ流しの温泉として極めて貴重な存在である。ナトリウム、カルシウム、硫黄分などを含むアルカリ成分が古い角質をやさしく溶かし、入浴後は肌がすべすべになる「美肌の湯」として名高い。湯にはとろりとしたぬめりがあり、肌にまとわりつく細かい泡と、浴槽に浮かぶ白い湯の花が天然温泉の証である。 最大の見どころは、傾斜角42度の断崖をケーブルカーで約5分かけて170メートル下降した谷底に広がる露天風呂である。2023年春に新車両が導入されたケーブルカーに乗り、眼下に広がる祖谷渓の絶景を眺めながら谷底へと降りていく体験は唯一無二のものだ。谷底の露天風呂「渓谷の湯」と「せせらぎの湯」は男女日替わりで利用でき、翡翠色の祖谷川のせせらぎと深い森の緑に包まれながら源泉かけ流しの湯に浸かる贅沢を味わえる。館内には2021年にリニューアルされた展望風呂「雲遊天空の湯〜SORANOYU」もあり、祖谷の山々を一望するインフィニティ風呂として新たな魅力を加えている。 宿泊は全17室で1泊2食付き20,130円から。祖谷そば、山菜、川魚、阿波牛・阿波ポーク・阿波尾鶏など地元食材を活かした祖谷の郷土料理が供される。日帰り入浴は露天風呂(ケーブルカー込み)が大人2,000円、展望風呂のみが大人700円で毎週水曜定休。アクセスは徳島自動車道井川池田ICから車で約40分、JR大歩危駅からは送迎バス(1日1便・要予約)で約30分。秋の紅葉シーズンは祖谷渓が燃えるような赤と黄に染まり、特に人気が高い。周辺にはかずら橋や小便小僧、大歩危峡の遊覧船など見どころも多く、四国の秘境を満喫する旅の拠点として申し分ない。
泉質
単純硫黄泉
温度
38℃ ~ 39℃
湧出
掘削自噴
供給
一部かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 9.1
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 2000円/子供 1000円
営業時間
月火水木金土日祝
07:30 - 17:00◯◯×◯◯◯◯◯
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2. 新祖谷温泉 ホテルかずら橋(徳島県 三好市)

国の重要有形民俗文化財「祖谷のかずら橋」のすぐそばに立つ温泉宿で、1988年に開業した。1999年の豪雨災害を乗り越え、2000年5月の全館リニューアル時に誕生したのが、この宿の代名詞ともいえるボンネットバス型ケーブルカーで山頂へ登る「天空露天風呂」である。 泉質は単純硫黄冷鉱泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)で、源泉温度17.9℃、毎分30.8リットルの湧出量を持つ。冷鉱泉を加温して使用し循環ろ過を行っているが、無色透明でさらりとした浴感が特徴である。レトロなボンネットバスを模したケーブルカーに乗り込み、急勾配を登りながら祖谷の山々を眺める数分間は、到着前からすでに非日常の旅情を満喫できる。山頂に到着すると、地元産の阿波青石で造られた露天風呂が待ち構え、眼下に祖谷の山里の風景が一望できる。雲海が広がる朝には、まさに「天空の湯」の名にふさわしい幻想的な光景に出会える。 館内には大浴場、天空露天風呂、貸切露天風呂「筍の湯」、貸切檜風呂3室、足湯なども備わる。食事は囲炉裏を囲んでいただく祖谷の郷土料理が名物で、でこまわし(串焼き)や祖谷そば、そば米雑炊など山里の味覚を堪能できる。日帰り入浴は大人1,200円で10:30〜16:00まで利用可能。JR大歩危駅からバスで約20分。
泉質
単純硫黄泉
温度
40℃ ~ 42℃
湧出
動力揚湯
供給
循環式
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1200円/子供 600円
営業時間
月火水木金土日祝
10:30 - 16:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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3. 祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯(徳島県 三好市)

