【秘湯】山形の秘湯10選 - 日本屈指の秘湯・温泉をご紹介!

秘湯

山形県は、全35市町村のすべてに温泉が湧く「温泉王国」である。奥羽山脈と朝日・飯豊の山々、そして庄内の平野。地形の変化に富んだこの県には、置賜(おきたま)・村山・最上・庄内という四つの地域それぞれに、性格の異なる湯が湧いてきた。

なかでも県南の米沢は、吾妻連峰の懐に「米沢八湯」と呼ばれる山の秘湯群を抱える。標高1,300メートル、県内最高所の姥湯温泉をはじめ、樹齢250年の栗の木をくり抜いた湯船を持つ新高湯温泉、渓谷のつり橋を渡ってたどり着く大平温泉など、いずれも源泉かけ流しの一軒宿・小宿が、山ふところに点在している。多くは車を降りてなお歩き、冬は雪に閉ざされる。アクセスの困難さと引き換えに、湯と自然を独り占めできるのが、この一帯の秘湯である。

米沢を離れて北へ向かえば、湯治文化の色濃く残る宿が待つ。開湯1,200年の肘折温泉、大正ロマンの街並みで名高い銀山温泉、義経伝説の残る瀬見・赤倉といった最上の湯。さらに庄内へ下れば、藤沢周平の故郷・鶴岡の奥座敷である湯田川温泉や、月山山麓の湯の瀬温泉が、平野を潤す静かな一軒宿として湯を守り続けている。

今回は、山形県内で「泊まれる秘湯宿」——源泉かけ流しを軸に、宿泊とセットで湯を味わえる宿を中心に厳選した。まず米沢の山湯を巡り、村山・最上の湯治場を経て、庄内の名湯へと北上する順に紹介する。日帰りで立ち寄れる湯も末尾に添えた。


1. 姥湯温泉(山形県米沢市)

姥湯温泉
姥湯温泉 - 画像 1
吾妻連峰の大日岳と薬師岳に挟まれた標高1,300メートル、山形県内で最も高所に位置する秘湯。開湯は天文2年(1533年)と伝えられ、約500年の歴史を誇る。桝形屋の初代が山師として金山を探している際、山姥に教えられて発見したという伝説が宿名の由来となっている。 三方を奇岩奇石が聳え立つ絶壁に囲まれた混浴露天風呂「山姥の湯」は、他では味わうことのできない絶景が広がる。内湯は男女別の檜風呂、露天風呂は3つあり、すべて源泉かけ流し。乳白色の温かみのある湯が特徴で、春の新緑、夏の避暑、秋の紅葉と四季折々の魅力がある。 駐車場から宿までは徒歩15〜20分の山道を歩く必要があり、まさに秘湯中の秘湯といえる。建物は2004年から翌年にかけて新築改装され、山小屋風のおしゃれな佇まいとなっている。
泉質
含鉄泉
硫黄泉
温度
---℃ ~ 50℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 2.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 700円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
09:30 - 15:30◯09:30-15:00◯◯◯◯◯◯
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2. 新高湯温泉 奥白布 吾妻屋旅館(山形県米沢市)

