長野県安曇野市、標高1,462mの中部山岳国立公園内に位置する、北アルプス燕岳(2,763m)の登山口にある一軒宿です。1821年(文政4年)、百瀬茂助により創業された歴史ある温泉で、200年以上の伝統を誇ります。敷地内に登録されているだけでも29本もの源泉を持ち、そのほとんどが90℃以上の高温泉という、日本でも屈指の豊富な湯量を誇る秘湯です。
温泉は単純硫黄泉と単純泉の2種類で、pH8.8のアルカリ性高温泉です。源泉温度は56℃から97℃と非常に高温で、加水・加温・循環・着色・塩素消毒を一切行わない完全な源泉かけ流しです。館内には14種類もの多彩な湯船があり、大浴場、露天風呂、貸切風呂「根っこ風呂」、季節限定の屋外温泉プールなど、さまざまなタイプの温泉を楽しむことができます。お湯はぬるぬるとした肌触りで、美肌効果が高いと評判です。
最大の特徴は、100℃を超える地熱を利用した「地熱蒸し体験」ができることです。専用の蒸し場で、じゃがいも、卵、おやき、手作りソーセージなどを蒸して食べることができ、この体験は日帰りプランにも含まれています。また、敷地内には明治時代の歴史的建造物や、登山家ウォルター・ウェストンゆかりの史跡もあり、国の文化財としても登録されています。
宿泊施設は、本館の招仙閣、ロッジ、テント泊など、さまざまなスタイルに対応しており、登山客から湯治客まで幅広く利用されています。料理は地元の山の幸を中心とした郷土料理で、特に山菜や川魚が豊富です。燕岳登山の拠点として多くの登山客が前泊・後泊に利用し、温泉と登山を同時に楽しめる山岳リゾートとして人気です。営業期間は4月下旬から11月下旬までの季節営業で、日本秘湯を守る会、日本源泉湯宿を守る会の会員宿として、伝統を守り続けています。
【車】
・長野自動車道安曇野ICから約27km、約50分
・穂高有明から宮城ゲートを経由して、狭い山道を約20分上ります。対向車とのすれ違いが困難な箇所がありますが、待避所があります。
駐車場:登山者用の無料市営駐車場が3箇所(第1駐車場:約50台、第2駐車場:約40台、第3駐車場:約30台)あり、中房温泉登山口の約500m手前に位置しています。
※重要:2025年4月18日(令和7年)より、第1駐車場が民営化され有料化されました。
中房温泉の有料予約制駐車場:1日7台限定、5,000円/日、4:00から入場可能、2名分の無料入浴券付き。
【公共交通機関】
JR大糸線穂高駅から、シーズン中は登山口行きの乗合バスが運行されます(約55分、1日5便、要事前確認)。
【営業期間】
4月下旬〜11月下旬(冬季休業)
【注意事項】
・登山シーズンは駐車場が非常に混雑します。早朝到着を推奨します。
・宮城ゲートから中房温泉までの道は狭く、カーブも多いため、運転には十分注意してください。
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