日本三大秘境のひとつ、祖谷渓の断崖に建つ温泉ホテルである。かずら橋にも近く、一面ガラス張りの大浴場から眼下に深い渓谷と原生林が広がる眺望が最大の魅力だ。平家の落人伝説が色濃く残るこの地で、訪れる者に非日常の安らぎを提供し続けている。 泉質はナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉で、源泉温度はわずか9.8℃。地下から汲み上げた冷泉を加温して提供している。pH9.0のアルカリ性を示し、とろりとした滑らかな湯触りが特徴で、「美人の湯」として親しまれている。祖谷地域でも珍しい炭酸水素塩泉であり、この泉質を求めて遠方から訪れる入浴客も少なくない。 阿波青石を使用した露天風呂のほか、薬湯、ジェットバス、塩サウナなど8種類の浴場が揃う。食事処「おときや」では囲炉裏を囲みながら、阿波牛のステーキ、鮎の塩焼き、手打ち祖谷そばなど地元の味覚を堪能できる。日帰り入浴は大人1,000円で、平日15:00〜20:00、土日祝12:00〜18:00。毎週火曜定休。JR大歩危駅から四国交通バスで約15分。
泉質
ナトリウム-炭酸水素塩泉
温度
9℃ ~ 42℃
湧出
動力揚湯
供給
循環式
加温
加温あり
pH値
pH 9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
15:00 - 20:00◯×◯◯◯12:00-18:0012:00-18:0012:00-18:00
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4. 祖谷の宿 かずらや(徳島県 三好市)

祖谷の宿 かずらや
引用: 祖谷の宿 かずらや HP
祖谷渓の山深い集落のひとつ、西祖谷山村閑定に静かに佇む全13室の小さな一軒宿である。祖谷のかずら橋まで徒歩約10分という好立地にあり、宿泊専用の温泉施設として、囲炉裏を囲む祖谷の田舎料理とともに秘境の静寂を味わえる。 泉質は単純硫黄冷鉱泉で、祖谷の深山の岩間から染み出すミネラル豊富な源泉を加温して提供している。源泉100%のまま加水することなく使用しており、さらりとした肌触りが心地よい。硫黄泉特有の清浄作用により、肌をなめらかに整える効果が期待できる。 自慢は祖谷の青石を使用した展望露天風呂で、渓谷を見下ろしながらの入浴は格別の趣がある。食事は囲炉裏を囲んでいただく名物「でこまわし」、鮎やアメゴの塩焼き、キジ鍋、手打ち祖谷そばなど素朴ながら滋味深い料理が並ぶ。宿泊専用のため日帰り入浴は不可。1泊2食付き14,900円から。JR大歩危駅からバスで約20分、かずら橋夢舞台バス停から宿の送迎(要予約)を利用できる。
泉質
単純硫黄泉
温度
15℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 不可
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5. 松尾川温泉(徳島県 三好市)

pH10.2という全国屈指の強アルカリ性を誇る知る人ぞ知る秘湯である。三好市池田町の松尾川渓谷沿いにひっそりと佇み、古くから地元の人々に「美人の湯」として愛されてきた。温泉棟に併設された自炊湯治宿「しらさぎ荘」の名は、白鷺が傷を癒していたという伝承に由来するともいわれる。 泉質はアルカリ性単純硫黄泉で、源泉温度25.0℃の冷鉱泉を薪で加温し、加水も消毒も一切行わない源泉かけ流し100%で提供している。湯に浸かった瞬間、肌にまとわりつくようなとろりとしたぬめりに驚かされる。ほのかに漂う硫黄の香りとともに、強いアルカリ成分が古い角質をやさしく溶かし、入浴後は見違えるほど肌がすべすべになる。施設のキャッチフレーズ「5分で分かる四国一」は決して大げさではない。 浴場は内湯のみで男女別の石造りの浴槽があり、窓の外には松尾川渓谷の景観が広がる。自炊湯治宿のしらさぎ荘は素泊まり1泊4,500円からと手頃で連泊湯治が可能。日帰り入浴は大人580円で10:00〜19:00、毎週水曜定休。井川池田ICから車で約30分。路線バスは限られるため車での訪問が推奨される。
泉質
単純硫黄泉
温度
25℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 10.2
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 580円/子供 360円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 19:00◯◯×◯◯◯◯◯
宿泊予約はこちら
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6. ふいご温泉(徳島県 吉野川市)

