芦之湯温泉 松坂屋本店
温泉概要
寛文2年(1662年)、伊勢国出身の勝俣清左衛門が箱根の山中に湯治場を拓いたことに始まる松坂屋本店は、360年を超える歴史を刻む箱根屈指の老舗旅館である。芦之湯の地名が文献に初めて登場するのは弘安3年(1280年)まで遡り、江戸時代には「箱根七湯」のひとつとして東海道を往来する旅人たちに親しまれた。歌川広重が浮世絵に描き、明治期には木戸孝允と西郷隆盛の歴史的会見の舞台となり、勝海舟や山岡鉄舟が逗留し、乃木大将の直筆宿帳が今も残る。大正天皇が滞在した離れ「洗心亭」や、三菱財閥・岩崎家の別邸を移築した「春風荘」など、各時代の名残が敷地のそこかしこに息づいている。
松坂屋本店の源泉「芦刈の湯」は、温泉愛好家を唸らせる全国的にも稀有な泉質を誇る。三大美肌泉質と称される硫黄泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉の成分がひとつの源泉にバランスよく含有されており、毎分約200リットルが地下わずか60メートルほどの浅い地点から湧き上がる。加水・加温・循環を一切行わない100%源泉かけ流しで提供されるため、大地の恵みをそのまま肌で感じることができる。大浴場の2つの湯船には同じ源泉が注がれているにもかかわらず、注がれたばかりの湯は透明感ある深緑色に、時間が経った湯は酸化により白濁へと変化する。天候や気温によっても色合いが移ろうその神秘性は、何度訪れても新鮮な驚きを与えてくれる。
四千坪の広大な敷地には、趣の異なる6つの館が点在し、全22室という贅沢なゆとりが保たれている。二千坪の野趣あふれる庭園を眺めながら過ごす客室は、箱根の喧騒とは無縁の静謐な時間を約束する。露天風呂付きの「芦刈荘」では、源泉かけ流しの湯に浸かりながら四季折々の庭園美を堪能できる。夕食は、箱根が宿場町として賑わった往時と文明開化の時代をイメージした「宿場会席」。季節の食材をふんだんに盛り込んだ繊細な料理が、旅の夜を彩る。朝食には、旅人の滋養を願う心が込められた麦とろろを中心とした「旅人朝食」が供される。
2015年に神奈川県で初めて国民保養温泉地に指定された芦之湯は、標高約870メートルに位置し、箱根のなかでも清涼な空気に包まれた静かな湯治場である。春は新緑の芽吹き、夏は深い緑陰、秋は燃えるような紅葉、冬は凛とした雪景色と、四季それぞれの表情が美しい。芦ノ湖まで車で約8分という立地ながら、観光客で賑わうエリアとは一線を画した穏やかな環境が広がる。箱根湯本駅から登山バスで約25分、東芦之湯バス停から徒歩3分と、公共交通でのアクセスも良好である。宿泊専用の旅館であるため日帰り入浴はできないが、だからこそ守られる静寂と上質な空間が、360年の時を超えて受け継がれる本物の温泉文化を体感させてくれる。
秘湯度
総合得点
やや秘湯
アクセス
景色
温泉
温泉情報
| 泉質 | 硫黄泉 |
| 温度 | 40℃ ~ 65℃ |
| 方式 | 源泉かけ流し |
| pH値 | pH 7 0714 酸性中性アルカリ性 |
泉質
温度
方式
pH値
基本情報
| 宿泊 | 可 |
| 日帰り | 不可 |
宿泊/日帰り
宿泊
Accommodation
日帰り入浴
Day Use
訪問記録
浴槽タイプ
施設・設備
アクセス
地図
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