【2025年最新版】乳頭温泉郷完全ガイド|七湯めぐりで楽しむ秋田の秘湯

温泉

秋田県が誇る日本屈指の秘湯「乳頭温泉郷」。「おすすめしたい穴場温泉地」ランキングで第1位に選ばれ、「一度は行ってみたい」温泉地としても首位を獲得した話題の温泉地です。江戸時代から続く歴史ある湯治場の雰囲気を現代に残す、まさに日本の原風景と呼ぶにふさわしい温泉郷をご紹介します。

乳頭温泉郷とは|10種類以上の源泉を持つ奇跡の温泉地

乳頭温泉郷は、十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に点在する七湯の総称で、独自に源泉を持ち、その泉質は多種多様で乳頭温泉郷には十種類以上の源泉があります。この多様性こそが、乳頭温泉郷を日本でも類を見ない特別な温泉地にしている理由です。

基本情報

  • 所在地:秋田県仙北市田沢湖
  • 標高:600〜800m
  • 年間宿泊客数:約15万人
  • 歴史:江戸時代から続く歴史ある温泉郷
  • 特徴:pHの幅も酸性から弱アルカリ性まで幅広く、泉質の種類もお湯の数と同じだけ存在する、全国でもまれで貴重な温泉地

なぜ乳頭温泉郷が特別なのか

1. 歴史的価値 1668年頃から湯宿としての記録が残っていて、秋田藩主の湯治場としても使われていた乳頭温泉郷は、日本の温泉文化の歴史を体感できる貴重な場所です。

2. 自然環境 ブナの原生林で生まれたての酸素を深呼吸。地底から湧き出たばかりの温泉に浸かるという、都市部では味わえない極上の自然体験が可能です。

3. 泉質の多様性 一つの温泉郷で硫黄泉や硫化水素泉、カルシウム・マグネシウム硫酸塩泉、単純泉、重曹炭酸水素泉、ラジウム泉など、これほど多様な泉質を楽しめる場所は世界的にも珍しいとされています。

乳頭温泉郷七湯完全ガイド|それぞれの個性と魅力

組合加入7軒(鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村)の入浴が可能な乳頭温泉郷の七湯を詳しく解説します。

1. 鶴の湯温泉|乳頭温泉郷最古の名湯

鶴の湯温泉
鶴の湯温泉

歴史と特徴 乳頭温泉郷のなかでもっとも歴史のある温泉宿で、築100年を超す茅葺きの建物、杉皮葺きの湯小屋など歴史を感じつつ、温泉を楽しめるのが鶴の湯最大の魅力です。

温泉の特色

  • 源泉数:半径50m以内に泉質の異なる4つの源泉が湧いている
  • 泉質:白湯、黒湯、中の湯、滝の湯の4種類
  • 名物:乳白色の混浴露天風呂
  • 日帰り入浴料:大人700円、子供350円

おすすめポイント 鶴の湯オリジナルの味噌仕立てでつくられる山の芋鍋、たて焼きの岩魚塩焼きなどの郷土料理も必見です。

2. 妙乃湯温泉|女性に人気のモダンジャパニーズ

施設の特徴 乳頭温泉郷のなかでは数少ない洋室のある温泉宿で、5種類ある客室タイプの多くが2020年以降にリニューアルされ、快適な滞在が可能です。

温泉の特色

  • 源泉:泉質の異なる二つの自家源泉
  • 銀の湯:小さなお子さんや皮膚の弱い方、強い温泉が苦手な方向きの単純泉
  • 金の湯:鉄分や硫黄が若干含まれたマグネシウム・カルシウム硫酸塩泉
  • 日帰り入浴料:大人700円、子供350円

食事の魅力 季節により、春は山菜、夏は川魚、秋はさわもたし、まいたけ、なめこなどのキノコ類、冬は鰰(はたはた)と旬の食材をふんだんに使った料理が楽しめます。

3. 黒湯温泉|350年の歴史を誇る湯量豊富な名湯

歴史と規模 乳頭温泉郷随一の湯量と約350年の歴史を誇る「黒湯温泉」は、温泉郷の中でも特に重要な位置を占めています。

温泉の特色

  • 特徴:源泉が湧く「地獄」(湯畑)を見学できる
  • 泉質:硫黄泉
  • 日帰り入浴料:大人500円、子供250円
  • 営業期間:4月下旬〜11月上旬(冬季休業)

4. 蟹場温泉|ブナ林に囲まれた絶景露天風呂

自然環境 原生に囲まれた露天風呂で四季の移ろいを楽しめる「蟹場温泉」は、自然愛好家に特に人気の温泉です。

温泉の特色

  • 源泉数:3本の源泉
  • 露天風呂:ブナ林に囲まれた川沿いにあり、自然に溶け込んだ雰囲気
  • 泉質:弱アルカリ性の温泉で、ツルツル感としっとり感を持ち合わせたお湯
  • 日帰り入浴料:大人500円、子供250円