高越山の麓、川田川渓流沿いに佇む一軒宿の温泉で、鉱山の歴史と深く結びついた施設である。かつて徳島県最大の銅山として栄えた高越鉱山の閉山後、昭和47年(1972年)に鉱山跡から自然湧出する鉱泉水を活用して開業した。温泉名は明治時代に鉱夫の通勤用に架けられた吊り橋「鞴橋(ふいごばし)」に由来し、吊り橋の両岸にそびえる巨大な紅簾片岩は国の天然記念物に指定されている。 泉質は酸性の緑礬鉄泉(単純冷鉱泉)で、源泉温度15.4℃の冷鉱泉を加温して使用。四国では極めて珍しい含鉄泉であり、全国的に見ても銅山跡から湧出する鉱泉は稀少である。無色透明無臭だが、湧出量は毎分214リットルと豊富だ。神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性リウマチ、冷え性、疲労回復などに効能があるとされる。 大浴場の窓からは赤く塗られた高越大橋と、銅成分で緑色を帯びた川田川を眺望できる。岩風呂とタイル風呂の2種の浴室にサウナ、ジャグジー、打たせ湯も備える。日帰り入浴は大人600円で7:00から営業(日祝は10:00から)。宿泊は素泊まり6,600円から。徳島自動車道脇町ICから車で約25分、JR阿波山川駅からタクシーで約5分。
泉質
酸性-含銅・鉄(Ⅱ)-硫酸塩泉
温度
15℃ ~ 42℃
湧出
自然湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 600円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
07:00 - 22:30◯◯◯◯◯◯10:00-22:3010:00-22:30
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7. 神山温泉 ホテル四季の里&いやしの湯(徳島県 名西郡神山町)

天女が授けた霊泉という伝説を持つ歴史深い温泉である。慶応4年(1868年)に共同経営の湯屋として開業し、明治期に一度廃業するも、善覚寺の住職が鉱泉の医学的価値を再確認して大正14年(1925年)に「弁天鉱泉湯」として復活した。地元では天女を「塩水大明神」として奉り、祠は現在も源泉地の近くに建っている。 泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、pH8.2の弱アルカリ性である。源泉温度はわずか5.4℃の冷鉱泉だが、溶存物質2,767.2mg/kgと非常に豊富。重曹を含む独特の食塩泉はややぬめりのある柔らかな肌触りで、「美人の湯」として名高い。塩分が多い温泉でありながらさっぱりとキレのある浴感があり、湯冷めしにくいのも特徴である。 日帰り温泉「いやしの湯」は全国でも珍しい畳敷きの浴場が目を引く。神山産の青石を用いた「青石の湯」と、玉石をあしらった「玉石の湯」の2つの浴室が週替わりで男女入替。収容人数200名の大規模施設で、気泡・ジェット主浴槽、半露天風呂、サウナ、水風呂、うたせ湯、寝湯、子供湯などを備える。日帰り入浴は大人680円で、4〜9月は10:00〜21:00、10〜3月は10:00〜20:00。毎月第4火曜定休。徳島バスで徳島駅から約60分。
泉質
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
温度
5℃ ~ 42℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 8.2
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 680円/子供 340円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 21:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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8. 月ヶ谷温泉 月の宿(徳島県 勝浦郡上勝町)

弘法大師の開湯伝説に彩られた霊泉である。伝説によれば、弘法大師がこの地で修行をしていた際、霊山月ヶ谷の岩場に薬師如来が出現し、「この霊水は万病を駆癒する薬泉なり」と告げたとされる。上勝町は2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った町としても全国的に知られている。 泉質は単純硫黄冷鉱泉で、源泉温度15℃の冷鉱泉である。源泉は施設から約1.5km離れた霊山月ヶ谷の岩の亀裂から自然湧出し、パイプで引湯して加温のうえ使用している。硫黄泉特有の成分を含み、神経痛から糖尿病まで幅広い効能が認められている。 大浴場は地元上勝町産の杉材と珪藻土を使った建築が特徴で、大きな窓からは清流勝浦川と上勝の山々を望むことができる。岩風呂を中心にサウナ、ジェットバス、打たせ湯も備え、朝晩で男女入替制を採用している。日帰り入浴は大人650円で10:00〜20:00。第2水曜定休。徳島市内から車で約50分。公共交通機関は便数が限られるため車での訪問を推奨。
泉質
単純硫黄泉
温度
15℃ ~ 42℃
湧出
自然湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 650円/子供 350円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 20:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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9. 大歩危温泉 サンリバー大歩危(徳島県 三好市)

