箱根の日帰り温泉——箱根七湯ほか古湯の名湯5選
箱根は、大きな火山がまるごと温泉地になった土地である。数十万年前から続いた噴火活動が直径10キロを超えるカルデラをつくり、その内側に神山などの中央火口丘がそびえた。およそ3千年前には神山が北西へ崩れ、噴き上がった水蒸気と岩屑なだれが早川をせき止めた。こうして生まれたのが、大涌谷の荒々しい爆裂火口跡と、水をたたえた芦ノ湖である。地下に残る火山の熱が、いまも箱根じゅうに湯を湧かせている。
湯の利用は古い。江戸時代には東海道の要衝として、湯本・塔ノ沢・堂ヶ島・宮ノ下・底倉・木賀・芦之湯の七つが「箱根七湯」と呼ばれ、湯治客でにぎわった。明治以降は富士屋ホテルをはじめとする洋風リゾートが開け、七湯は二十湯とも称される広がりへと発展する。今回選んだ5軒のうち、底倉温泉と芦之湯温泉は、その箱根七湯に数えられる古湯だ。
温泉地としての箱根は広い。玄関口の箱根湯本から、早川の渓谷に沿う宮ノ下・底倉、斜面に別荘や美術館が並ぶ強羅、ススキの草原で知られる高原の仙石原、そして芦ノ湖と箱根峠へ向かう高所の芦之湯まで、標高も景観も一様ではない。泉質もまた多彩で、肌になじむ単純温泉から、塩化物泉、硫酸塩泉、大涌谷の噴気でつくる白濁の造成泉までがそろう。同じ「箱根の湯」でも、湧く場所によって色も肌触りも違う。
ここでは、箱根で日帰り入浴を受け付ける湯を軸に、歴史ある源泉宿5軒を選んだ。うち4軒は立ち寄り湯に対応し、大型のスパ施設とはひと味違う、源泉に近い湯を楽しめる。残る1軒、芦之湯の松坂屋本店は宿泊者向けの湯だが、七湯以来の名湯として併せて取り上げる。箱根湯本に近い底倉から、姥子、仙石原、芦之湯へと順にたどる。
1. 底倉温泉 函嶺(神奈川県足柄下郡箱根町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00 - 16:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
2. 姥子温泉 秀明館(神奈川県足柄下郡箱根町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00 - 17:00 | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
3. 吉池旅館(神奈川県足柄下郡箱根町)

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 13:00 - 22:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
4. 芦之湯温泉 きのくにや(神奈川県足柄下郡箱根町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15:00 - 10:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
5. 芦之湯温泉 松坂屋本店(神奈川県足柄下郡箱根町)
総まとめ——箱根で日帰り湯めぐりを計画する前に
箱根の温泉は、カルデラの内と外に散らばっている。効率よく回るなら、箱根登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・芦ノ湖の遊覧船・路線バスが乗り放題になる「箱根フリーパス」が使いやすい。車でも回れるが、週末や紅葉の時期は道路が混みやすい。大涌谷では火山活動の状況によって立ち入りや交通が規制されることもあるため、出発前に運行情報を確認しておきたい。
【底倉・宮ノ下】 底倉温泉の函嶺は、早川が刻む渓谷沿いにある。宮ノ下や小涌谷からのアクセスがよく、日帰り入浴を受け付けている。江戸期の箱根七湯のひとつに数えられた、古い湯場だ。
【姥子・大涌谷】 姥子温泉の秀明館は、ロープウェイの姥子駅にほど近い高台に立つ。金太郎の母である山姥が子の目を洗ったという伝説から、古くは眼の湯として知られてきた。自然に湧く湯を大きな岩風呂に引く立ち寄り湯だが、受付時間や予約の要否は変わることがあるため、事前に確認したい。
【仙石原】 吉池旅館は、ススキの草原で知られる仙石原にある。広い日本庭園を備えた宿で、日帰り入浴にも対応している。高原らしい静かな環境にあり、大涌谷や芦ノ湖への観光と組み合わせやすい立地だ。
【芦之湯】 芦ノ湖と箱根峠へ向かう高所の芦之湯には、七湯以来の宿が二軒残る。きのくにやは日帰り入浴を受け付けており、芦之湯は箱根では数少ない硫黄の香りを伴う湯として親しまれてきた。同じ芦之湯の松坂屋本店は宿泊者向けの湯で、日帰り入浴は行っていない。こちらは泊まって、じっくり味わう湯と考えたい。
いずれの施設も、日帰り入浴の受付可否や時間・料金・定休日は変わりうる。訪問前に各施設の公式サイトや箱根町観光協会で最新の情報を確認しておきたい。
よくある質問
箱根の日帰り温泉は予約が必要ですか?
施設によって異なる。立ち寄り湯を随時受け付ける宿もあれば、姥子温泉 秀明館のように受付時間や利用方法が定められている湯もある。人数の多い日や繁忙期は制限がかかることもあるため、行きたい施設の公式情報を事前に確認するのが確実だ。
公共交通だけで箱根の温泉はめぐれますか?
箱根湯本駅を起点に、箱根登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・路線バスを乗り継げば、車がなくても主要エリアを回れる。これらが乗り放題になる箱根フリーパスを使うと、姥子や芦之湯、仙石原へのバス移動もまとめて計画しやすい。
箱根の温泉の泉質はどのようなものですか?
箱根は湧く場所ごとに泉質が異なる。肌になじむ単純温泉のほか、塩化物泉や硫酸塩泉、芦之湯のように硫黄の香りを伴う湯、大涌谷の噴気からつくる白濁の造成泉まで幅広い。同じ箱根でもエリアを変えると、湯の色や肌触りが変わるのが特徴だ。
日帰りで箱根の湯めぐりはできますか?
できる。本記事の底倉温泉 函嶺、姥子温泉 秀明館、吉池旅館、芦之湯温泉 きのくにやは、いずれも日帰り入浴に対応している。ただし芦之湯温泉 松坂屋本店は宿泊者向けのため、日帰りでの利用はできない。営業時間や定休日を確認し、移動時間に余裕をもって計画したい。
※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。








