岐阜県の秘湯・野湯ガイド:奥飛騨から長良川まで厳選10湯

秘湯

岐阜県は、雄大な北アルプスの山懐に抱かれた奥飛騨温泉郷をはじめ、各地に魅力的な温泉が湧いている温泉王国です。今回は、野湯から宿泊可能な秘湯まで、岐阜県の個性豊かな温泉10選をご紹介します。

1. 新穂高温泉 槍見舘(岐阜県高山市)

3000m級の山々が連なる北アルプスの麓に位置する奥飛騨温泉郷。源泉数は140本を超え、全国でも有数の豊富な湧出量を誇る。その最奥、標高1,000mを越える場所に広がるのが、高原の温泉地・新穂高温泉だ。

槍見舘は、新穂高温泉を流れる清流、蒲田川沿いに佇む一軒宿で、大正14年(1925年)創業の老舗宿である。宿名のとおり北アルプスの名峰・槍ヶ岳を望む混浴露天風呂を有する。泉質は単純温泉で、色は透明。少し熱めの掛け流しの湯が、旅で疲れた体をほぐしてくれる。浴槽は槍ヶ岳を一望する「槍見の湯」のほか、4つの貸切露天風呂や、大きな窓から槍ヶ岳を望む内湯など8種類を備える。

夕食は季節ごとに旬の食材を使用した滋味溢れる郷土会席がメイン。また、「飛騨牛料理指定店」としても認定されており、特選飛騨牛の鉄板ステーキや朴葉みそステーキも好評だ。

  • 泉質:単純温泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯=2、露天=7
  • 源泉温度:63度
  • 加水・加温なし
  • 日帰り入浴:可(大人500円)
  • 宿泊:可
  • 営業期間:通年営業

2. 新穂高の湯(岐阜県高山市)

新穂高の湯
参考:奥飛騨温泉郷観光協会 HP

奥飛騨温泉郷の新穂高温泉にある野湯の代表格。蒲田川河畔に設けられた開放的な露天風呂で、旅雑誌の表紙を何度も飾ってきた名湯である。内湯やシャワーはなく、温泉を純粋に楽しむ素朴な露天風呂だ。

上に橋がかかるオープンな立地かつ、昔ながらの混浴スタイルで、女性は水着着用での入浴が推奨される。清掃協力金として300円程度を料金箱に入れて利用する。

  • 泉質:単純温泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:露天のみ(混浴)
  • 営業時間:例年4月下旬~10月30日の8:00~18:00
  • 料金:清掃協力金300円程度
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂

3. 荒神の湯(岐阜県高山市)

栃尾温泉にある日帰り入浴施設で、蒲田川のほとりに設けられた開放感抜群の露天風呂。男女別の脱衣場と露天風呂のみの無人入浴施設である。簡単な囲いがあり、中はそれなりに広く、川のほとりという立地のため開放感も抜群だ。

料金は寸志制で200円程度を料金箱に入れて利用する。女性用の露天風呂は目隠しがあるが、男性側は対岸から見える状態になっている。

  • 泉質:単純温泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:露天のみ(男女別)
  • 営業時間:8:00~22:00(月・水・金は清掃のため12:00より営業)
  • 料金:寸志(200円程度)
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾

4. 石動の湯(岐阜県高山市)

福地温泉にある日帰り入浴施設「昔ばなしの里」内の温泉。飛騨の素朴な山里風景が再現された古民家の中にあり、長閑な里山風景を眺めながら温泉を楽しめる。内湯と露天風呂を備えた源泉かけ流しの温泉で、単純硫黄泉のヌルスベ感のある湯が特徴。白い糸状の湯の花も舞っている。

館内では囲炉裏を囲んで五平餅や高山ラーメンなどを味わうことができ、併設の「福地化石館」では日本有数の化石産出地である福地から出土した貴重な化石を見学できる。

  • 泉質:単純硫黄泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯・露天風呂(男女別)
  • 営業時間:12:00~16:00
  • 定休日:水曜日
  • 料金:300円
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地110

5. ひらゆの森(岐阜県高山市)

奥飛騨温泉郷平湯温泉にある日帰り入浴施設。約1万5千坪の広大な敷地に男女合わせて16の露天風呂が点在し、開放感にあふれ、温泉浴・森林浴を思う存分味わえる。30人は入れるという広々とした内湯は湯治場的雰囲気が漂い、レトロ感たっぷりだ。

硫化水素臭が感じられ、白濁の湯舟や湯の花も見られる。鉄鍋を利用したユニークな貸切専用風呂もある。宿泊も可能で、合掌造りの古民家を移築した建物や森の中のコテージが用意されている。

