



二月田温泉殿様湯は、鹿児島県指宿市西方に位置する、江戸時代から続く由緒ある温泉です。天保2年(1831年)に第27代薩摩藩主島津斉興が長井温泉行館をこの地に移設し、歴代藩主の湯治場として使用されていた歴史を持ちます。昭和初期に公衆浴場として開業し、現在まで「殿様湯」として親しまれています。
現在の温泉施設の隣には、指宿市指定文化財(史跡)に指定された「殿様湯跡」があります。往時の敷石や石造りの湯船、当時貼られた洋風タイルなどがそのまま保存されており、当時の豪華さを物語っています。奥には温泉の神様を祀った「湯権現」も祭られており、指宿温泉祭りの前夜祭ではここから神輿が出発します。
現在の浴場はこじんまりとした造りで、湯船には島津家の家紋である「丸に十の字」が刻まれており、殿様気分を味わいながら入浴できる特別な体験を提供しています。浴場は5人ほどで満員となる小さな湯船ですが、歴史の重みと風格を感じることができる貴重な施設です。
明治28年に民間に払い下げられて以来、今林家が3代にわたって管理・経営を続けており、現在は90歳を超える今林和子さんがオーナーを務めています。建物の外には当時の水道管を利用した無料の飲泉場も設置されており、慢性消化器病や便秘などに効果があるとされる温泉水の持ち帰りも可能です。
舗装道で駐車後、徒歩15分以内
自動車でのアクセス:
鹿児島市中心部から約1時間2分
鹿児島空港から約1時間17分
指宿スカイライン谷山ICから国道226号線経由で指宿方面へ
駐車場:20台(無料)
公共交通機関でのアクセス:
JR指宿枕崎線「二月田駅」から徒歩約8分
JR指宿枕崎線「指宿駅」から車で約5分
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