吉野川が2億年の歳月をかけて四国山地を削り出した渓谷美、大歩危峡。その絶景のただ中に佇む温泉ホテルで、昭和54年(1979年)に公共の宿として開業した。周辺の山城町は児啼爺(コナキジジイ)をはじめ150もの妖怪伝説が息づく土地でもある。 泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.57の強アルカリ性を示す。源泉温度は約20℃の冷鉱泉であり、「化粧水要らず」の異名をとる美肌の湯だ。無色透明ながらぬるぬるとした独特の肌触りがあり、フッ素イオンが新陳代謝を促進する。地元では「肌、若返りの湯」として愛されている。 一面ガラス張りの大浴場からは小歩危峡と吉野川の激流を一望でき、露天風呂では春の桜から冬の雪景色まで四季折々の渓谷美に包まれる。サウナも完備。レストラン「さと山」で祖谷そばや阿波の地元食材を活かした料理が楽しめる。日帰り入浴は大人700円で12:00〜21:00。年中無休。JR大歩危駅からタクシーで約7分、宿泊者は無料送迎あり。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
20℃ ~ 42℃
湧出
動力揚湯
供給
循環式
加温
加温あり
pH値
pH 9.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 700円/子供 350円
営業時間
月火水木金土日祝
12:00 - 21:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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10. つるぎの宿 岩戸(徳島県 美馬郡つるぎ町)

西日本第二の高峰・剣山(標高1,955m)の南麓、貞光川の清流沿いに位置する温泉宿である。剣山は修験道の霊峰として古くから信仰を集め、安徳天皇の御剣を山頂に奉納したとの伝説からその名が付いたとされる。かつて「温泉保養センター岩戸荘」として運営されていた公営施設をリニューアルした宿で、剣山登山の前泊・後泊の拠点として親しまれている。 温泉は剣山木綿麻温泉(つるぎさんゆうまおんせん)から引湯した含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉である。硫黄成分を含む湯は無色透明でさらりとした肌触りで、神経痛、関節リウマチ、糖尿病、アトピー性皮膚炎などへの効能が期待される。日本温泉協会にも硫黄泉として登録されている。 内湯と露天風呂、サウナ・水風呂を完備。大浴場の窓からは貞光川渓谷の四季を一望できる。レストランでは地元の山の幸やジビエ料理を味わえる。日帰り入浴は大人400円と手頃で、平日15:00〜21:00、祝祭日11:00〜21:00。毎週火曜定休。宿泊は1泊2食付き約7,000円から。バリアフリー対応。美馬ICから車で約30〜40分。
泉質
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
温度
15℃ ~ 42℃
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 400円/子供 200円
営業時間
月火水木金土日祝
15:00 - 21:00◯×◯◯◯11:00-21:0011:00-21:0011:00-21:00
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11. 峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか(徳島県 三好市)

国の名勝・天然記念物に指定された大歩危峡の渓谷上、吉野川と支流藤川谷の合流点に建つ温泉宿である。眼下に2億年前の結晶片岩が織りなす奇岩群とエメラルドグリーンの吉野川を望む唯一無二のロケーションが魅力だ。大歩危遊覧船の発着地に隣接し、大歩危祖谷温泉郷の観光拠点でもある。 大浴場の泉質は単純硫黄泉で、源泉温度18℃の冷鉱泉を循環ろ過式加温で提供。皮膚を柔らかくする作用に優れ、湯上がりのすべすべ「たまご肌」が評判である。テラス風の露天風呂「せせらぎの湯」では鉱石人工温泉(トゴールウォームタイト)を使用し、美肌効果を高めている。 露天風呂から見下ろす大歩危峡の絶景は圧巻で、四季を通じて異なる表情を見せる渓谷美は飽きることがない。90℃前後のサウナとセルフロウリュも備え、露天スペースの水風呂で「ととのい」体験も可能。宿泊者限定の貸切風呂もある。日帰り入浴は大人700円で12:00〜16:00(最終受付15:00)。JR大歩危駅から徒歩約20分、宿泊者は無料送迎あり。
泉質
単純硫黄泉
温度
18℃ ~ 42℃
供給
循環式
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 700円/子供 350円
営業時間
月火水木金土日祝
12:00 - 16:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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12. かもだ岬温泉保養センター(徳島県 阿南市)

