然別峡野営場の奥にひっそりと佇む「鹿の湯」は、北海道の秘湯界では知らない人がいないほど有名な野湯だ。大雪山国立公園の懐深くに位置するこの温泉は、全国から温泉マニアが巡礼のように訪れる聖地的存在となっている。
ユウヤンベツ川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂は、まさに「野湯」という言葉がぴったりの原始的な体験を提供してくれる。石で組まれた素朴な湯船からは、眼前に広がる渓流の景色を楽しめる。都市部の整備された温泉施設とは対極にある、自然そのものが作り出した温泉空間だ。
明治40年に発見されたこの温泉の歴史は古く、現在の湯船が整備されたのは昭和61年のこと。鹿追町が300万円を投じて造成した石造りの浴槽は、必要最小限の人工的介入にとどめ、自然との調和を重視した設計になっている。名前の通り、この一帯には野生の鹿が多く生息しており、運が良ければ入浴中に鹿の姿を目にすることもある。
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