  • 泉質:単純温泉(硫化水素臭あり)
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯・露天風呂16箇所
  • 営業時間:10:00~21:00(受付20:30まで)
  • 定休日:年中無休(メンテナンス休業有)
  • 料金:大人700円、小人500円
  • 宿泊:可
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763

6. 奥飛騨ガーデンホテル焼岳「うぐいすの湯」(岐阜県高山市)

新平湯温泉にある大型ホテルの温泉施設。珍しいエメラルドグリーン色に変化する「うぐいすの湯」が名物で、微生物を含む日本唯一の超深層温泉として知られる。地下から湧き出している温泉で、美人の湯としても評判だ。

館内には9つの浴場があり、流れ落ちる滝湯・打たせ湯の奥にある洞窟風呂「瀑泉洞」や、深さ1m20cmもある珍しい「立ち湯」など、趣の異なる湯船で湯めぐりを楽しめる。

  • 泉質:超深層水温泉
  • 源泉100%
  • 浴槽:9つの異なる浴場
  • 営業時間:12:00~22:00(最終受付21:00)
  • 定休日:不定休
  • 料金:900円(小学生未満は無料)
  • 住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根2498-1

7. 濁河温泉 湯元館(岐阜県下呂市)

標高1800mに位置する日本一標高の高い温泉宿。霊峰・御嶽山の懐に抱かれた秘湯で、御嶽山登山のベースとしても利用される。大自然に囲まれながら、こんこんと湧き出る極上の湯を源泉掛け流しで24時間いつでも利用できる。

飛騨の素材をふんだんに使った料理で、岐阜名産の飛騨牛や朴葉味噌焼きなど、この地ならではの美味しい素材を生かした料理を楽しめる。

  • 泉質:単純硫黄泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯・露天風呂
  • 24時間入浴可能
  • 宿泊:可
  • 住所:岐阜県下呂市小坂町落合2383

8. 藤助の湯 ふじや(岐阜県白川村)

白川郷平瀬温泉にある秘湯の宿。霊峰白山のふもとより湧き出る天然温泉で、古くから子宝の湯として親しまれている。世界遺産・白川郷合掌造り集落から南へ15kmの山間にあり、静寂に包まれた環境で温泉を楽しめる。

環境省指定国民保養温泉地にも指定されており、美容効果・婦人病に効能があるといわれる。白山への登山口でもあり、登山者の疲れを癒す湯として長年愛されている。

  • 泉質:単純温泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯・露天風呂
  • 宿泊:可
  • 住所:岐阜県大野郡白川村平瀬

9. 神明温泉 湯元すぎ嶋(岐阜県関市)

奥美濃の山深い板取川沿いにある秘湯の一軒宿。清流板取川を眺めながら入る露天風呂は格別で、四季折々の自然を楽しめる。古い日本家屋の趣を残した建物で、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような雰囲気を味わえる。

地元の山菜や川魚を使った郷土料理も自慢で、板取川の清流で育った鮎の塩焼きなど、里山の恵みを存分に堪能できる。

  • 泉質:単純温泉
  • 源泉かけ流し
  • 浴槽:内湯・露天風呂
  • 宿泊:可
  • 住所:岐阜県関市板取2956

10. 長良川温泉(岐阜市)

岐阜市内を流れる清流長良川沿いに湧く温泉。鉄分を多く含み、源泉は無色透明だが、空気に触れて徐々に赤い濁り湯に変化するのが特徴。温泉街からは眼下に雄大な長良川、見上げると金華山・岐阜城を望める絶好のロケーション。

毎年5月から10月まで開催される長良川鵜飼の観覧に便利で、1300年以上の歴史を持つ伝統的な鵜飼を間近で見学できる。温泉宿では鵜飼観覧とセットになったプランも多数用意されている。

  • 泉質:鉄泉
  • 浴槽:各施設により異なる
  • 日帰り入浴:施設により可
  • 宿泊:可
  • 特色:鵜飼観覧との組み合わせが魅力
  • 住所:岐阜県岐阜市長良周辺

まとめ

岐阜県の温泉は、奥飛騨温泉郷の雄大な自然に抱かれた秘湯から、歴史ある長良川鵜飼と組み合わせて楽しめる都市近郊の温泉まで、多彩な魅力を持っています。野湯の開放感、一軒宿の静寂、そして豊富な源泉が織りなす多様な泉質。どの温泉も、それぞれに異なる個性と魅力を持ち、温泉愛好家を魅了し続けています。

ぜひ岐阜県の秘湯・野湯を巡って、心身ともにリフレッシュしてください。


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