箱根の日帰り温泉——箱根七湯ほか古湯の名湯5選

日帰り入浴を受け付ける湯を軸に、箱根の歴史ある源泉宿5軒を選んだ。日帰り入浴の可否でみると、5軒のうち4軒が対応し、残る1軒は宿泊者向けの湯である。底倉温泉と芦之湯温泉は、江戸期に東海道の湯治場としてにぎわった「箱根七湯」に数えられる古湯だ。

地下に残る火山の熱が、いまも箱根じゅうに湯を湧かせている。泉質は湧く場所ごとに異なり、単純温泉から塩化物泉、硫酸塩泉、大涌谷の噴気でつくる白濁の造成泉まで多彩だ。


1. 底倉温泉 函嶺(神奈川県足柄下郡箱根町)

箱根七湯のひとつに数えられる底倉温泉は、江戸時代以前から知られる古湯である。函嶺(かんれい)は、明治時代に建てられた洋館の旧医院を利用した個性的な日帰り温泉施設で、竹林に囲まれた渓流沿いに一つだけの露天風呂を備える。貸切スタイルで1時間ゆったりと利用でき、源泉かけ流しのナトリウム塩化物泉を堪能できる。 源泉温度は約70℃と高温のため加水で調整するが、無色透明のさっぱりとした湯は肌あたりが良い。宮ノ下の大通りから少し奥まった静かな立地で、箱根の観光喧騒とは無縁の穏やかな時間が流れる。大正時代のレトロな洋館建築と竹林の緑、渓流のせせらぎが織りなす独特の雰囲気は、箱根の知られざる秘湯として温泉通から密かに愛されている。完全予約制のため、訪問前に電話での予約が必要である。
泉質
ナトリウム-塩化物泉
温度
42℃ ~ 44℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 7.5
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 1500円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:0010:00 - 16:00
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2. 姥子温泉 秀明館(神奈川県足柄下郡箱根町)

姥子温泉 秀明館は、標高885mの箱根・姥子の森に佇む、明治35年(1902年)創業の湯治宿。その歴史は古代にまで遡り、金太郎の母・山姥がこの湯で目を洗ったところたちまち完治したという伝説から、「日本三大眼の温泉」のひとつに数えられてきた。 最大の魅力は、注連縄が掛けられた岩盤の裂け目から直接湧き出す「足元湧出泉」。加水・加温・消毒を一切行わない完全な天然温泉で、夏の梅雨時には毎分約3,000リットルもの湯が溢れ出す。泉質は単純温泉(pH3.3の弱酸性)。透明感のある湯は肌にやわらかく、酸性泉特有のさっぱりとした浴感が特徴だ。 大正時代の木造建築をそのまま活かした趣深い空間に、1日わずか15人ほどの入浴客のみを静かに迎え入れる。広告も食事提供も一切なし。ただ湯と向き合うための場所として、伝統的な湯治スタイルを今に伝えている。薄暗い浴室で岩盤から湧き上がる湯に身を沈める体験は、箱根のどの温泉とも異なる原初的な感動がある。温泉通の間では「箱根でもっとも本物の温泉」と称される所以だ。
泉質
単純温泉
温度
42℃ ~ 44℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 3.3
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 1500円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:00休業10:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:0010:00 - 17:00
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3. 吉池旅館(神奈川県足柄下郡箱根町)

吉池旅館
吉池旅館 - 画像 1
箱根湯本、箱根登山鉄道箱根湯本駅から徒歩7分の場所に位置する吉池旅館は、旧岩崎家(三菱財閥)の別邸だった敷地を受け継ぎ、約1万坪の広大な回遊式日本庭園「山月園」を有する老舗旅館です。庭園の中心には旧岩崎家別邸の建物も保存されており、四季折々の景観を楽しみながら湯めぐりができる点が大きな魅力です。 最大の特徴は、箱根屈指と称される豊富な自家源泉です。湯本第12号・第72号・第84号・第89号・第99号・第112号泉という6本の自家源泉を有し、最大で毎分720リットルもの湯量を誇ります。源泉温度は43℃から80℃と幅があり、各浴槽でブレンドしながら加水加温に頼らない「源泉かけ流し100%」の湯を提供しています。泉質はナトリウム-塩化物泉(pH8.4の弱アルカリ性)で、無色透明の湯は保温効果が高く、関節痛や神経痛、疲労回復などに効能があるとされています。 浴場は男性用に庭園露天風呂・大浴場(内湯)・洞窟風呂、女性用に庭園露天風呂・総ひのき風呂・御影石風呂を用意し、さらに45分3,300円で利用できる貸切風呂も2ヶ所備えています。庭園を望む開放的な露天風呂や、趣向を凝らした洞窟風呂など、性別を問わずさまざまな湯船で自家源泉を満喫できるのが吉池旅館ならではの贅沢です。 日帰り入浴は13:00〜22:00(最終受付20:00)に利用でき、料金は大人2,250円、小人(2歳〜小学生)1,650円(別途入湯税50円)です。昼食付きプランを利用すると入浴料が割引になるほか、バスタオルは無料で貸し出され、フェイスタオルや浴衣もレンタル可能です。無料駐車場は65台分(屋根付きあり)用意されているため車でのアクセスもしやすく、新宿から小田急ロマンスカーを利用すれば箱根湯本駅まで約85分、駅からは徒歩7分と好立地です。宿泊はもちろん、日帰りでも箱根の湯めぐりと庭園散策をゆったり楽しみたい人におすすめの一軒です。
泉質
ナトリウム-塩化物泉
温度
43℃ ~ 80℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 8.4
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 2250円/子供 1650円
営業時間
月火水木金土日祝
13:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:0013:00 - 22:00
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4. 芦之湯温泉 きのくにや(神奈川県足柄下郡箱根町)