四国最東端の蒲生田岬のふもと、室戸阿南海岸国定公園内の高台に建つ日帰り温泉施設である。平成13年(2001年)に「船瀬温泉保養施設」として開業し、2011年にリニューアルされた。地下1,600メートルから湧出する天然温泉は、四国最東端の温泉として知る人ぞ知る存在だ。 泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)で、源泉温度41.4℃、湧出量は毎分90リットルと豊富。源泉かけ流しで加水を行わず、天然の温泉成分をそのまま享受できる贅沢な湯である。弱アルカリ性のなめらかな肌触りは美肌効果も期待できる。 「うみがめの湯」と「さざなみの湯」の2つの大浴場が半月ごとに男女入替。露天風呂からは紀伊水道の大海原を一望し、天候に恵まれれば淡路島や紀伊半島まで見渡せる。夕暮れ時には水平線に沈む夕日が湯面を茜色に染める絶景が広がる。打たせ湯、泡風呂、高温サウナ、健康福祉風呂(家族風呂・車椅子対応)も備える。日帰り入浴は大人600円で10:00〜19:00。毎週月曜定休。蒲生田岬灯台も車で数分の距離にあり、岬散策との組み合わせがおすすめ。徳島ICから車で約90分。
泉質
単純温泉
温度
40℃ ~ 41℃
湧出
動力揚湯
供給
源泉かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 8
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 600円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 19:00×◯◯◯◯◯◯◯
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13. あせび温泉 やすらぎの郷(徳島県 板野郡板野町)

阿讃山脈の麓に位置する公営の日帰り温泉施設で、平成11年(1999年)に板野町が地下250メートルから湧出する天然温泉を活用して整備した。施設名は阿讃山脈に自生するツツジ科の「馬酔木(あせび)」に由来する。四国八十八箇所霊場の第一番札所・霊山寺や第二番札所・極楽寺にも近く、お遍路さんの癒しの湯として四半世紀にわたり親しまれてきた。 泉質は単純硫黄冷鉱泉で、源泉温度20.7℃、pH8.9のアルカリ性を示す。地下250メートルから自噴する天然温泉で、加温なしの冷鉱泉をそのままかけ流しで楽しめる源泉浴槽が特筆に値する。20.7℃の源泉にゆっくり浸かれば、アルカリ性の湯が体の芯まで浸透していく感覚を味わえる。主浴槽は加温されており、冷鉱泉との交互浴もおすすめだ。 天高く伸びた竹林に囲まれた露天風呂と、端正な日本庭園を望むデッキが風情ある。ドライサウナ、ミストサウナ、打たせ湯、ジェットバスなど多彩な浴槽を備え、休憩処や漫画コーナーも充実。入浴料は大人600円で10:00〜21:30(最終受付21:00)。毎週水曜定休。高松自動車道板野ICから車でわずか10分。徳島市内からも約30分と気軽にアクセスできる。
泉質
単純硫黄泉
温度
20℃ ~ 42℃
湧出
掘削自噴
供給
一部かけ流し
加温
加温あり
pH値
pH 8.9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 600円/子供 400円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 21:30◯◯×◯◯◯◯◯
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14. HOTEL RIVIERA ししくい(徳島県 海部郡海陽町)