5. 孫六温泉|山の薬湯と呼ばれる秘湯

温泉の特色 山の薬湯と名高い「孫六温泉」は、療養効果が高いことで知られています。

施設情報

  • 源泉:唐子の湯、石の湯、混浴露天風呂、女性専用露天風呂の4カ所
  • 泉質:ツルツル感としっとり感があり、ほんのりと硫化水素の香り
  • 現状:2024年11月現在改装工事中、2025年春リブランドオープン予定

6. 大釜温泉|木造校舎を移築したユニークな宿

建物の特徴 1977年に焼失してしまい、建て替えで取り壊しになる秋田県由利本荘市にある小学校を建築資材として譲り受け、移築した珍しい温泉宿です。

温泉・施設

  • 特徴:木造校舎を移築したユニークさが光る「大釜温泉」は、隠れ家感のある雰囲気も魅力
  • 足湯:山登りやトレッキング、旅の疲れを癒す足湯。どなた様も自由にご利用頂けます。※夏季限定(4月1日〜10月末日まで)
  • 日帰り入浴料:大人500円、子供250円

7. 休暇村乳頭温泉郷|近代施設完備のファミリー向け

施設の特徴 「休暇村乳頭温泉郷」はキャンプ場など屋外施設やアクティビティも充実した近代的な施設で、ファミリーでの利用に最適です。

温泉・サービス

  • 温泉:2種類の天然温泉が楽しめる
  • 食事:日替わりで秋田の郷土鍋をはじめ、秋田の食材を使った「おたのしみビュッフェ」
  • 日帰り入浴料:大人500円、子供250円

湯めぐりの楽しみ方|お得に七湯を制覇する方法

湯めぐり帖(宿泊者限定)

基本情報

  • 料金:湯めぐり帖2,500円(こども1,000円)
  • 販売条件:乳頭温泉郷の宿泊客に限定して販売
  • 有効期間:購入から1年間の有効期間内であれば、7軒それぞれに1回入浴できる
  • 特典:乳頭温泉郷内を循環しているシャトルバス「湯めぐり号」に乗車できる

湯めぐりマップ(日帰り客向け)

基本情報

  • 料金:湯めぐりマップ(千円)
  • 内容:入浴料は含まれていませんが、購入日に限り「湯めぐり号」が1日乗り放題
  • 販売場所:各温泉施設のフロント

湯めぐりの効果と注意点

健康効果 七湯めぐりの温泉浴は万病に効くと言われておりますが、湯あたりには十分ご注意ください。

安全対策 乳頭温泉組合施設では、財団法人日本健康開発財団認定「温泉入浴指導員」資格を取得しており、温泉の一般的な正しい使い方を指導してくれるため安心です。

アクセス情報|東京から約3時間で到達可能

電車でのアクセス

最寄り駅:JR田沢湖駅

  • 東京駅から:JR東京駅から田沢湖駅まではおよそ2時間50分
  • 田沢湖駅から:田沢湖駅前バス停より羽後交通「乳頭温泉」行き路線バス・約50分
  • バス料金:片道820円

注意点 乳頭線のバスは1時間に一本のため、事前の時刻表確認が必要です。

車でのアクセス

主要ルート

  • 東北自動車道経由:首都圏から東北自動車道→盛岡IC→国道46号線経由約80分
  • 盛岡ICから:東北自動車道盛岡ICから国道46号線約90分

冬季の注意点 11月中旬から4月下旬まで積雪があるため、スタッドレスタイヤの装着が必須です。

飛行機でのアクセス

秋田空港から 秋田空港よりエアポートライナー「乳頭号」【空港からの乗車時間120分】事前予約が必要です。一日4便 片道6,000円

料金情報|宿泊・日帰り入浴の費用

日帰り入浴料金一覧

温泉名

大人料金

子供料金

営業時間

鶴の湯

700円

350円

10:00-15:00

妙乃湯

700円

350円

10:30-14:45

黒湯

500円

250円

09:00-16:30

蟹場

500円

250円

09:00-16:30

孫六

改装中

-

2025年春再開予定

大釜

500円

250円

09:00-16:30

休暇村

500円

250円

11:00-17:00

宿泊料金の目安

鶴の湯温泉

  • 湯治部:11,000円(大人1人/税込)〜
  • 本陣:14,850円(大人1人/税込)〜
  • 新本陣:17,380円(大人1人/税込)〜

おすすめの過ごし方|季節別楽しみ方ガイド

春(4月〜6月)

