







平湯民俗館に併設された「平湯の湯」は、昭和50年(1975年)にオープンした露天風呂専用の日帰り温泉施設です。岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯温泉の中心街、平湯神社の隣に位置し、合掌造りの古民家が建ち並ぶ平湯民俗館の敷地内にあります。
温泉の最大の特徴は、完全源泉掛け流しの茶褐色(黄土色薄濁り)の湯です。鉄分を含み弱い硫黄臭のある高温の湯が、木立の中の露天風呂に豊富に注がれています。地元では「ぬくとまり湯」(温まる湯という意味)として親しまれており、体の芯から温まると評判です。透明度は約40センチメートルの美しい茶褐色で、野趣あふれる雰囲気が温泉マニアにも高く評価されています。
施設は極めてシンプルで、更衣室と露天風呂のみという素朴な造りです。シャワーや洗い場はなく、体を洗ったり洗髪することはできませんが、それがかえって秘湯の雰囲気を醸し出しています。露天風呂は木立に囲まれた自然豊かな環境にあり、新緑、紅葉、雪景色と四季折々の美しい自然を眺めながら入浴を楽しめます。特に小川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂は、まさに山の中の秘湯といった趣があります。
入浴料は「寸志」制で、清掃協力金として300円程度を納めるシステムです。この良心的な料金設定も、地域に根差した公共の湯としての特徴を表しています。湯上がり後は、併設の合掌造り建物内の休憩所で無料で休憩でき、囲炉裏の香りに包まれながらゆっくりと寛ぐことができます。
平湯民俗館には、40年以上前に富山県利賀村から移築された合掌造「旧高桑家」と、蔵柱地区から移築された高山市指定文化財「旧豊坂家」(江戸時代中期築、入母屋造)の2棟の貴重な古民家があります。館内には常時火が入れられた囲炉裏があり、かつて使われていた農機具や民具、円空仏などが展示されています。また、大正時代に平湯に赴任し「飛騨社会教育の父」と呼ばれた篠原無然の記念館、平湯神社、薬師堂、棚田跡なども敷地内にあり、平湯の歴史と文化を一度に感じることができる穴場スポットとなっています。
敷地内にはお食事処「禄次」も併設されており、きのこそば・うどん、みたらし団子、飛騨牛串焼きなど地元の味覚を楽しめます。また、入口には大きな樽型の無料足湯も設置されており、気軽に温泉を体験できる環境が整っています。
舗装道で駐車場からすぐ施設へ
深い森林・渓谷の自然豊かな環境
源泉100%かけ流し・特色ある泉質
徒歩:
平湯バスターミナルから徒歩約5分
平湯温泉街の中心部に位置
車(自家用車):
東京方面から:中央自動車道→岡谷JCT→長野自動車道→松本IC→国道158号(安房トンネル経由)→平湯温泉(松本ICより約60分)
名古屋方面から:東海北陸自動車道→飛騨清見IC→中部縦貫自動車道→高山IC→国道158号→平湯温泉(高山ICより約50分)
駐車場:平湯民俗館入口に約5台分の駐車スペースあり
公共交通機関:
JR高山駅から:濃飛バス新穂高温泉行きで約60分、平湯温泉バスターミナル下車、徒歩約5分
JR松本駅から:特急バス(アルピコ交通・濃飛バス共同運行)で約90分、平湯温泉下車、徒歩約5分
目印:
平湯神社の隣
平湯バスターミナルから平湯大滝方面へ徒歩5分
入口に大きな樽型の足湯あり
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