四国の東南端、室戸阿南海岸国定公園内に位置するリゾートホテルで、道の駅宍喰温泉に併設されている。全室オーシャンビューの客室から太平洋の大海原を一望できる南国情緒あふれるロケーションが最大の魅力だ。 泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、高知県境の地下1,000メートルから湧出する。源泉温度25.5℃、pH8.6の弱アルカリ性で、「とろとろ」と表現される独特の湯触りが最大の特徴。弱アルカリ性の炭酸水素塩泉が古い角質を穏やかに溶かし、「美人の湯」として人気が高い。 2階の展望大浴場は全長40メートルという圧巻のスケールを誇り、太平洋のパノラマを眺めながらの入浴は非日常そのものである。ジャグジー、寝湯、打たせ湯、薬湯、ひのき風呂、ドライサウナ、スチームサウナなど多彩な浴槽を備える。レストラン「ベガ」では地元の新鮮な海の幸と阿波尾鶏を味わえる。日帰り入浴は大人800円で、朝風呂6:30〜9:00と12:00〜21:00の2部制。年中無休。DMV阿佐海岸鉄道の宍喰駅から徒歩約10分で、世界初のDMV(デュアル・モード・ビークル)に乗ってから温泉に浸かるという唯一無二の旅程も可能である。
泉質
ナトリウム-炭酸水素塩泉
温度
25℃ ~ 42℃
湧出
動力揚湯
供給
循環式
加温
加温あり
pH値
pH 8.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 800円/子供 400円
営業時間
月火水木金土日祝
06:30 - 21:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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総まとめ — 徳島の秘湯を旅する前に知っておきたいこと

徳島県の温泉は、大きく4つのエリアに分けて巡ると効率的である。

【祖谷・大歩危エリア】 ホテル祖谷温泉、新祖谷温泉ホテルかずら橋、ホテル秘境の湯、祖谷の宿かずらや、大歩危温泉サンリバー大歩危、大歩危峡まんなかの6か所が集中する徳島県最大の温泉エリアだ。徳島自動車道井川池田ICを起点に、まずJR大歩危駅周辺のサンリバー大歩危とまんなかを巡り、その後バスまたは車で祖谷渓方面へ向かうルートが効率的である。ホテル祖谷温泉のケーブルカー露天風呂とかずら橋のボンネットバス天空露天風呂を両方体験するなら、2泊は確保したい。かずら橋、大歩危遊覧船、小便小僧像など観光スポットも豊富で、2泊3日のプランが理想的だ。

【三好・つるぎエリア】 松尾川温泉とつるぎの宿岩戸は、三好市とつるぎ町の山間部に位置する。松尾川温泉はpH10.2の強アルカリ泉で、井川池田ICから車で約30分。つるぎの宿岩戸は美馬ICから約30〜40分で、剣山登山と組み合わせるのがおすすめである。ただしいずれも公共交通の便が極めて限られるため、レンタカーは必須だ。剣山登山リフトのある見ノ越まではさらに約50分の距離にあり、登山シーズン(4〜11月)には前泊拠点として岩戸が重宝する。

【県中央・東部エリア】 ふいご温泉、神山温泉、月ヶ谷温泉、あせび温泉の4か所は、徳島市内からそれぞれ30〜60分圏内にある。ふいご温泉は鉱山の歴史を感じる含鉄泉で、JR阿波山川駅からタクシーで約5分とアクセスも良好。神山温泉は天女伝説の炭酸水素塩泉で畳敷きの浴場が珍しく、月ヶ谷温泉は弘法大師伝説の霊泉。あせび温泉は四国遍路の起点にふさわしい美肌の冷鉱泉である。徳島市内からの日帰り圏内にあるため、1日2か所のペースで巡ることが可能だ。

【県南・太平洋岸エリア】 かもだ岬温泉とHOTEL RIVIERAししくいは、太平洋沿岸に位置する。かもだ岬温泉は蒲生田岬灯台散策と組み合わせた半日コース、RIVIERAししくいはDMV阿佐海岸鉄道の乗車体験と組み合わせるのが面白い。両施設は車で約1時間半の距離にあり、県南の海岸線をドライブしながら1泊2日で巡ることができる。ただしこのエリアは徳島市内から車で1.5〜2時間とやや遠いため、時間に余裕を持った計画が必要である。

季節による注意事項としては、祖谷渓・大歩危エリアおよびつるぎエリアは山間部のため、冬季(12月〜2月)は積雪・路面凍結が発生しやすい。スタッドレスタイヤまたはチェーンの装着が必須となる。一方、秋の紅葉シーズン(10月下旬〜11月中旬)は祖谷渓が最も美しく、特にホテル祖谷温泉のケーブルカー露天風呂から眺める紅葉は圧巻だが、予約は早い時期から埋まるため計画的な手配が肝要である。県南の太平洋沿岸は年間を通じて温暖だが、夏場はかもだ岬周辺でアカウミガメの産卵を観察できる可能性もあり、自然体験とのセットが魅力的だ。

※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。

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