新高湯温泉は、山形県米沢市の南部、吾妻連峰・西吾妻山の中腹、標高1,126メートルに湧く一軒宿の湯である。白布温泉のさらに奥、最上川源流域の深い山中にあり、その名のとおり白布よりも高所に位置することから「新高湯」と呼ばれる。源泉は文政年間に阿部又右衛門が発見し、湯に浸かって病が癒えたと伝わる。明治35年(1902年)に旅館として開かれて以来、吾妻屋旅館は「日本秘湯を守る会」の会員宿として、山を越えて訪れる湯客を迎え続けてきた。 湯の質は、この宿の何よりの誇りである。泉質は含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉、旧称を石膏硫化水素泉といい、pHは7.0の中性、源泉温度は55.6度に達する。裏山から毎分約170リットルが自然に湧き出し、木の樋を伝って各浴槽へと注がれる。加温も加水も循環も塩素消毒も行わない、正真正銘の100パーセント源泉かけ流しだ。湯は無色からうっすらと白濁し、鼻をかすめる硫黄の香りが、山の湯であることを静かに告げる。 吾妻屋の看板は「五つの絶景露天風呂」である。総ヒバ造りの男女別内湯に加え、眺望露天、木の根に囲まれた根っこ風呂、最上川源流の滝を望む滝見風呂、そして貸切で味わえる大樹風呂が点在する。露天からは正面に兜山(標高1,199メートル)がそびえ、初夏の新緑、秋の紅葉、そして冬には2〜3メートルもの雪に囲まれた雪見露天へと、四季それぞれに表情を変える。混浴が基本だが女性専用の時間帯も設けられ、山の湯をゆったりと楽しめる。 訪れるなら、宿泊がおすすめだ。木造3階建て全13室のこぢんまりとした宿で、夕食には米沢牛をはじめ地の素材を生かした料理が並ぶ。1泊2食付きで1名17,500円ほどから。日帰り入浴も露天のみ大人700円で行われてきたが、冬季は休止で近年は当面休業との案内もあり、訪問前の電話確認が欠かせない。冬は天元台の駐車場から宿の送迎を使うのが安全で、豪雪の中の雪見露天はこの秘湯ならではの体験である。米沢の市街や上杉神社、天元台高原の登山とあわせて、山懐の湯を訪ねてみたい。
泉質
含硫黄-カルシウム硫酸塩泉(硫化水素型)
温度
40℃ ~ 55℃
湧出
自然湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 7
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 不可
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3. 大平温泉 滝見屋(山形県米沢市)

大平温泉 滝見屋
引用: 大平温泉 滝見屋 HP
米沢市の南、西大巓や藤十郎などの峰を擁する吾妻連峰の山中、標高1,050メートルに位置する秘湯中の秘湯。貞観2年(860年)に狩人によって発見されたと伝わり、1,100年以上の歴史を持つ。最上川の源流にのぞみ、胃腸によく効くことで名高い。 車でのアクセスは不可能で、駐車場から山道を歩くこと15〜20分、谷にかかるつり橋を渡ってようやく到着する。往きは下り道だが、帰りは登り坂で約30分かかるため、宿泊してゆっくり過ごすのがおすすめ。 最上川源流の渓流沿いにある自然石を積み上げた露天風呂からは、四季折々の渓谷美が望める。内湯からは名勝「火焔の滝」をのぞむことができ、露天風呂と異なる源泉を引いている。周りの自然を独り占めしたような環境で、山の一夜は忘れられない思い出となる。
泉質
カルシウム-硫酸塩泉
含石膏硫化水素泉
温度
---℃ ~ ---℃
供給
源泉かけ流し
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1000円/子供 500円
営業時間
月火水木金土日祝
09:30 - 15:30◯◯◯◯◯◯◯◯
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4. 白布温泉(山形県米沢市)

泉質
含硫黄・カルシウム-硫酸塩温泉
温度
57℃ ~ 60℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 7.3
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 700円/子供 350円
営業時間
月火水木金土日祝
11:00 - 16:00◯◯◯◯◯◯◯◯
宿泊予約はこちら
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5. 小野川温泉 高砂屋(山形県米沢市)

