仙人温泉(せんにんおんせん)は、富山県黒部市宇奈月町黒部奥山仙人谷にある秘湯です。黒部川支流の仙人谷沿い、標高約1,450メートルの山岳地帯に位置しています。名前の由来は、この地で修験道の行者が修行していたことに関連し、温泉近くの岩屋に修行僧が住んでいたことから「仙人」という地名がつけられました。
この温泉は一軒宿の山小屋「仙人温泉小屋」によって管理されていましたが、2021年に雪崩で建物が倒壊し、それ以降は営業を休止しています。営業していた当時は、毎年登山シーズン(8月〜9月)限定でオープンしていました。小屋には源泉から引いた露天風呂があり、2016年からは一つの風呂を男女入替制で利用していました。周囲は中部山岳国立公園内にあり、キャンプ指定地はなく、一帯でのキャンプは禁止されています。
この小屋は1956年頃にプレハブで設置されたのが始まりで、1987年に本設の小屋が建てられました。隣接する仙人岩屋跡や石仏薬師如来など、修験道に関連する史跡も見られます。立山や剱岳の登山中継地として利用されていましたが、現在は倒壊した山小屋の解体・整地作業が行われている状態です。
仙人温泉へのアクセスは極めて困難で、複数のルートがありますが、いずれも上級者向けの登山技術と体力が必要です。
黒部峡谷鉄道ルート:黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅から水平歩道を経由して阿曽原温泉に向かい、そこから尾根上に付けられた雲切新道を登ります。標高1,629m地点から尾根を外れて仙人谷へ下り、源泉を経て仙人谷を左岸側へ渡ると仙人温泉小屋があります。欅平駅からの所要時間は約10時間30分で、阿曽原温泉から仙人温泉までは約5時間30分かかります。
室堂方面からのルート:立山・室堂から剱岳北方稜線経由、または剱沢・真砂沢ロッジを経由して仙人温泉に至るルートもあります。
黒部ダム方面からのルート:黒部ダムから内蔵助平経由、または日電歩道・仙人谷ダム経由で到達することも可能です。
いずれのルートも危険な箇所が多く、特に水平歩道は急な登山道や崖沿いの道、暗いトンネルなどがあり、慎重な行動が求められます。山岳地帯での天候急変も予想されるため、十分な装備と経験が必要です。現在は山小屋が営業休止中のため、宿泊を前提とした計画は立てられません。
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駐車後、徒歩1時間以上かかる
深い森林・渓谷の自然豊かな環境
源泉100%かけ流しの温泉
車で全く行くことができず、最寄りの駅(欅平駅)から約10時間30分という長時間の山道歩きが必要です。特に険しい登山道や崖沿いの道、危険な箇所が多数あり、歩行だけでなく登山技術も要します。
営業していた当時も、山小屋は8月〜9月の2ヶ月間のみの営業で、それ以外の時期は積雪や厳しい気象条件のため閉鎖されていました。
現在はクローズ中ですが、こちらも正真正銘の秘湯であり、レベル5と評価しています。