北海道山越郡長万部町の川股川上流の谷あいに位置する、明治時代から続く歴史ある湯治場です。最大の特徴は、温泉の炭酸カルシウムが堆積して作られた巨大な「石灰華ドーム」で、1965年に北海道の天然記念物に指定されています。
石灰華ドームは、二股川上流に約400メートルの長さ、約200メートルの幅に渡って堆積しており、最大で高さ25メートルにも達します。この規模の石灰華ドームは世界でもアメリカのイエローストーンとここ二股の2カ所にしか存在しない、極めて貴重な地質学的資源です。石灰華は炭酸カルシウム95.75%を含んでいます。
温泉の泉質は、体に良いとされる微量のラジウムを含み、硫黄分を含んでいないことが特徴です。掘削せずに自然湧出でも十分な湯量を保っており、源泉かけ流しで楽しむことができます。
入浴の効能は、神経痛、リウマチ、不妊症、慢性皮膚病、ねんざなど幅広く、飲用としては慢性消化器病、糖尿病、肝臓病、膀胱炎などに良いとされています。ラジウムを含む温泉水は、ホルミシス効果により健康増進に役立つと考えられています。
施設は一軒宿で、和室53室(トイレ付き9室)、総定員130人を擁する大規模な湯治宿です。Wi-Fi機器が利用可能で、トレーニング器具も無料で利用できます。宴会場もあり、団体での利用にも対応しています。湯治場としての機能や雰囲気を残していますが、自炊施設はありません。
露天風呂からは石灰華ドームの岩盤を間近に見ることができ、自然の造形美を楽しみながら温泉に浸かることができます。長期滞在を目的に訪れる湯治客が多く、じっくりと温泉療養を行う人々に愛されています。
明治時代から人々が集まる湯治場として知られ、現在も北海道の秘湯の一つとして、温泉愛好家や湯治目的の訪問者に高い評価を得ています。石灰華ドームという世界的にも珍しい地質学的資源と、ラジウムを含む良質な温泉が組み合わさった、他では体験できない温泉施設です。
【車でのアクセス】
道央自動車道・長万部ICから国道5号線をニセコ方面へ走り、二股から山手に左折。約10km、車で約15分。
【公共交通機関でのアクセス】
JR函館本線・長万部駅からタクシーで約30分。宿泊の場合は送迎あり(要予約)。
函館本線・千歳線の特急で札幌から約2時間。
川股川上流の谷あいに位置し、周囲を豊かな自然に囲まれた環境です。
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