小野川温泉は、承和3年(836年)に小野小町が父の行方を訪ねて京から東北へ向かう途中、病に倒れた地で偶然湧き湯を見つけたという開湯伝説を持つ古湯である。戦国の世には伊達輝宗・政宗父子も湯治に通ったと伝わり、その歴史は1,200年近くに及ぶ。高砂屋はこの温泉街に江戸時代以前から続く老舗宿で、現在は「五つの心の宿 高砂屋」として静かな湯宿の趣を守り続けている。 湯は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。高砂屋では77.6℃の4号源泉と34.9℃の5号源泉という二つの自家源泉を持ち、その日の季節や天候に合わせて二つの湯を絶妙にブレンドすることで、加水も加温もしない源泉100%かけ流しを実現している。硫黄やミネラルに加え、化粧水にも配合される保湿成分メタケイ酸を豊富に含むため、湯上がりの肌はしっとりと滑らかになり、古くから美肌の湯として名を馳せてきた。 2024年10月のリニューアルにより、館内は全5室すべてに半露天風呂を備えた贅沢な造りへと生まれ変わった。檜が香る大浴場と露天風呂、二人だけで湯浴みを楽しめる貸切露天風呂「小町の湯」、温泉熱を利用したサウナ、さらに岩盤浴「ときのへや」まで揃い、湯めぐりだけで一日を過ごせる。湯上がりには足湯カフェで温泉ソフトクリームを味わうのも小野川ならではの愉しみだ。 夕食には米沢牛をはじめとする置賜の旬の幸が供され、料理と温泉の両面から満たされる滞在となる。米沢駅からはバスで30〜40分、車なら東北中央自動車道米沢中央ICから約25分とアクセスも良い。毎年6月から7月にかけては温泉街の水路にゲンジボタル・ヘイケボタルが舞う「ほたる祭り」が開かれ、初夏の夜を幻想的に彩る。少人数でゆったりと名湯を味わいたい人に薦めたい宿である。
泉質
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 6.9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 1600円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
14:00 - 20:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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6. 志津温泉 まいづるや(山形県西村山郡西川町)

山形県のほぼ中央、月山の山麓に広がる月山志津温泉は、かつて山形と庄内平野を結んだ「六十里越街道」の要衝に位置する。修験と登山の道が交わるこの地に湯が湧いたのは平成元年(1989年)と比較的新しく、出羽三山を目指す登山者や、豊かな自然を求める旅人の基地として静かな人気を集めてきた。その一角に佇むまいづるやは、客室わずか13室のこぢんまりとした宿で、日本秘湯を守る会の会員として素朴なもてなしを守り続けている。 まいづるやの湯は、ナトリウム-塩化物泉である。源泉の温度は12.6℃と冷たく、加温・加水のうえ、給湯口を含む循環ろ過と一部かけ流しを併用して湯船へと導かれる。塩化物泉ならではの保温効果に加え、慢性皮膚病や神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復などへの効能が伝えられ、肌をやわらかく包み込む「美肌の湯」として親しまれている。派手さはないが、月山の伏流水がもたらす山の湯らしい滋味が魅力である。 浴場は内湯を中心としたシンプルな造りで、飾り気のない湯屋がかえって山宿らしい落ち着きを漂わせる。夕げには月山の山菜やきのこ、地元のブランド牛のしゃぶしゃぶといった季節の恵みが並び、素朴ながら滋味あふれる食卓が旅の疲れを癒やす。ロビーからは月山の写真が旅情を誘い、こぢんまりとした宿ならではの家庭的な空気が流れる。 日帰り入浴は大人500円・子供300円で利用でき、月山登山や周辺散策の途中の立ち寄り湯にも重宝する。雪深い立地のため営業期間は4月上旬から10月末までで、冬季は休業する。アクセスは山形自動車道・月山ICから国道112号経由で約10分と良好だが、公共交通機関の便は限られるため車での来訪が現実的だ。新緑から紅葉まで、月山の四季を体感する旅の宿として訪れたい一軒である。
泉質
ナトリウム-塩化物泉
供給
一部かけ流し
加温
加温あり
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 300円
営業時間
24時間営業
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7. 肘折温泉 湯宿 元河原湯(山形県最上郡大蔵村)

泉質
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
温度
38℃ ~ 69℃
方式
源泉かけ流し
pH値
pH 7
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 600円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
09:00 - 20:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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8. 瀬見温泉 喜至楼(山形県最上郡最上町)

