



雷鳥沢ヒュッテは、富山県中新川郡立山町にある山小屋で、標高2,350mに位置しています。立山黒部アルペンルートの室堂エリアにある宿泊施設で、「雷鳥沢温泉」という自家源泉の温泉を有しています。1947年に建てられた「房治荘」が前身で、1975年に現在の場所に移転し、現在の雷鳥沢ヒュッテとなりました。コンクリート4階建てで、和室29室、洋室2室、スキーヤーズベッド13台を備え、収容人数は250名と比較的大規模な山小屋です。雷鳥沢ヒュッテの最大の特徴は、室堂エリアで唯一の露天風呂(半露天風呂)を有していることです。営業期間は例年4月中旬から10月下旬までとなっており、冬季は閉鎖されます。
雷鳥沢ヒュッテの温泉「雷鳥沢温泉」の泉質は「酸性-硫酸塩泉(低張性酸性高温泉)」です。源泉温度は73.8度と高温で、地獄谷から約300メートル離れた場所から源泉を引いています。溶存物質(ガス成分を除く)は1,538mg/kgで、成分総計は1,539mg/kg、遊離硫化水素は1.14mg/kgです。高温のため加水して利用されていますが、源泉かけ流しの状態で提供されています。室堂エリアの温泉の中でも特に濃度が濃く、硫黄成分が豊富で白く濁った温泉です。酸性泉特有のピリピリとした刺激があり、湯底には硫黄成分が沈殿して泥のようになっているのが特徴です。温泉は内湯と半露天風呂があり、内湯は真湯(非温泉)、半露天風呂のみが温泉とされています。
未舗装道で駐車後、徒歩15分以内
アクセスが極めて困難で、公共交通機関を複数乗り継いだ後、室堂ターミナルから徒歩で40分以上、急なアップダウンのある山道を歩く必要があります。特に雪の残る時期(6月頃まで)はさらにアクセスが難しくなります。
日本最高所の露天風呂を持つ施設として、その立地自体が非常に特殊です。標高2,350mという高所にある温泉施設は稀少です。
泉質が非常に特徴的で、酸性-硫酸塩泉という強い酸性を持つ泉質は他の泉質と比べても珍しいものです。湯底に硫黄成分が沈殿しており、濃密な温泉体験ができます。
営業期間が限定的で、アルペンルートの開通期間に合わせた4月中旬から10月下旬までのみの営業です。冬季は完全閉鎖されます。
室堂エリアの中でも最も奥まった場所にあり、一般の観光客はみくりが池温泉や雷鳥荘までで引き返す人が多く、さらに奥にある雷鳥沢ヒュッテまで足を延ばす人は限られています。
温泉達人・飯出敏夫氏による「温泉百名山」に剱岳とセットで選定されており、その希少価値が認められています。室堂エリアで唯一の外湯(半露天風呂)を持つ施設としても貴重です。
ただし、コンクリート4階建ての比較的大型の施設であることや、Wi-Fiやクレジットカード決済に対応するなど設備面では近代的な要素も持ち合わせています。また日帰り入浴も受け付けており、アクセスする気があれば誰でも利用できる点は若干秘湯度を下げる要素となっています。しかし、総合的に見て、そのアクセスの困難さと特異な温泉体験から3と評価しました。
雷鳥沢ヒュッテへのアクセスは、立山黒部アルペンルートを利用します。JR富山駅から富山地方鉄道で立山駅まで行き、そこから立山ケーブルカーで美女平駅、高原バスで室堂まで向かいます。室堂ターミナルから徒歩で約40分かかります。みくりが池方向に歩いた後、地獄谷を通り過ぎて雷鳥沢へと進みます。マイカーでのアクセスはできません。みくりが池温泉からは約15分、雷鳥荘からは約10分の距離にあり、雷鳥沢ヒュッテのすぐ隣(徒歩約1分)にはロッジ立山連峰があります。道中にはアップダウンがあり、特に雪の残る時期は雪道を歩くことになるため、トレッキングシューズなど適切な装備が必要です。
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