








小赤沢温泉楽養館は、長野県下水内郡栄村の秘境・秋山郷に位置する日帰り温泉施設です。苗場山登山口にある小赤沢集落の中心部にあり、標高約600メートルの中津川渓谷沿いに佇んでいます。秋山郷は新潟県津南町と長野県栄村にまたがる山深い地域で、かつては冬季に外部と遮断される日本有数の豪雪地帯として知られています。
この温泉の最大の特徴は、鉄分を多く含んだ赤褐色の濁り湯です。湧出口では無色透明ですが、空気に触れて酸化することで浴槽内では赤褐色に変化します。その色の濃さは「味噌汁レベル」と表現されるほどで、タオルに色移りするほどの高濃度な成分を含んでいます。一般療養泉基準の倍以上という高濃度の温泉であり、成分総計は23,350mg/kgに達します。特にフェロイオン(鉄分)は32.66mg、遊離二酸化炭素は813.8mg/kgを含有しています。
楽養館は1984年(昭和59年)に村営施設として開設されました。建物は木造の山小屋風の造りで、合掌造りを思わせる鋭角の屋根が特徴的です。これは豪雪地帯であることを物語る建築様式です。浴室には大小2つの浴槽があり、寝湯、打たせ湯、かぶり湯などが備わっています。湯口からは間欠泉のように音を立ててお湯が湧き出し、炭酸が飛び散る様子を見ることができます。
浴槽の縁には温泉成分が析出してパリパリの湯膜を形成しており、これをくずしながら入浴するのも楽しみの一つです。温度は適度で、長湯ができるぬるめの設定となっています。温泉は源泉かけ流しで、加水・加温・塩素消毒は一切行われていません。
別名「婦人の湯」とも呼ばれ、鉄分を含有するため貧血や月経障害など女性特有の悩みに効果があるとされています。また、塩化物泉は保温保湿効果が高く、身体が芯から温まります。施設内には郷土料理を味わえる食堂や二階の休憩室もあり、登山客や温泉愛好家に親しまれています。
舗装道で駐車後、徒歩15分以内
自然に囲まれた田園・里山風景
源泉100%かけ流し・特色ある泉質
車でのアクセス
上信越自動車道「豊田飯山IC」より国道117号、国道405号経由で約80分
JR飯山線「森宮野原駅」より車で約50分
駐車場:30台収容
公共交通機関でのアクセス
JR飯山線「森宮野原駅」下車、南越後観光バス津南行きで15分、津南で南越後観光バス和山温泉行きに乗り換えて58分、「小赤沢」下車、徒歩約10分
注意事項
秋山郷へのアクセスは山道が多く、ヘアピンカーブや幅員の狭い道が続きます
長野県側からの道路(栄村内の直通ルート)は冬季閉鎖され、道幅も狭いため、関東方面からは新潟県津南町経由の国道405号ルートが推奨されます
公共交通機関の本数は非常に少ないため、自家用車での訪問が便利です
施設は冬季休館となります(11月中旬~4月下旬)
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