瀬見温泉は、山形県最上町を流れる小国川のほとりに湧く古湯であり、その発見には源義経と弁慶の伝説が語り継がれている。兄・源頼朝の追討を逃れて奥州平泉を目指した義経一行が、この地で義経の子・亀若丸を産んだ際、弁慶が産湯を求めて谷を下り、川辺に湧く湯を見つけたのが始まりと伝わる。その一軒宿として明治期から続く喜至楼は、木造三階建ての本館をはじめ、大正・昭和と時代ごとに増築された建物が現役で使われ、館内は「明治・大正・昭和を一度に歩ける」と評される稀有な空間である。 喜至楼の湯は、ナトリウムを主成分とする塩化物・硫酸塩泉である。源泉温度は約66℃と高く、pHは7.4前後の中性から弱アルカリ性を示す。地中から湧き上がった湯は灰緑色に濁り、ほのかな温泉臭をまとう。基本は源泉かけ流しで、高温の湯には調節水を加えて浴槽ごとに湯加減を整えている。関節痛や神経痛、婦人病などへの効能が伝えられ、湯上がりの温まりの良さは名物「あたたまり湯」の名にも表れている。 最大の見どころは、直径約5.5メートルの円形浴槽「ローマ式千人風呂」である。中央にそびえる石柱から源泉と調節水が注がれる混浴の大浴場で、その荘厳な佇まいはレトロ建築ファンを魅了してやまない(女性専用の時間帯も設けられている)。このほかにも、熱めの「あたたまり湯」、別館の「オランダ風呂」、岩風呂、患部を蒸気で温める古式ゆかしい「ふかし湯」など、趣の異なる浴室が点在し、館内を巡るだけでも湯めぐりの楽しみがある。 喜至楼へは、JR陸羽東線の瀬見温泉駅から徒歩八分ほどでたどり着ける。宿泊は一泊二食付きでおよそ八千円台からと手頃で、山形の地元食材を用いた料理が供される。日帰り入浴も大人五百円で受け付けており、混浴のローマ式千人風呂や岩風呂を気軽に味わえる。渓谷沿いに位置するため、新緑や紅葉の季節は周囲の景観も美しい。歴史ある木造建築ゆえ館内には段差も多く、ゆっくりと時代の空気を味わいながら巡りたい。
泉質
ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 7.4
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 ---円
営業時間
24時間営業
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9. 赤倉温泉 湯守の宿 三之亟(山形県最上郡最上町)

山形県最上郡最上町、清流・小国川のほとりに佇む赤倉温泉は、貞観5年(863年)に天台宗の高僧・慈覚大師円仁が発見したと伝わる古湯である。数ある宿のなかでも湯守の宿 三之亟は、明治24年(1891年)の創業以来、源泉を守り継いできた老舗だ。象徴である大岩風呂は、今から約300年前、初代・髙橋三之亟が巨大な天然の一枚岩を手作業でくり抜いて造り上げたと伝えられ、その労苦の結晶が現在も現役の浴槽として湯客を迎えている。宿は「日本秘湯を守る会」の加盟宿であり、湯そのものを主役とする姿勢が全国の温泉愛好家に支持されている。 三之亟の湯は、自家源泉2本から惜しみなく注がれるカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉である。pH8.2の弱アルカリ性で、源泉温度は62.3℃という高温を誇る。特筆すべきは、大岩風呂が浴槽の底に空いた岩の割れ目から源泉が直接湧き上がる「足元湧出」であること。ポンプや配管を介さず、地中から生まれたばかりの湯にそのまま身を沈められる浴槽は全国でも数えるほどしかなく、空気に触れて劣化する前の鮮度の高い湯を体感できる。無色透明で肌当たりはやわらかく、神経痛や筋肉痛、冷え性、疲労回復への効能が伝えられている。 浴場は、深湯・高湯・中湯の3つの湯溜まりを持つ大岩風呂を中心に構成される。深湯では足元から立ち上る源泉の気配を感じ、打たせ湯の高湯では肩や腰をほぐすことができる。小国川を見下ろす露天風呂は屋根付きで、雨や雪の日でも川のせせらぎを聞きながら湯浴みが叶う。さらに40分制の貸切「ひょうたん風呂」もあり、家族や連れとの湯浴みに向く。館内は旧館山側・旧館渓流側・新館に分かれ、最上地域の旬の食材を用いた田舎料理が旅の楽しみを添える。 宿泊は1泊2食付8,250円からと秘湯宿としては手頃で、日帰り入浴も大人500円・小学生300円、10:00〜16:00で受け付けている(清掃や貸切の時間帯は不可の場合があるため事前確認が安心だ)。車なら東北中央自動車道 尾花沢ICから約35分、東北自動車道 古川ICから約60分。公共交通ではJR陸羽東線 赤倉温泉駅から無料送迎が利用でき、駅から宿までは約10分。周辺には赤倉温泉スキー場や鳴子峡、銀山温泉が控え、四季を通じて訪ねやすい。
泉質
カルシウム-硫酸塩泉
ナトリウム-硫酸塩泉
湧出
足元湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 8.2
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 300円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 16:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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10. 蔵王温泉 おおみや旅館(山形県山形市)

