香川の温泉6か所——湯使いで選ぶ讃岐の名湯
香川県は、瀬戸内海に面した温暖な気候と讃岐うどんで知られる。ただ、温泉地としての全国的な知名度はけっして高くない。火山を背後に控えた隣県のような豊富な湧出には恵まれず、県内の温泉資源は限られている。
それでも、讃岐平野の縁や山あい、瀬戸内に浮かぶ島には、性格の異なる湯が確かに点在する。だからこそ本記事では、数合わせの「10選」を無理に立てない。湯の由来と湯使いをきちんと確認できた6か所だけを厳選した。
香川の湯を語るうえで欠かせないのが、この「湯使い」の違いである。6か所すべてが源泉かけ流しというわけではない。かけ流しの湯もあれば、加温・ろ過をともなう循環式の湯もあり、湯づかいを公表していない宿もある。その別を正確に押さえることが、満足のいく一湯選びの近道になる。
歴史をたどると、香川の温泉は信仰や街道と深く結びついてきた。高松市塩江町の塩江温泉郷は、奈良時代の高僧・行基が開いたと伝わる県内最古の温泉郷とされる。琴平の門前町では、ことひら温泉 琴平花壇が1627年(寛永4年)の創業以来、こんぴら参りの参拝客を迎えてきた。さぬき市の旅館 竹屋敷は、四国八十八ヶ所霊場の結願(けちがん)の寺・大窪寺の門前に湯を構える。海を渡れば、小豆島の島宿真里が島の食と湯でもてなす。街道・門前・島という香川ならではの文脈を、湯とあわせて味わえる6か所である。
1. 仏生山温泉 天平湯(香川県高松市仏生山町)

| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11:00 - 24:00 | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | 09:00-24:00 | 09:00-24:00 | 09:00-24:00 |
2. 島宿真里(香川県小豆郡小豆島町苗羽)
3. 旅館 竹屋敷(薬師湯温泉)(香川県さぬき市多和)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 08:30 - 19:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
4. 湯山荘 阿讃琴南(美合温泉)(香川県仲多度郡まんのう町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 12:30 - 16:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
5. 新樺川観光ホテル べっぴんの湯(香川県高松市塩江町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:30 - 21:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
6. ことひら温泉 琴平花壇(香川県仲多度郡琴平町)
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 13:00 - 15:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
総まとめ——湯使いとエリアで読み解く讃岐の湯
香川の6か所を選ぶ際、まず手がかりにしたいのが湯使いの区分である。同じ「温泉」でも、源泉をそのまま注ぐ湯と、加温・ろ過をして循環させる湯とでは、体験の質が変わる。ここでは公表情報にもとづき、断定できる範囲だけを正直に整理する。
【源泉かけ流しが確認できる湯】 はっきり源泉かけ流しといえるのは2か所である。高松市仏生山町の仏生山温泉 天平湯は、市街地にありながら全浴槽を100%源泉かけ流しとする日帰り湯だ。加水・循環に頼らず、湧いた湯をそのまま浴槽へ流す湯づかいを掲げる。高松市中心部からのアクセスもよく、まず一湯という人に選びやすい。もう1か所は小豆島の島宿真里で、こちらは客室に付く風呂に自家源泉をかけ流す。館全体ではなく客室風呂での自家源泉かけ流しである点は、予約前に確認しておきたい。島の醤(ひしお)文化を映した料理とあわせ、宿泊してこそ味わえる湯といえる。
【循環式(加温・ろ過)の湯】 さぬき市の旅館 竹屋敷と、高松市塩江町の新樺川観光ホテル べっぴんの湯は、加温・ろ過をともなう循環式で湯を供給している。源泉かけ流しではないため、その前提で楽しみたい。ただし両施設の価値は湯使いだけにあるのではない。竹屋敷は四国八十八ヶ所の結願の寺・大窪寺の門前に建ち、遍路の締めくくりに立ち寄る宿として文化的な意味を持つ。べっぴんの湯が湧く塩江温泉郷は、行基の開湯と伝わる県内最古の温泉郷で、高松の奥座敷として親しまれてきた。歴史や立地を含めて評価したい2か所である。
【湯使い非公開の湯】 まんのう町の湯山荘 阿讃琴南(美合温泉)と、琴平町のことひら温泉 琴平花壇は、加温・加水・循環の有無を明確には公表していない。したがって本記事では「かけ流し」とも「循環」とも断定しない。阿讃琴南は土器(どき)川上流の静かな渓沿いに建ち、琴平花壇は1627年創業のこんぴら参道の老舗として金刀比羅宮参りの拠点になる。湯づかいが気になる場合は、予約時に直接問い合わせるのが確実だ。
エリアで見ると、6か所は高松市(天平湯・べっぴんの湯)、さぬき市(竹屋敷)、まんのう町・琴平町(阿讃琴南・琴平花壇)、そして小豆島(島宿真里)に分かれる。高松市街を起点にすれば、天平湯は市内、塩江のべっぴんの湯は車で山あいへ、さぬき市の竹屋敷はさらに東へと足を延ばす形になる。まんのう町・琴平町は県西部にまとまり、金刀比羅宮参りとあわせて回りやすい。小豆島の島宿真里だけは事情が異なり、高松港などからフェリーで海を渡る必要がある。船の便を先に押さえてから宿の予約を組むと計画が立てやすい。
香川は湯量こそ限られるが、街道・門前・島という土地の物語と結びついた湯が残る県である。「全部かけ流し」といった一般化はできないものの、湯使いの別を理解したうえで選べば、6か所それぞれに訪ねる理由が見えてくる。料金・営業時間・日帰り可否は施設ごとに異なるため、各温泉の個票と公式情報で最新の条件を確認してほしい。
※本記事に掲載している情報(入浴料金・営業時間・泉質データ等)は、リサーチ時点の情報をもとに作成しています。誤りや変更が生じている可能性もあります。最新の情報については、各施設の公式サイトや観光協会等でご確認ください。