見どころ

  • 残雪とブナの新緑のコントラスト
  • 春は山菜を使った郷土料理
  • 渓流沿いの桜と温泉の組み合わせ

おすすめプラン

  1. 午前:鶴の湯の混浴露天風呂
  2. 昼食:妙乃湯で山菜料理
  3. 午後:蟹場温泉でブナ林散策

夏(7月〜9月)

見どころ

  • 青々としたブナ原生林
  • 夏は川魚の料理
  • 足湯(4月1日〜10月末日まで)で涼を取る

おすすめプlan

  1. 早朝:黒湯温泉で朝湯
  2. 午前:大釜温泉の足湯でリラックス
  3. 午後:休暇村でアクティビティ

秋(10月〜11月)

見どころ

  • 紅葉に囲まれた露天風呂
  • 秋はさわもたし、まいたけ、なめこなどのキノコ類
  • 温泉と紅葉の絶景撮影

おすすめプラン

  1. 午前:妙乃湯の金の湯で紅葉鑑賞
  2. 昼食:きのこ料理を堪能
  3. 午後:蟹場温泉の露天風呂で紅葉狩り

冬(12月〜3月)

見どころ

  • 雪見風呂の幻想的な風景
  • 冬は鰰(はたはた)など日本海の幸
  • 雪化粧した茅葺き屋根

注意点

  • 黒湯・孫六温泉は冬季休業
  • 道路の雪対策が必須

乳頭温泉郷の歴史と文化

江戸時代からの湯治文化

日本では、古くから病気療養のために温泉に長期滞在する、湯治という文化があった乳頭温泉郷は、その文化を現代に伝える貴重な場所です。

地域の結束力

2022年、7宿の一つである「孫六温泉」は後継者の不在や人材不足のため、事業の継続を断念するという最大のピンチに直面。これに対し他の宿が「乳頭温泉郷は七湯で一つ」「孫六温泉の灯を絶やすな」との思いで一致し、共同で出資するという形で、孫六温泉の経営を地域で受け継ぐことになったエピソードは、地域の絆の強さを物語っています。

グルメ情報|秋田の味覚を堪能

名物料理

きりたんぽ鍋 秋田の郷土料理「きりたんぽ」、比内地鶏や舞茸の出汁が効いたお鍋は必食です。

いぶりがっこ いぶした大根を漬物にした秋田名物「いぶりがっこ」は珍味として人気です。

温泉たまご 黒々とした卵に驚くかもしれないが、殻をむくと、淡い肌色でピカピカとしており、塩をかけて食べるとほのかに口の中に温泉の香りが広がる独特の味わいです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 混浴に抵抗がある場合はどうすればよいですか?

A1. 混浴に抵抗のある方は、宿泊がおすすめです。日帰り入浴客でにぎわう混浴の風呂も、朝や夜は宿泊者だけの時間。運がよければ貸切状態で湯が楽しめます。

Q2. 1日で七湯すべて回ることは可能ですか?

A2. 物理的には可能ですが、1日で泉質が異なる温泉のはしご湯は、体に負担のかかることを忘れないでほしい。少しでも疲れを感じたら、休憩したり、水分補給をしたり、入る湯を厳選したりしながら体調に気をつけて楽しんでほしいとされています。

Q3. 冬季でも全ての温泉に入れますか?

A3. 黒湯温泉と孫六温泉(現在改装中)は冬季休業となります。その他の5つの温泉は冬季も営業しています。

Q4. 予約なしでも日帰り入浴は可能ですか?

A4. 基本的に可能ですが、混雑時は待ち時間が発生する場合があります。また、宿泊客優先のため、時間帯によっては利用できない場合もあります。

まとめ|乳頭温泉郷で極上の温泉体験を

乳頭温泉郷は、七湯七色の表現通り、一つの温泉郷で多様な温泉体験ができる世界的にも珍しい場所です。江戸時代から続く歴史、豊かな自然環境、そして何より温泉そのものの素晴らしさが、多くの人々を魅了し続けています。

乳頭温泉郷を訪れる際のポイント

  1. 宿泊をおすすめ:湯めぐり帖の利用と朝夕の静かな時間帯の温泉を楽しむため
  2. 季節を選ぶ:新緑、紅葉、雪見風呂それぞれに魅力があります
  3. 時間に余裕を:せかせかせず、温泉本来の癒し効果を存分に味わいましょう
  4. 自然を大切に:貴重な自然環境を次世代に残すため、マナーを守った利用を

「おすすめしたい穴場温泉地」として多くの票が集まった乳頭温泉郷で、日本の温泉文化の真髄を体験してみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない温泉体験となることでしょう。


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この記事は2025年5月時点の情報を基に作成されています。料金や営業時間等は変更される場合がありますので、訪問前に各施設の公式サイトでご確認ください。