山形市の南東、標高約880メートルの高原に湯けむりを上げる蔵王温泉は、西暦110年頃に日本武尊の東征へ随行した吉備多賀由(きびのたがゆ)が発見したと伝わる、開湯1900年の歴史を誇る東北屈指の古湯である。当初は発見者の名にちなみ「多賀由温泉」と呼ばれ、それが転じて「高湯」、さらに霊峰蔵王の名を冠して「蔵王温泉」となった。おおみや旅館は、その温泉街の中心に位置する創業1000年以上とも伝わる老舗であり、蔵王の歴史そのものを見つめ続けてきた宿である。 蔵王の湯を語るうえで欠かせないのが、その強烈な酸性度である。おおみや旅館が引く近江屋2号源泉は、泉質が酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉、pHはわずか1.9という全国でも有数の強酸性泉だ。自然湧出する53.3℃の源泉を加温・加水せず100%かけ流しで湯船に注ぎ、硫黄の香りが漂う乳白色の湯が肌を包む。強い殺菌力を持つこの湯は古くから「傷に効く」と言われ、きりきず・やけど・慢性皮膚病などへの効能で知られる。ぴりりと刺激的な肌ざわりの奥に、じんわりと芯まで温まる力を秘めた、蔵王ならではの名湯である。 浴場は、木の温もりに包まれた「玉子温泉」をはじめ、源泉風呂・泡風呂、そして開放感あふれる源泉露天風呂、さらに足湯まで揃う。何より特筆すべきは館内の佇まいで、全館畳敷きの床は素足で歩く心地よさに満ち、大正ロマンを感じさせるレトロな意匠と竹久夢二の版画が随所を彩る。エレベーターのない階段づくりの造りもまた、時が止まったかのような懐かしさを旅人に伝える。強酸性の湯と、時代を超えた宿の風情。この二つが響き合うところに、おおみや旅館ならではの魅力がある。 日帰り入浴は12:00〜14:00、大人880円で楽しめる。露天風呂は雪深い11月下旬から4月上旬まで冬期閉鎖となるため、露天を目当てにするなら新緑から紅葉の季節が狙い目だ。一方、冬は樹氷で名高い蔵王の白銀世界とセットで訪れる価値がある。アクセスは山形蔵王ICから車で約30分、JR山形駅からはバスで約45分。宿泊客には山形駅からの無料送迎バス(要予約)も用意される。強酸性の湯に身を浸し、レトロな畳廊下を歩けば、1900年の歳月が積み重ねてきた蔵王の湯の記憶が、静かに肌へと沁み込んでくるだろう。
泉質
酸性-含硫黄・(ナトリウム)-硫酸塩泉(硫化水素型)
温度
42℃ ~ 53℃
湧出
自然湧出
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 1.9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 880円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
12:00 - 14:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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11. 銀山温泉(山形県尾花沢市)

