山形県米沢市、吾妻連峰の中腹、標高900mに位置する歴史ある温泉地です。開湯から700年余の歴史を持ち、米沢八湯の一つに数えられています。
江戸時代には福島の高湯温泉、山形の蔵王温泉とともに奥羽三高湯に数えられ、湯治場として400年を越える歴史を有します。江戸時代には米沢藩士たちの隠し湯的な保養地として重宝され、幕末からは一般の人々も訪れるようになりました。
戦国時代には伊達輝宗が入湯したとされ、1604年から1615年の間、当地に米沢藩の鉄砲製造場が置かれていました。
泉質は含硫黄・カルシウム-硫酸塩温泉で、自然湧出する源泉を3か所に持ちます。源泉温度は約57~60℃、pH7.3の中性泉で、現在はほぼ無色透明です。創傷、火傷、神経痛、慢性胃腸病、動脈硬化症、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、高血圧症など、幅広い効能があるとされています。
温泉地には東屋旅館、西屋、中屋別館不動閣など4軒の旅館があり、総定員268人。特に西屋は江戸時代より残る築約200年の茅葺入母屋造りの母屋を持ち、江戸末期に御影石で造られたという浴室には、湯治場の名残の打たせ湯もあります。700年の時を経て今なお、変わることのない天然温泉が滔々と湯船にあふれています。
冬季は雪深く、「秘境」的な現地の趣ある雰囲気が残る、まさに江戸時代からの秘湯の風情を今に伝える温泉地です。
JR米沢駅からバスで約40~50分、タクシーで約30分。バスは平日7.5往復、土曜休日5往復運行。一部の旅館では送迎バス(米沢駅発14:30、旅館発10:00、要予約)も提供。
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