正徳5年(1715年)創業、300年を超える歴史を持つ箱根芦之湯の老舗旅館。明治天皇の行在所(あんざいしょ)としての栄誉を賜り、多くの文人墨客に愛されてきた名門である。約3千坪の敷地に15本の源泉と大小15の湯船を有し、泉質の異なる天然硫黄泉と炭酸水素塩泉の2種類の湯を楽しめる。メタケイ酸を139mg含有する「美肌の湯」としても名高い。 本館の「湯香殿」では白濁した硫黄泉を、別館の「貴賓殿」では澄んだ炭酸水素塩泉をそれぞれ堪能できる。宿泊者限定の貸切風呂「正徳の湯」は創業当時の湯殿を再現した趣深い空間である。日帰り入浴も1,000円で2時間利用可能と手頃で、箱根の喧騒を離れた静かな山間に位置する芦之湯ならではの落ち着いた時間を過ごせる。
泉質
単純硫黄泉
温度
40℃ ~ 43℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 7
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 1000円
営業時間
月火水木金土日祝
15:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:0015:00 - 10:00
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5. 芦之湯温泉 松坂屋本店(神奈川県足柄下郡箱根町)

寛文2年(1662年)創業、歌川広重の浮世絵にも描かれた箱根屈指の老舗旅館。標高約870メートルの芦之湯は、江戸時代に「箱根七湯」のひとつに数えられた名湯で、2015年に神奈川県初の国民保養温泉地に指定された。最大の魅力は、三大美肌泉質といわれる硫黄泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉の成分がバランスよく含有された全国的にも稀有な泉質にある。浅さ60メートルほどの地点から毎分約260リットルが湧出し、加水・加温なしの100%源泉かけ流しで提供される。温度や天候により湯の色が変化する神秘性も特筆に値する。四千坪の敷地に趣の異なる6つの館22室が点在し、箱根の喧騒とは無縁の静寂に包まれた空間が広がる。360年以上の歴史を刻む湯殿は、箱根で最も本格的な温泉文化を体験できる場所のひとつである。
泉質
硫黄泉
温度
40℃ ~ 65℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 7
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 不可
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訪問前に確認すること

箱根の温泉は、カルデラの内と外に散らばっている。効率よく回るなら、箱根登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・芦ノ湖の遊覧船・路線バスが乗り放題になる「箱根フリーパス」が使いやすい。車でも回れるが、週末や紅葉の時期は道路が混みやすい。大涌谷では火山活動の状況によって立ち入りや交通が規制されることもある。

【底倉・宮ノ下】 底倉温泉の函嶺は、早川が刻む渓谷沿いにある。宮ノ下や小涌谷からのアクセスがよく、日帰り入浴を受け付けている。

【姥子・大涌谷】 姥子温泉の秀明館は、ロープウェイの姥子駅にほど近い高台に立つ。金太郎の母である山姥が子の目を洗ったという伝説から、古くは眼の湯として知られてきた。自然に湧く湯を大きな岩風呂に引く立ち寄り湯だ。

【仙石原】 吉池旅館は、ススキの草原で知られる仙石原にある。広い日本庭園を備えた宿で、日帰り入浴にも対応している。

【芦之湯】 芦ノ湖と箱根峠へ向かう高所の芦之湯には、七湯以来の宿が二軒残る。きのくにやは日帰り入浴を受け付けており、芦之湯は箱根では数少ない硫黄の香りを伴う湯だ。同じ芦之湯の松坂屋本店は宿泊者向けの湯で、日帰り入浴は行っていない。

よくある質問

箱根の日帰り温泉は予約が必要ですか?

立ち寄り湯を随時受け付ける宿もあれば、姥子温泉 秀明館のように受付時間や利用方法が定められている湯もある。人数の多い日や繁忙期は制限がかかることもあるため、行きたい施設の公式情報を事前に確認してください。

公共交通だけで箱根の温泉はめぐれますか?

箱根湯本駅を起点に、箱根登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・路線バスを乗り継げば、車がなくても主要エリアを回れる。これらが乗り放題になる箱根フリーパスを使うと、姥子や芦之湯、仙石原へのバス移動もまとめて計画しやすい。

箱根の温泉の泉質はどのようなものですか?

箱根は湧く場所ごとに泉質が異なる。肌になじむ単純温泉のほか、塩化物泉や硫酸塩泉、芦之湯のように硫黄の香りを伴う湯、大涌谷の噴気からつくる白濁の造成泉まで幅広い。同じ箱根でもエリアを変えると、湯の色や肌触りが変わるのが特徴だ。

日帰りで箱根の湯めぐりはできますか?

できる。本記事の底倉温泉 函嶺、姥子温泉 秀明館、吉池旅館、芦之湯温泉 きのくにやは、いずれも日帰り入浴に対応している。ただし芦之湯温泉 松坂屋本店は宿泊者向けのため、日帰りでの利用はできない。

※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。

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