銀山温泉
銀山温泉
泉質
硫酸塩泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
温度
---℃ ~ 63℃
pH値
pH 6.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 ---円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
09:00 - 21:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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12. 湯田川温泉 隼人旅館(山形県鶴岡市)

湯田川温泉は、鶴岡市街の南西、金峰山の麓に湧く庄内屈指の古湯である。和銅5年(712年)、傷を負った一羽の白鷺が湯に浸かって傷を癒しているのを里人が見つけたのが始まりと伝わり、「白鷺の湯」の別名で親しまれてきた。庄内藩の時代には藩主の湯治場として重んじられ、「鶴岡の奥座敷」として静かな格式を保ってきた。その温泉街の一角に佇む隼人旅館は、創業三百年を超える老舗であり、幕末の戊辰戦争の折には新徴組ゆかりの宿として歴史の舞台にもなった一軒である。 湯田川の湯は、温泉街で1本の源泉を集中管理し、昭和11年(1936年)以来すべての宿と共同浴場へ分け隔てなく配られている。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉、いわゆる含石膏芒硝泉で、pHは8.6、源泉温度は42.2度。無色透明・無味無臭でありながら、肌に触れるととろりと柔らかく、湯上がりはしっとりと潤う。隼人旅館ではこの湯を加水も加温も循環もせず、湧いたままの源泉かけ流しで湯船に注ぐ。硫酸塩泉は「傷の湯」とも呼ばれ、切り傷や慢性皮膚病、動脈硬化などに良いとされてきた。 浴場は男女別の内湯で、こぢんまりとしながらも新鮮な湯があふれる贅沢な造りである。露天風呂はないが、そのぶん湯そのものの質に向き合える静けさがある。全8室、収容約50名という小規模な宿ゆえに、館内には家庭的で落ち着いた時間が流れる。夕餉には庄内平野の旬の野菜や日本海の幸を活かした郷土料理中心の和食会席が供され、素朴でありながら滋味深い庄内の食文化を味わうことができる。 隼人旅館は、湯田川温泉のなかでも予約なしで日帰り入浴を受け入れる宿として温泉ファンに知られている。日帰り入浴は大人500円、10時から20時までと利用しやすく、無料駐車場も20台分を備える。春は温泉街の梅林公園の梅と名物の孟宗竹、初夏の孟宗汁など、季節ごとの楽しみも多い。鶴岡市街の致道博物館や金峰山の散策とあわせて、庄内の旅の拠点として静かな湯宿の一夜を過ごすのにふさわしい一軒である。
泉質
硫酸塩泉
温度
40℃ ~ 42℃
湧出
動力揚湯
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 8.6
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 可
入浴料
大人 500円/子供 ---円
営業時間
月火水木金土日祝
10:00 - 20:00◯◯◯◯◯◯◯◯
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13. 湯の瀬温泉 湯の瀬旅館(山形県鶴岡市)

