支笏湖の北西岸に位置する丸駒温泉旅館は、大正4年（1915年）に佐々木初太郎により創業された歴史ある温泉旅館です。支笏洞爺国立公園内に位置し、日本秘湯を守る会の会員宿として知られています。最大の特徴は、全国でも約20か所しかない「足元湧出泉」を有する天然露天風呂です。この露天風呂は支笏湖と同じ高さの水位で岩場により仕切られており、支笏湖の水位変動に合わせて湯量も上下します。春は水深約30cm、秋は約150cmの立ち湯となり、四季を通じて異なる入浴体験が楽しめます。源泉温度54℃のお湯が足元から湧出し、湯温調整は湖につながる水門で行うという野趣あふれる仕組みです。支笏湖は環境省の公共用水域水質測定結果において20回も全国1位に輝いた透明度を誇り、「支笏湖ブルー」と呼ばれる美しい青色の水面が広がります。周辺には恵庭岳（標高1,320m）、風不死岳、樽前山などの山々が連なり、四季折々の絶景が楽しめます。旅館は電気や水道などの公共インフラが通っておらず、自家発電により電力を賄い、支笏湖の水を使用するという、自然と共生する運営を続けています。