


栃木県日光市の奥鬼怒温泉郷に位置する加仁湯は、標高1350メートルの山深い渓谷に佇む秘湯の一軒宿です。関東最後の秘境と称される奥鬼怒の源流域に位置し、一般車両が進入できない自然保護地区の奥地にあります。女夫渕から宿の送迎バスで約25分、または徒歩で約1時間30分の距離にあり、まさに秘湯という言葉にふさわしい立地です。
加仁湯の歴史は、江戸時代に小松家が狩猟の基地として利用していた場所に始まります。その後、明治35年の台風による土砂で一度は埋もれましたが、昭和2年に現社長の四代前にあたる小松峯吉によって再発見されました。戦前から戦後の無人小屋を経て、昭和9年に開業。当初は沢蟹がたくさんいたことから蟹湯と呼ばれ、昭和25年に現在の加仁湯に改名されました。ルーツは山小屋であり、その素朴な雰囲気を今も残しています。
この温泉の最大の特徴は、泉質の異なる5本の自家源泉を持つことです。黄金の湯、奥鬼怒4号、岩の湯、崖の湯、たけの湯という5つの源泉は、それぞれ温度や成分が異なり、とちぎにごり湯の会で提唱される一期一湯を体現しています。源泉は無色透明ですが、湯船にためると気温や気圧、湯量によって乳白色や青白色に変化し、毎日異なる表情を見せます。美人の湯として知られ、肌がツルツルになると評判です。
露天風呂は鬼怒川源流の渓谷沿いに点在しており、第一露天風呂は女性専用、第二・第三露天風呂は混浴ですが単色のバスタオル着用で入浴可能です。特に第三露天風呂は対岸の柱状節理の岩山や屏風岩を眺めながら入浴できる名物露天風呂です。利き湯ロマンの湯では5つの源泉をそれぞれ単体で入り比べることができ、全国でも珍しい体験ができます。標高1350メートルの立地により、夏でも30度を超えることはほとんどなく、クーラーのない天然の涼しさが楽しめます。通年営業で、冬は雪景色を眺めながらの入浴が人気です。
舗装道で駐車後、徒歩15分以内
手つかずの大自然と絶景地形
源泉100%かけ流し・特色ある泉質
車でのアクセス
日光道今市ICより国道121号線・県道23号線経由で女夫渕駐車場まで約90分
女夫渕無料駐車場に駐車後、加仁湯送迎バスで約25分
または女夫渕より徒歩約1時間30分(一般車両は女夫渕より先の奥鬼怒スーパー林道に進入不可)
送迎バス時刻
女夫渕発(加仁湯行き):12:00、15:00、17:30
加仁湯発(女夫渕行き):9:00、11:20
公共交通機関でのアクセス
東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅より日光市営バス女夫渕行きで約105分
女夫渕バス停下車後、加仁湯送迎バスで約25分または徒歩約1時間30分
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