山形県鶴岡市の山あい、戸沢神子谷の静かな渓谷に佇む「湯の瀬温泉 湯の瀬旅館」は、周囲を深い緑に囲まれた一軒宿である。開湯の正確な時期は伝わっていないが、この地の湯はかつて温度の低い冷鉱泉であった。その湯に満足しなかった先代が、より本格的な温泉を求めて掘削を続け、1991年(平成3年)についに毎分800リットルもの高温泉を掘り当てた。これが現在の湯の瀬温泉の始まりである。古くは、神経痛に苦しむ老人が家人に背負われてこの湯を訪れ、数日後には自らの足で重い荷物を担ぎ、清々しい表情で山を下りていったという言い伝えも残されている。 湯の瀬旅館の湯は、pH9.3のアルカリ性単純温泉である。源泉温度は48℃と入浴に理想的で、加温・加水・循環を一切行わない天然温泉100パーセントの源泉かけ流しを実現している。毎分約800リットルという潤沢な湧出量があるからこそ、これほど広大な浴槽を新鮮な源泉のみで満たし続けることができる。無色透明でとろりとなめらかな肌触りのアルカリ性の湯は、神経痛や筋肉痛、関節痛、冷え性、慢性消化器病などに効くとされ、湯上がりの肌をしっとりと整えてくれる。 この宿最大の名物は、奥行き約23メートル・幅約13メートル・水深約1.2メートルという、まるでプールのような規模を誇る混浴大露天風呂である。ただ湯に浸かるだけでなく、立ったまま湯を楽しむ立ち湯や、水中を歩く歩行浴も体験でき、豊富な湯量を全身で味わえる。女性には湯浴み着の貸出があるため安心して混浴を楽しめるほか、大露天に繋がる内風呂や男女別の内湯も備わり、いずれも24時間入浴が可能だ。夕食には庄内の海の幸をふんだんに使った料理が供され、山あいの宿でありながら日本海の恵みを堪能できる。 湯の瀬旅館へは、山形自動車道鶴岡ICから国道7号線を経由して車で約25分。無料の専用駐車場が約30台分用意されている。公共交通機関の場合はJR鶴岡駅からバスで約30分だが、便数が限られるため事前の時刻確認が欠かせない。現在、日帰り入浴は休止されており、温泉は宿泊者専用となっている。宿泊は2名1室で税込23,400円からが目安。四季折々の渓谷美と広大な露天風呂、そして新鮮な源泉かけ流しをゆっくりと満喫したい人に、ぜひ訪れてほしい一軒宿である。
泉質
アルカリ性単純温泉
温度
42℃ ~ 48℃
供給
源泉かけ流し
加温
加温なし
pH値
pH 9.3
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 可/日帰り 不可
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日帰りで楽しむ

14. 蔵王温泉 大露天風呂(山形県山形市)

蔵王温泉 大露天風呂
蔵王温泉 大露天風呂 - 画像 1
泉質
硫黄泉
温度
---℃ ~ 50℃
供給
源泉かけ流し
pH値
pH 1.9
pH
0714
酸性中性アルカリ性
利用
宿泊 不可/日帰り 可
入浴料
大人 800円/子供 400円
営業時間
月火水木金土日祝
09:30 - 17:00◯◯◯◯◯09:30-18:0009:30-18:0009:30-18:00
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総まとめ——山形の秘湯を巡る前に

山形の秘湯は、置賜(米沢)・村山・最上・庄内という四つの地域に分けて計画すると回りやすい。それぞれ地形も気候も異なり、冬季休業の宿と通年営業の宿が入り混じる。まずはこの点を押さえておきたい。

【置賜・米沢の山湯】 吾妻連峰の懐に湧く「米沢八湯」は、山形の秘湯の中核である。標高1,300メートルの姥湯温泉は県内最高所の一軒宿で、駐車場から宿までは徒歩15〜20分の山道を歩く。三方を絶壁に囲まれた露天風呂は、まさに秘湯中の秘湯だ。新高湯温泉 奥白布 吾妻屋旅館は西吾妻の天元台山麓に建ち、複数の露天風呂を源泉かけ流しで楽しめる。冬季は宿の送迎車でのアクセスが基本となる。大平温泉 滝見屋は最上川の源流にのぞむ渓谷の宿で、車を降りてつり橋を渡って向かう立地。日帰りも受け付けるが、往復の山道を考えると宿泊でゆっくり過ごしたい。白布温泉は開湯700年余、奥州三高湯のひとつに数えられる古湯で、湯滝の落ちる浴槽で知られる。米沢の奥座敷・小野川温泉の高砂屋は、街なかにありながら源泉かけ流しを守る宿で、山中の秘湯とはまた違う湯町情緒を味わえる。いずれも米沢牛をはじめとする置賜の味覚も楽しみだ。

【村山・志津の月山山麓】 志津温泉 まいづるやは、月山の登山口にあたる西川町の湯。かつて出羽三山詣での旅人が越えた六十里越街道沿いに位置し、冬は豪雪に包まれる。夏の登山・トレッキングの拠点としても知られる山あいの一軒宿だ。

【最上・湯治場の系譜】 肘折温泉 湯宿 元河原湯は、開湯1,200年と伝わる湯治場・肘折にあり、銅山川の畔に建つ。自家源泉を持ち、展望風呂や川沿いの貸切風呂を備える。「日本で最も美しい村」に登録される大蔵村の自然と、春から秋の朝市も魅力である。小国川沿いの瀬見温泉 喜至楼は、義経・弁慶ゆかりと伝わる古湯に残る歴史的な木造宿。同じ小国川流域の赤倉温泉 湯守の宿 三之亟は、慈覚大師開湯と伝わる湯を守る宿で、川沿いの湯町の風情が残る。いずれも山峡の湯治情緒を今に伝える。

【村山・蔵王と銀山】 蔵王温泉 おおみや旅館は、pH1.5前後の強酸性硫黄泉で名高い蔵王温泉に建つ宿。「美人づくりの湯」と呼ばれる白濁の湯を源泉かけ流しで楽しめる。通年営業で、冬はスキーとあわせて訪れる人も多い。尾花沢市の銀山温泉は、大正ロマンの木造旅館が銀山川の両岸に立ち並ぶ温泉街。夜のガス灯に照らされた街並みは幻想的で、雪景色の美しさは格別だ。街並みそのものが目的地となる、山形を代表する湯である。

【庄内・鶴岡の名湯】 湯田川温泉 隼人旅館は、庄内・鶴岡の奥座敷として開湯1,300年を伝える湯田川温泉の宿。作家・藤沢周平の故郷にほど近く、春の孟宗竹(たけのこ)でも知られる里の湯だ。同じ鶴岡市でも山あいに湧く湯の瀬温泉 湯の瀬旅館は、月山山麓の静かな一軒宿。庄内の平野から山へ分け入った先で、素朴な源泉の湯を守り続けている。

【日帰りで】 蔵王温泉 大露天風呂は、渓流沿いに設けられた開放的な露天風呂で、宿泊はなく立寄り入浴のみ。春から秋にかけて開設され、200人規模で入れる大浴槽から森林浴を楽しめる。蔵王を訪れた際の立ち寄りにおすすめだ。

米沢八湯や志津など山間部の秘湯は、冬季休業となる宿が多く、春から秋が訪問の適期。一方、蔵王・銀山・肘折・庄内の宿は通年営業で、雪見の湯を楽しめる。エリアをまたいで巡る場合、置賜と庄内は同じ県内でも車で数時間離れているため、地域を絞って二泊三日以上で計画するのが現実的だ。

よくある質問(FAQ)

Q. 山形の秘湯を訪れるベストシーズンは? A. 米沢八湯(姥湯・大平など)や志津といった山間部の秘湯は、多くが4月下旬〜11月上旬の営業で、新緑と紅葉の頃が特に美しい。冬も湯を楽しみたいなら、通年営業の蔵王・銀山・肘折・庄内の宿がおすすめで、雪景色の中の入浴は格別だ。

Q. 車がなくても行けますか? A. 蔵王温泉や銀山温泉、庄内の湯田川温泉は公共交通と送迎でアクセスしやすい。一方、姥湯・新高湯・大平・志津といった山間の秘湯は、公共交通の便が限られ、冬季は送迎が必要な宿もある。事前に各宿へアクセス方法を確認したい。

Q. 日帰り入浴はできますか? A. 多くの宿が日帰り入浴を受け付けているが、時間帯や休止日は施設ごとに異なり、宿泊優先で日帰りを制限する日もある。確実に湯を楽しむなら宿泊がおすすめ。蔵王温泉 大露天風呂のように立寄り専用の湯もある。

Q. どのくらいの数を一度に巡れますか? A. 山形は南北に広く、置賜(米沢)・村山・最上・庄内は車で数時間離れている。無理に全県を回るより、1〜2地域に絞って二泊三日以上で巡るほうが、湯をじっくり味わえる。

※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ・アクセス等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。

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